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地中海食とは、地中海沿岸の国々の伝統的な食文化のことです。
高脂肪食であるにも関わらず動脈硬化による血管疾患発症率が少なく長生きできるなど、健康上のメリットが多くの研究で明らかにされています。
ここでは地中海食の特徴や健康効果などについて解説します。
目次
地中海食とはどんなもの?
地中海食とは、主に南イタリアやギリシャなどの地中海沿岸地域の食事形態です。
地中海食は野菜を中心とした食事で、オリーブオイルを多く使うなどの特徴があります。
アメリカのミネソタ大学のアンセル・キーズ博士は、狭心症や心筋梗塞といった冠動脈疾患の発症率の相違が何かを調べるために生活環境や食文化が異なる7つの国で生活している40~50代の男性を対象とした研究を行い、同じような高脂肪の食事を摂っているのにも関わらず、アメリカや北ヨーロッパの国々よりも、地中海沿岸諸国の死亡率が低いことを明らかにしました。
それまで冠動脈疾患の原因は食事に含まれる脂肪だと考えられていましたが、この研究によって血液中のコレステロールであることが実証されました。
また、地中海食は冠動脈疾患だけでなく、がんや認知症などの予防に効果があることも分かっており、健康寿命を延ばす効果も期待されています。
健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活を制限されることなく生活できる期間」のことです。
平均寿命と健康寿命の差が大きくなる程、介護が必要になる期間が長くなります。2016年の日本人の平均寿命は男性が80.98歳、女性が87.14歳であり、健康寿命は男性が72.14歳、女性は74.79歳です。
平均寿命と健康寿命の差は男性が8.84年、女性は12.35年となっており、平均寿命が延びて長生きをしても10年前後は要介護期間を送ることになると示しています。
地中海食の特徴とは?
身体によい地中海食には次のような特徴があります。
・糖質は全粒穀物で、低GI食品を摂る。
・野菜と果物を多く摂る。
・肉類が少なく、魚介類が多い。(食べる場合は鶏肉、豚肉と牛肉はごく少量)
・脂肪分はオリーブオイルなど良質なもので摂取する。
・ナッツ類、豆類摂取量が多い。
・ハーブを使用し、塩分の使用量を控える。
・加工食品の摂取は少量。
・昼食がメインで朝・夕は控えめにする。
・適量の赤ワインを飲む。
地中海食は、食物の種類によって一か月に食べる頻度を大まかに分類しています。
「地中海ピラミッド」と呼ばれる図では、食物の種類による食べる頻度の違いを表現しています。
パンやパスタなどの主食は毎日食べて、肉類は月に数回と設定されています。
<地中海食ピラミッド>
地中海食の健康効果とは?
地中海食にはさまざまな健康効果がありますが、具体的には次のようなものが有名です。
・心臓血管疾患のリスクを低下させる
オリーブオイルの不飽和脂肪酸やナッツのオメガ3脂肪酸の働きで動脈硬化を予防し、心臓病による死亡リスクを30%低下させます。
・がんの予防
野菜や果物を多く摂ることで抗酸化作用や抗炎症作用があり、食物繊維が腸内環境を整えるため大腸がんを予防します。
また、ある研究では、地中海食を食べているグループと食べていないグループを比較すると胃がんの発症する確率が33%低下することが分かっています。
さらに、オリーブオイルの摂取により乳がんの発症リスクが68%低下した、という研究結果もあります。
・糖尿病の予防
地中海食で使われる食品は食物繊維が豊富な野菜や全粒粉など食後血糖値を上昇させにくい食品であるため、過剰なインスリン分泌をコントロールすることができ、糖尿病の予防に役立ちます。
・うつ病予防
オリーブオイルの多い食事は、精神を安定させ安らぎをもたらすホルモンであるセロトニンの分泌を増やす効果があるため、うつ病を発症させるリスクを30%低下させることが分かっています。
・認知機能の低下を予防
オリーブオイル、ナッツに含まれる油脂や野菜、果物に含まれる抗酸化物質などを摂取することで認知機能の低下を予防し、認知症の発症リスクを下げる効果が期待できます。
・ダイエット効果
地中海食の食事構成は野菜を中心に、タンパク質や脂質、炭水化物をバランス良く摂取することができるため、カロリー制限や糖質制限ダイエットよりも食事の満足感を得やすく、続けやすいというメリットがあります。
また、ほかのダイエット方法と比べてもリバウンドしにくいことが分かっています。
地中海食でよく使われる食材
地中海食では定番の調味料や食材があります。
地中海食の代名詞ともいえるオリーブオイル以外にも複数の調味料や食材があるので、ぜひチェックしてみてください。
・オリーブオイル
オリーブオイルは常温で固まりにくい性質を持つ不飽和脂肪酸であり、オレイン酸を多く含みます。
オレイン酸には、悪玉コレステロールを減少させる働きがあり、動脈硬化を予防する効果があります。
また、オレイン酸は脳の満腹中枢を刺激するため満腹感を得やすくなります。
食事量が減ることからダイエット効果がありますし、小腸で消化吸収されにくい性質を持つため腸に刺激を与え排便を促す効果もあります。
さらに、オリーブオイルにはオレイン酸の他にも抗酸化作用を持つビタミンEやポリフェノールなどが豊富に含まれているため、身体の酸化を予防する効果があることも分かっています。
特にオリーブの果実をろ過しただけで化学的処理が行われていないエキストラバージンオリーブオイルはより強い抗酸化作用を持ちます。
オリーブオイルの適量は1日に大さじ2杯程度です。
抗酸化作用とは
抗酸化作用とは、身体の中に取り込まれた酸素の一部が活性酸素となり、身体の中の細胞を傷つける反応である酸化を抑える働きのことです。
脂肪が酸化すると活性酸素と結合して遺伝子の本体であるDNAが傷つけられてがんや脳、心臓などの血管疾患、糖尿病といった生活習慣病を発症しやすくなります。
「エキストラバージン」と「ピュア」の違いとは?
オリーブオイルには、「エキストラバージン」と「ピュア」の2種類があります。
エキストラバージンオリーブオイルは、オリーブの実を絞っただけのオイルで、その中でも香りや成分の基準を満たした一部だけのものを指します。
エキストラバージンオリーブオイルの次に品質が良いものを「バージンオリーブオイル」、その次に良いものを「オリーブオイルランパンテ」といいます。
ピュアオリーブオイルは、エキストラバージンと認められなかったオイルを精製して酸度を下げるなどの処理を施した香りや味の無い状態のオイルに、エキストラバージンオリーブオイル、またはバージンオリーブオイルをブレンドしたものです。
エキストラバージンオリーブオイルは豊かな風味を生かして生食で使われることが多いですが、加熱調理に向いていないわけではありません。
また、食材自体の香りを生かすためにピュアオリーブオイルを生食で使うこともあります。
・ナッツ
ナッツは硬いからで覆われた木の実と定義されており、アーモンドやクルミ、カシューナッツ、ピスタチオ、マカダミアナッツなどがあります。
栄養価が高いだけでなく、オリーブオイル同様不飽和脂肪酸が豊富であり、悪玉コレステロールを下げ動脈硬化の予防に役立ちます。
他にも不足しがちなカルシウムやカリウム、マグネシウムなどのミネラル類を補うことができます。
また、水に溶けない不溶性食物繊維であることから便秘の解消の効果もあります。
ナッツの中でも、特にクルミには一番多くオメガ3脂肪酸という身体に良い油脂が含まれています。
オメガ3脂肪酸には血中の中性脂肪を下げたり、血液の塊である血栓をできにくくしたり、全死因死亡リスクを減少させる効果まであることが明らかになっています。
ナッツ類はカロリーが高いため食べ過ぎには注意が必要です。また、ナッツ類は酸化しやすいため新鮮で、食塩が無添加のものを選びましょう。
おやつ代わりにそのまま食べるだけでなく、野菜と一緒に炒めたり、砕いたナッツをサラダにトッピングしたりと料理にも使えます。
・全粒穀物
全粒穀物とは、米や小麦などの穀類から外皮部分を除去しただけのものを指します。玄米や全粒小麦から作られた全粒粉がこれに当たります。
全粒穀物には外皮を取り除かれた精白穀物よりもミネラルや食物繊維、抗酸化物質が豊富に含まれています。
食物繊維が多い全粒穀物は精白穀物よりもGI値が低くなります。GI値とは、食後血糖値が上昇する指標のことで、GI値が低い食品は血糖値の上昇が遅くなりインスリンの分泌を抑えることができます。
そのため全粒穀物は糖尿病予防やダイエットにも効果があることが分かっています。
さらに、全粒穀物には大腸がんのリスクを低下させる効果や、高血圧や心臓疾患、脳卒中の予防にも効果があることが明らかにされています。
・赤ワイン
地中海食は、特定の食材を摂るだけでなく、適量の赤ワインを飲みながら時間をかけてゆっくりと食事を楽しむ食生活スタイルです。
赤ワインにはアントシアニンや、タンニン、カテキンなどといったポリフェノールが含まれています。
ポリフェノールは植物の色素や苦みのもととなる部分で、植物が過酷な生育環境に耐えて生き残るために細胞を守る成分で、活性酸素を捕らえて除去する高い抗酸化作用があります。
食事中に少量の赤ワインを飲むことで、動脈硬化や糖尿病予防、がんの予防効果があることが知られています。摂取量はグラス1~2杯程度としましょう。
地中海食を無理なく続ける方法
地中海食の考え方を日本で実践しようとすると、手に入る食品やライフスタイルの違いがあり、難しく感じられることもあるでしょう。
しかし、肉を控えて野菜を多く摂る、適量の赤ワインを嗜む、オリーブオイルを食事に取り入れるなど、日本での生活でも取り入れられる内容もあります。
下記を参考に、できることから始めてみましょう。
①野菜をたくさん食べる。(健康日本21」では1日の摂取目標量を350gとしています)
②肉に対する考え方を変え、食べるなら鶏肉を少量とする。
③乳製品はヨーグルトを中心に、チーズは様々な種類を少しずつ。
④魚介類は週に2回食べる。
⑤週に一度は夕食を菜食にする。
⑥エキストラバージンオリーブオイル、ナッツ、アボカドなどから良質な油を摂取する。
⑦全粒粉で作られた食品や大麦などの食物繊維が豊富な穀類を主食に取り入れる。
⑧スイーツは特別な日に食べ、普段のデザートは果物にする。
地中海食を意識したレシピを紹介!
・グリークサラダ
グリークには「ギリシャ風」という意味があり、グリークサラダとはギリシャ産の「フェタチーズ」ときゅうりやトマトの野菜を使ったギリシャ料理の定番のサラダのことです。
フェタチーズはヤギのミルクを使って作られたチーズであり、世界最古のチーズとも言われています。
日本では珍しいですが、輸入食品を扱うスーパーマーケットなどで買うことができます。
材料
・トマト 1個
・きゅうり 1本
・パプリカ 1個
・紫玉ねぎ 60g
☆砂糖 小さじ2
☆レモン果汁 小さじ1
☆白ワインビネガー(または酢) 小さじ1
☆塩 小さじ1/4
☆黒こしょう 少々
・エキストラバージンオリーブオイル 小さじ1
・フェタチーズ(またはカッテージチーズ) 100g
・オレガノ(乾燥) 適量
①トマト、きゅうり、パプリカは1cm角に切る。
②紫玉ねぎは粗みじん切りにし、水にさらして辛みを抜いたら水気を拭き取る。
③ボウルに☆を入れてよく混ぜ、さらにエキストラバージンオイルを少しずつ加えてよく混ぜる
④野菜を①のボウルに入れてよく混ぜる。
⑤器に盛りつけ、フェタチーズを乗せる。
⑥オレガノをふる。
・さば缶のアヒージョ
スペイン料理で有名なアヒージョも地中海食の1つです。さば缶を使うことで簡単に作ることができます。
小鍋に残ったオイルは、バケットに付けて食べたり、パスタに合わせたりすることで最後まで美味しくいただけます。
材料
・さばの水煮缶 1個
・マッシュルーム 3個(または椎茸や舞茸、えりんぎなど)
・ミニトマト 4個
・にんにく 1片
・鷹の爪 少々
・オリーブオイル 適量
・パセリ 少々
①さばの水煮缶を汁ごと小鍋に入れ、にんにく(薄切り)、鷹の爪(輪切り)を加える。
②具材にかぶる量のオリーブオイルを入れる。
③中火にかけ、具材に火が通ったら、パセリをふる。
・地中海風白和え
オリーブオイルは和食とも相性が良く、定番の和食もオリーブオイルを加えるだけでいつもと違う美味しさを味わうことができます。
材料
・木綿豆腐 1/2丁
・アボカド 1個
・人参 1/4
・ほうれん草 1/3袋(または小松菜や春菊などの葉物野菜)
・味噌 大さじ1.5
・醤油 少々
・オリーブオイル 適量
①木綿豆腐は水切りをする。
②人参、ほうれん草を切り、さっと茹で、水気を切って冷ます。
③アボカドはさいの目に切る。
④ボウルに木綿豆腐と味噌、醤油、オリーブオイルを加えてしっかり混ぜる。
⑤茹でた野菜を加え、混ぜる。
地中海食についてのまとめ
日本人の食生活は戦後50年間に動物性タンパク質や脂質の増加など大きな変化を遂げ、一方でがんや糖尿病、冠動脈疾患、脳血管疾患などの生活習慣病の増加が深刻な問題となっています。
地中海食と聞くと難しく感じるかもしれませんが、肉は控えめにして野菜を多く食べたり、油をオリーブオイルに変えたりなど簡単に取り入れることができます。
まずはできることから始めてみましょう。
毎日健康に配慮した食事の献立を考え、調理するのが難しい、という方は配食サービスを利用するとよいかもしれません。
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一般の高齢者に向けたお弁当だけではなく食事制限がある方への対応や、摂食機能によって食事の形態を変更するなど、一人ひとりの事情に合わせて届けてもらうことも可能です。
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