こんにちは!配食のふれ愛のコラム担当です!
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目次
酢の歴史と栄養価や効能とは?
酢はどうやって作られるようになった?
酢は、私たち人類が最初に手を加えて作った、最古の調味料だといわれています。
有力と言われる説として、神や祖先への供え物だった果物や野菜が自然にアルコール発酵し、やがて酢酸菌などが付着して、酢になったのでないかと言われています。
紀元前5000年頃の古代バビロニアには、ブドウやナツメヤシを使用して作る酢に関する記載があり、その頃からさまざまな薬効があることが認められ、薬としても利用されていました。
日本には4~5世紀頃に伝えられ、現在の大阪府南部、和泉市のあたりで酢が醸造されるようになったのが始まりとされています。ただし、このころはまだ貴重なもので庶民が使用できるものではなかったようです。
酢の栄養と健康効果
世界中でさまざまな原料を利用して作られる酢、どのような栄養素が含まれているのか確認してみましょう。
エネルギー(kcal) | 炭水化物(g) | ナトリウム(mg) | カリウム(mg) | リン(mg) | |
穀物酢 | 4 | 0.4 | 1 | 1 | 0 |
米酢 | 7 | 1.1 | 2 | 2 | 2 |
果実酢・ぶどう酢 | 3 | 0.2 | 1 | 3 | 1 |
果実酢・りんご酢 | 4 | 0.4 | 3 | 9 | 1 |
黒酢 | 8 | 1.4 | 2 | 7 | 8 |
果実酢・バルサミコ酢 | 15 | 2.9 | 4 | 21 | 3 |
各大さじ1杯15ccあたり 日本食品標準成分表2015年度版(七訂)追補2018年より
このほかにも、酢の酸味を担う成分である酢酸やクエン酸など、多くの栄養素が含まれています。
では、具体的にはどのような健康効果があるのかを見ていきましょう。
疲労回復効果
私たちの体は過度な運動をすることにより、筋肉中に乳酸という物質が溜まっていきます。乳酸は筋肉を酸化させてしまい、疲労感を感じる元になってしまいます。疲労がたまると何をするにも力が入らない状態になってしまいますが、酢に含まれる酢酸やアミノ酸が、筋肉痛の原因となる乳酸を分解し、疲労回復を助けてくれます。
血圧安定作用
食事により塩分を摂取すると、その中に含まれていたナトリウムは血液中に取り込まれ、血管を収縮させてしまします。さらに喉が渇くために取る水分も血液中に取り込まれ、血液の量が増加します。
増えた血液を、固く収縮した血管の中を通さなければいけないため、心臓はより強い力で血液を送り出すことになります。これが高血圧です。
酢にはナトリウムを排せつする作用があり、血圧の低下に効果があります。
便秘改善効果
酢は腸の蠕動運動を活発にする働きがあり、また、腸内の善玉菌を増やす作用もあるため、便秘改善に効果があります。食物繊維が豊富な野菜のピクルスは、さらに効果的ですね。
血糖値の上昇を控える
一日食事とともに大さじ1杯(15ml)の食酢を摂取すると、血糖値上昇を抑える効果があることが、さまざまな機関で実証されています。株式会社Mizkan Holdings(ミツカン) 様のホームページには、日本臨床栄養学会雑誌27:321-325 2006に掲載された資料をもとにまとめられた、「健常な女性における食酢の食後血糖値上昇抑制効果」が掲載されています。ご参照ください。http://www.mizkan.co.jp/company/health/report/04.html
カルシウムの吸収量増加
カルシウムは通常、摂取した量のうち、30%しか吸収されないといいます。このように吸収率が悪いミネラル類は、酢と併せて取ることで吸収率が高くなることが確認されています。これは、酢の力により、カルシウムが食品から溶出され、「酢酸カルシウム」という成分に変化するためで、骨粗しょう症予防や老化予防などに効果があるといわれています。
血液サラサラ、代謝を上げて肥満防止に
酢に含まれる酢酸には、コレステロールの合成を阻害する性質があります。また、内臓脂肪の減少にも効果があることが確認されています。
高血圧、高脂血症、肥満…生活習慣病の予防には、酢はもってこいの調味料ですね。
栄養バランスの整った食事に酢の物をプラスする
酢にはさまざまな効果、効能があることがわかりましたね。日々、家族の健康を想い、栄養バランスを考えて作った、おいしい料理やデザートの一皿に酢の物をプラスすると、一生懸命作った料理の栄養の吸収率をアップし、肥満やコレステロールの沈着は阻害する、と、とてもうれしい効果が期待できます。
とはいえ、介護に家事に、と忙しい時栄養バランスを整えるのは大変です。こんな時には、配食のふれ愛のお弁当を依頼し、デザートやドリンクに酢を使った物をプラスしてみてはいかがでしょうか?
配食のふれ愛のお弁当は、栄養学のプロである管理栄養士が、食べる方のことを想って作った、栄養バランスの整ったお弁当です。咀嚼・嚥下に不安がある方にも召し上がりやすいきざみ食ややわらか食、ムース食のほか、持病による食事制限が必要な方にも手に取っていただきやすい、カロリー調整食、たんぱく調整食と、お弁当の種類も充実しています。
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食べやすい酢の物レシピ
骨まで食べられる洋風南蛮漬け 小魚のエスカベッシュ
ワカサギやきびなごを丸ごと唐揚げにし、酢漬けにすることで、高齢者様にも骨まで柔らかく食べていただくことができます。おなじみのしょうゆ味の南蛮漬けではなく、洋風の合わせ酢につけたものを「エスカベッシュ」と言います。
【材料】 2人分
ワカサギ、きびなごなど 12匹
片栗粉(掃除用) 適宜
玉ねぎ 1/4個
パプリカ 1/2個
セロリ 1/4本
塩・こしょう 少々
薄力粉(衣用) 適宜
揚げ油 適宜
≪合わせ酢≫
酢 大さじ3
オリーブオイル 大さじ2
にんにく 1/2かけ
砂糖 小さじ1
塩 ひとつまみ
【作り方】
1、わかさぎ、きびなごなどはよごれをざっと洗い、水気を切ってから片栗粉をまぶして優しく表面を拭い、再度水で洗って表面の汚れを落とし、水気を切っておく。
2、玉ねぎは薄切り、パプリカは種を除き、セロリは筋を取り除いてからそれぞれ薄切りにしておく。
3、にんにくはすりおろし、≪合わせ酢≫の材料をすべて混ぜ合わせておく。
4、保存容器に(2)の野菜、合わせ酢を入れる。
5、(1)の小魚に塩・こしょうをふり、薄力粉をまぶして180℃の揚げ油で揚げて、熱いうちに(4)に漬ける。
6、30分程度で味がしみてきますが、冷蔵庫で1日つけておくと、骨までやわらかく食べられるようになります。
※酢の力で骨まで柔らかくなるとはいえ、咀嚼・嚥下に不安がある高齢者様には少し硬すぎる場合があります。鯵など、骨がしっかりとしている魚の場合は特に、様子をみて、骨を外して召し上がってください。
糸きり昆布の炒り煮
酢は、魚の骨だけでなく、昆布もやわらかく煮ることができます。ミネラル豊富な昆布を酢の力で柔らかく、また、栄養もしっかりと取ることができます。
もちろん、出汁をとった後の昆布を細く切ったものでもよいですが、スーパーマーケットに行くと、昆布を煮物用に細く切ったものも販売されています。都合の良いほうをご利用くださいね。
【材料】 2~3人分
糸きり昆布 20g
にんじん 1/4本
寿司あげ 1枚
ごま油 大さじ1
酢 大さじ1.5
しょうゆ 大さじ1.5
みりん 大さじ1.5
【作り方】
1、糸きり昆布は酢少々(分量外)を入れたたっぷりの水に入れて、柔らかくなるまで戻す。
2、にんじんは皮をむき、千切りにする。寿司あげは熱湯を回しかけ、油抜きをしてから千切りにする。
3、フライパンにごま油を熱し、(2)のにんじんを炒める。にんじんがしんなりとしたら、水を切った(1)の糸きり昆布、(2)の寿司あげを加えて全体を炒め、酢、しょうゆ、みりんを入れて水気がなくなるまで炒り煮にする。
トマトのマリネ
春の日差しがまぶしい頃になると、急に紫外線がきつくなってきます。冬の間乾燥して傷んでいる肌には、春の紫外線は意外と手ごわいものです。
こんな時にはトマトのリコピンが有効です。リコピンには皮膚の赤みを取り、メラニン色素の生成をおさえ、シワやシミの発生を抑える効果があります。なお、このマリネ液はトマトだけでなく、いろいろな野菜をつけていただいてもおいしく仕上がります。調理の際、少し余った野菜をいろいろとつけておいて、箸休めに召し上がったり、細かく刻んでマヨネーズと和え、タルタルソースとして利用したりすると、普段の食事に酢の健康効果や野菜の栄養の上乗せをしていただけますよ。
【材料】 2人分
プチトマト 16粒
玉ねぎ 1/8個
≪マリネ液≫
酢 180cc
砂糖 60g
塩 大さじ1/2
ドライバジル ひとつまみ
オリーブオイル 大さじ1
【作り方】
1、プチトマトはヘタを取り、きれいに洗って水けをふき取り、竹串で所々皮をついておく。
2、玉ねぎはみじん切りにし、水にさらしてキッチンペーパーにくるんでしっかりと水気をきっておく。
3、鍋に酢、砂糖、塩を入れて沸かし、ひと煮立ちさせる。火を止めてすぐにドライバジルを手でひねりながら入れ、ドライバジルが沈んだらオリーブオイルを入れる。
4、清潔な瓶にトマトを詰め、(2)の玉ねぎ、(3)のマリネ液をトマトの上まで注ぎ、冷蔵庫で保存する。
※トマトや玉ねぎがマリネ液から上に出ていると、カビが生えることがあります。必ずトマトがしっかりと沈む量のマリネ液を入れてください。
※咀嚼・嚥下に不安がある場合
トマトの皮は歯、歯茎、のどに張り付きやすく、また丸ごとの場合は噛んだときに果汁や種がのどに入ってむせる場合があります。皮をむいて横半分に切り、種を除いて召し上がってください。
フルーツビネガー
季節のフルーツをはちみつ入りの酢につけておくと、ジャム替わりにヨーグルトにトッピングしたり、炭酸や湯で割って飲み物として楽しんだりすることができます。
生のフルーツはもちろん、鉄分の豊富なプルーンやレーズンなどのドライフルーツでもおいしく作ることができ、柔らかくなるので、高齢者様にも食べやすいですよ。
【材料】 作りやすい分量
酢 大さじ4
はちみつ 大さじ1
好みのフルーツ 大さじ1~2
【作り方】
1、好みのフルーツは必要に応じて皮や種を取り除き、一口大に切る。
2、清潔な保存容器に酢、はちみつを入れて混ぜとかし、フルーツを入れる。
3、1日つけて、翌日あたりから味がなじみはじめます。お好みで水や炭酸水、湯で割って召し上がってくださいね。
※ドライフルーツで作る場合
ドライフルーツには、オイルコートといって酸化防止、品質保持のためにサラダオイルがまぶしてあることがあります。また、糖分が添加されていることもあるので、ザルに入れて上からまんべんなく熱湯をまわしかけ、油や糖分を洗い流して、キッチンペーパーなどでしっかりと水気をふき取ったのち、酢につけてください。
酢を取る時に注意したいこと
酢は食品中のカルシウムを溶出し、吸収率があがることをご紹介しましたが、これは魚の骨に限らず、私たちの歯のカルシウムをも溶出してしまいます。特に高齢になり、歯がもろくなっている方にとっては、酢の物を食べた後は水分を摂取したりうがいをすすめたりして、口の中の酢を洗い流すよう促してあげてください。
また、歯だけでなく、時には酢の酸が胃や食道の粘膜を痛めてしまうことがあります。空腹時は酢を含むもの以外も併せて摂取し、胃が弱い方は特に、酢の物を食べた後は水分を摂取するように心がけてくださいね。
酢の物についてのまとめ
気軽に手にすることができる酢には、実にさまざまな健康効果がありましたね。世界各国で親しまれている酢、さまざまな食材をもとにつくられています。
それぞれ、原料により少しずつ栄養成分や旨み、酸味の強さが違いますので、いろいろな酢をいろいろな料理に合わせ、味の違いを楽しんでもよいですね。
同じ料理でも、夏は色の薄い酢でさっぱりと、秋から冬は黒酢や赤ワインビネガーでこっくりと、と、使い分けてもおいしく召し上がっていただけます。
歳を重ねると、酸味をあまり好まなくなる方もいらっしゃいます。そのような場合には、煮物や汁物を作る際に、最初から酢を小さじ1杯程度入れて炊いてみてください。酸味は加熱することで飛んでしまいます。
健康を維持するためには、成人で1日に大さじ1~2杯を摂取するとよい、と言います。
ぜひ、健康維持のためにも毎日少しずつ、ためしてくださいね。