こんにちは!配食のふれ愛のコラム担当です!
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在宅で介護や医療を受ける要介護者の4人に3人が低栄養のリスクを抱えています。食事だけでは補えない栄養素を補給するために有効なのが栄養補助食品です。
ここでは、低栄養の原因や予防方法、栄養補助食品の種類や特徴について説明していきます。
低栄養とは?原因は?
低栄養とは、身体に必要なエネルギーやたんぱく質などの栄養素が不足した状態です。
高齢者の低栄養の原因は様々です。これまでと同様に1日3回の食事を食べていても、加齢に伴う機能の低下により、食事量が減少して低栄養となることがあります。
また、夫婦二人だけや独りでの食事が多く、食事が簡素化してしまうことで栄養が偏ったり、食事の楽しみが無くなって食欲が低下してしまうということも原因として考えられます。
低栄養と聞くとやせ細っている、というイメージですが、実はふくよかな体型の「かくれ低栄養」もあります。
食べる物が脂質や糖質だけに偏りがちで、たんぱく質などの栄養素をあまり摂らないと、体脂肪が多くても筋肉が少なく、骨の密度がスカスカになってしまいます。
そのため、低栄養かどうかを調べるには体型や体重だけでなく、血液検査の値も重要視します。
高齢者の低栄養の主な原因
・咀嚼、嚥下機能の低下
噛むこと、飲み込むことが困難となると柔らかいおかゆやペースト状の食事が中心となるため、エネルギー量や栄養素が不足してしまいます。
・味覚、嗅覚の低下
食事が美味しく感じられなかったり、高血圧などの治療食である薄味の食事では味が感じにくくなるため食欲が減退します。
・夫婦2人だけや独居世帯による孤食
高齢者の夫婦2人だけの家庭や独居である場合には、家族と同居している人と比べると低栄養の割合が2倍高くなると言われています。
食事を作ることや買い物が大変で菓子パンやインスタント食品など簡単に済ませられるものを単品で食べていたり、経済的事情などの要因が考えられます。
・脂質やコレステロールを過度に控えている
肥満やコレステロール値を気にして過度に食事量や動物性たんぱく質などを制限してしまうことで低栄養を招きます。
・持病がある
病気を患っていると体力を回復するために多くの栄養が必要となります。
また、肺や心臓などに持病があると、呼吸をするだけでエネルギーを使い疲労してしまうため食欲が低下することで低栄養になりやすくなります。
薬の副作用でも食欲の低下がみられることがあります。
・うつや認知機能の低下
うつ病や認知症となると、食べることへの意欲が低下するため、低栄養状態となることがあります。
低栄養を見つける指標
・体重の変化、BMI
体重の変化は低栄養のリスクの目安となります。
「体重が6か月間に2~3kg減少」または「1~6か月間の体重減少率が3%以上」、 BMIは18.5未満が「やせ」の範囲で、18.5未満より下がるほど死亡率が高くなります。
※BMIとは、肥満度を示す指数のことです。
BMIは、体重kg ÷ (身長m(2))で求められます。
日本肥満学会の肥満基準(2011年)
状態 | 指標 |
低体重(痩せ型) | 18.5未満 |
普通体重 | 18.5以上、25未満 |
肥満(1度) | 25以上、30未満 |
肥満(2度) | 30以上、35未満 |
肥満(3度) | 35以上、40未満 |
肥満(4度) | 40以上 |
・血液検査
血液検査の数値は、どれか1つだけを見るのではなく、総合的に見て判断します。
(1)血清アルブミン値
アルブミンは血液中に含まれるタンパク質であり、栄養状態をみる指標となります。
脱水や感染症、その他の病気などで数値が影響を受けることがありますが、概ね3.5g/㎗未満が低栄養のリスクの目安となります。
(2)血中総コレステロール値
低栄養だとコレステロール値が低下します。血中総コレステロール値が150mg/㎗未満が低栄養のリスクの目安となります。
(3)血中ヘモグロビン値
ヘモグロビンは赤血球中にあるタンパク質で、全身に酸素を運搬する役割があります。ヘモグロビン値が低下すると貧血の症状があらわれます。
低栄養によっても鉄欠乏性貧血となることがあります。血中ヘモグロビン値が10g/㎗未満が低栄養のリスクの目安です。
低栄養が続くとどうなる?
低栄養状態では、様々なリスクがあります。食べる量が体を動かすために必要なエネルギーを下回ってしまう場合、体重が減少し、筋力も低下していきます。
すると、歩くのが遅くなったり、転びやすくなったります。
また、食べ物を噛んだり飲み込んだりするのにも筋力は必要ですから、これらの機能も衰え、むせやすくなったり、食事を摂りにくくなったります。
慢性的な栄養不足が続くと、体調が悪くなったり、免疫力の低下などが起こります。
また皮膚や骨も脆くなってしまうため、床ずれが起きやすくなったり、傷がなかなか治らなくなることもあります。
さらに、食事量が減っていくと水分の摂取量も減少するため、脱水状態にもなりやすくなります。
低栄養を予防する方法は?
・入れ歯の調整
入れ歯の不具合があり食べ物が噛みにくい場合には、入れ歯を調整する必要があります。
・酢や香辛料、香味野菜を取り入れる
酢には胃酸や唾液の分泌を促すため、食欲を増進する効果があります。また、風味にアクセントをつけることで食欲が湧いてくることもあります。
・1日のエネルギー量や栄養素を補えるようバランス良く食べる
厚生労働省が定めた「日本人の食事摂取基準」を目安に1日のエネルギー量や栄養素を摂取するよう心がけましょう。
<推定エネルギー必要量(kcal/日)>
性別 | 男性 | 女性 | ||||
身体活動レベル | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ |
30~49歳 | 2,300 | 2,650 | 3,050 | 1,750 | 2,000 | 2,300 |
50~69歳 | 2,100 | 2,450 | 2,800 | 1,650 | 1,900 | 2,200 |
70歳以上 | 1,850 | 2,200 | 2,500 | 1,500 | 1,750 | 2,000 |
※身体活動レベルとは
Ⅰ:生活の大部分が座った状態で、静的な活動が中心
Ⅱ:座った状態が中心だが、移動や立った状態での作業があったり、通勤・買物・家事・軽いスポーツ等のいずれかを行う場合
Ⅲ:移動や立っている状態が多い生活。あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣がある場合
高齢者に不足しがちな栄養素
栄養素 | 働き | 多く含む食品 |
カルシウム | 骨や歯を作り、筋肉の収縮や血液凝固の促進に関与 | 牛乳・乳製品、小魚、海藻、豆類、野菜 |
鉄 | ヘモグロビンの構成成分となり酸素を運搬する | レバー、赤身の肉、赤身魚、貝類、ホウレンソウや小松菜などの緑黄色野菜、ひじきなどの海藻類、大豆製品、卵黄 |
ビタミンA | 目や皮膚の粘膜を健康に保つ | 鶏・豚レバー、うなぎ、乳製品(牛乳、バター、チーズなど)、卵、緑黄色野菜 |
ビタミンB1 | 糖をエネルギーに変えるために必要な栄養素 | 肉類や魚類(中でも豚肉や魚の血合部分に多い)、豆類 |
ビタミンB2 | 糖やたんぱく質、炭水化物をエネルギーに変えるために必要、皮膚や髪、爪などの細胞の再生に関与 | 落花生などの豆類、レバー、牛乳、卵、緑黄色野菜 |
参考:健康長寿ネットhttps://www.tyojyu.or.jp/net/index.html
・主食1品だけの食事とならないようにする
菓子パンや麺類1品だけではなく、身近にある食品をプラスして少量でも効率よく栄養が摂れるように工夫する必要があります。
簡単におかずを1品増やすことができるよう、長期保存できる缶詰や冷凍食品、水で溶かすだけのマッシュポテトの素などを常備しておくと良いでしょう。
食欲がない時でもおかゆ1品だけでなく、しらすやおかか、納豆など食べられるものをプラスして栄養を補うようにします。
・肉か魚を1日2品、卵か豆腐を1日1品摂取する
肉、魚、卵には動物性たんぱく質が、豆腐(大豆製品)には植物性たんぱく質が多く含まれています。
体の中のたんぱく質が低下すると、筋力も低下して転びやすくなったり、内臓を構成するたんぱく質が分解されることで体力や免疫力の低下にも繋がります。
肉と魚の摂取は1:1程度の割合で、様々な種類の動物性たんぱく質を摂ることを意識しましょう。
<たんぱく質の推奨量(g/日)>
性別 | 男性 | 女性 |
30~49歳 | 60 | 50 |
50~69歳 | 60 | 50 |
70歳以上 | 60 | 50 |
・牛乳を毎日飲む
牛乳は動物性タンパク質を含んでおり、カルシウムを効率良く吸収することができるため、なるべく毎日飲むようにしましょう。
・脂質が不足しないように注意する
脂質は炭水化物、たんぱく質に並ぶ、私たちが生きていく上で必要な3大栄養素の1つです。
脂質を摂取すると、1gあたり9kcalのエネルギーを生じ、身体を動かすパワーの源になります。
・家族や友人などと食卓を囲み、楽しい食事にする
夫婦二人世帯や独居の場合には可能であれば家族や友人だったり、デイサービスなど外出の機会を持つことがおすすめです。
誰かと食事をすることで食事が楽しくなり、美味しく感じられることに繋がります。
・栄養補助食品で補う
1回で量を多く食べることができない場合には、栄養補助食品を取り入れましょう。
・適度な運動をする
体を動かすと消化機能の働きが良くなるため、栄養の吸収が良くなります。全く運動をしないと、筋肉量が低下するだけでなく、骨も脆くなってしまいます。
そのため、軽い運動をこつこつと続けることが大切です。適切な運動量は個人差がありますが、目標脈拍数を目安とすると自分に適した運動負荷量を知ることができます。
目標脈拍数=0.6×{(220-年齢)-安静時脈拍数}+安静時脈拍数 |
例)70歳、安静時脈拍数が60回/分の人の場合
0.6×{(220-70)-60}+60=114
目標脈拍数は114回/分となります。
高齢者におすすめの運動
手軽に有酸素運動ができ、身体的負担が少ないウォーキングは、高齢者におすすめの運動です。体これまで運動習慣が無かった人は、まずは短い距離をゆっくり歩くことから始めてみましょう。
栄養補助食品とは?
栄養補助食品と呼ばれるものには法律的な定義はありません。
いわゆる健康食品に属しますが、健康食品自体にも明確な定義はなく、一般に「健康の保持増進に資する食品」と考えられています。
ここでは不足した栄養やエネルギーを補うことができる食品を栄養補助食品として紹介していきます。
栄養補助食品は、うまく食事が摂れないときや、食事量が不足しているときに不足したエネルギーや栄養素を補うことができる食品です。
少量で高カロリーのエネルギーを補給したり、たんぱく質やビタミンを補給するものなど様々な種類があります。
またドリンクやゼリー、ビスケットなど形態も様々で、味のバリエーションを豊富に取り揃え、毎日食べても飽きないよう工夫がされています。
不足しているエネルギー量や栄養素に注目するだけではなく、摂取しやすい形態のものを選ぶことが大切です。
栄養補助飲料
ドリンクタイプの栄養補助食品は、水分補給を兼ねて不足したエネルギー量や栄養素を補うことが出来ます。
メーカーや配合されているエネルギー、栄養素のバランスなどによって様々な種類があるため、医師や栄養士に相談し不足している栄養素を補えるものを選ぶと良いでしょう。
特に、糖尿病や腎臓病など持病がある場合には摂取に制限がある栄養素が含まれていることもあるため、飲んでも問題ないか主治医に確認することが大切です。
栄養補助飲料の一例と配合されている栄養素を紹介します。
エンシュア・リキッド/エンシュア・H (アボットジャパン)
https://www.abbott.co.jp/our-products/ensure-liquid.html
エンシュア・リキッド/エンシュア・Hは医療用医薬品であり、購入には医師の処方が必要です。
経腸栄養剤として胃ろうの患者さんにも使用されている栄養補助飲料で、主要栄養素やビタミン・ミネラルを効率よく摂取できます。
エンシュア・リキッドは1mlあたり1.0kcalで、エンシュア・Hは1mlあたり1.5kcalであるため、エンシュア・Hの方が少量でより高いカロリーを摂取することができます。
成分に牛乳由来のカゼインが含まれているため、副作用として下痢がみられる場合があり、牛乳を飲むとお腹の調子が悪くなる人は注意が必要です。
味は、エンシュア・リキッドはバニラ・コーヒー・ストロベリー味の3種類で、エンシュア・Hはバニラ・コーヒー・黒糖・バナナ・ストロベリー・メロン味の6種類です。
明治メイバランス(明治)
https://www.meiji.co.jp/meiji-eiyoucare/products/nutritionfood/meibalance_mini/index.html
ドラッグストアや大型スーパーでも購入ができる栄養補助飲料です。ドリンクタイプのヨーグルトテイストやミルクテイストなど味のバリエーションが豊かです。
1本でご飯1杯分相当のエネルギーを補給でき、主要栄養素に加え11種類のビタミン、10種類のミネラル、レタス3/4子個分の食物繊維を摂ることができます。
味は、ヨーグルトテイストはブルーベリー・白桃・いちご・マスカット味の4種類で、ミルクテイストはバナナ・ストロベリー・コーヒー・抹茶・ヨーグルト・コーンスープ味の6種類です。
通常のメイバランスよりも高カロリーで栄養素を多く含んだ「明治メイバランスArg」という商品も発売されており、食事があまり食べられない方や横になっている時間が長い方におすすめです。
ブイ・クレスBIO(ニュートリー株式会社)
https://www.nutri.co.jp/products/vcresc/
1本あたり90kcalと摂取エネルギーは控えめに、成人男性の食事摂取基準の平均2~3倍のビタミンを配合している栄養補助飲料です。
鉄は摂取基準の67%含んでおり、牛乳由来の成分は使用していないためアレルギーの方でも飲むことができます。味はキャロット、ラ・フランス、ピーチ味の3種類です。
ディムス(クリニコ株式会社)
https://www.clinico.co.jp/products/series/medical2/dims.html
糖尿病患者さん向けに糖質や栄養素を調整した栄養補助飲料です。
食物繊維が多めに含まれているため食後の血糖値の上昇が他の栄養補助飲料と比べると緩やかで、主要栄養素のバランスが「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン」に基づいて配合されているのが特徴です。
味はプレーン味の1種類です。
レナジーbit(クリニコ株式会社)
https://www.clinico.co.jp/products/series/medical2/renagy.html
腎機能が悪い方向けにたんぱく質、カリウム、リン、ナトリウムの摂取量を抑えながらエネルギーやその他栄養素を補給できる栄養補助飲料です。
1本(150kcal)あたり、たんぱく質は0.9gと腎不全の患者さんでも安心して飲むことができます。味は乳酸菌飲料風味とコーヒー風味の2種類あります。
製品名 | エンシュア・リキッド | 明治メイバランス | ブイ・クレス | ディムス | レナジーbit |
内容量 ml | 100 | 125 | 125 | 100 | 125 |
エネルギー kcal | 100 | 200 | 90 | 100 | 100 |
たんぱく質 g | 3.52 | 7.5 | 0.3 | 4.0 | 0.9 |
脂質 g | 3.52 | 5.6 | 0 | 2.8 | 4.2 |
炭水化物 g | 13.7 | 31.7 | 22.3 | 16.7 | 31.2 |
食物繊維 g | – | 2.5 | – | 2.4 | 4.0 |
その他の栄養補助食品
・ゼリータイプ
嚥下機能が低下した高齢者でも飲み込みやすい形態です。
フルーツ味のゼリーのほかにも、プリンやムース、羊羹など多種多様な商品があるため、食後のデザートとしても楽しめます。
・菓子類
クッキーや煎餅などに栄養素が付加されている菓子類は、間食として取り入れることで手軽に栄養補給をすることができます。
腎臓病患者さんのために、たんぱく質を抑えエネルギーを摂取することができる菓子類も多く販売されています。
・パウダータイプ
飲み物や料理に溶かしてエネルギーや栄養素を補うことができます。食事の味をほとんど変えずに栄養を補うことができるため、介護施設や医療機関でも使用されています。
まとめ
高齢者は加齢に伴う機能の低下や生活習慣などから低栄養となるリスクがあり、今まで通りの食事をしていても低栄養になる場合があります。
低栄養を予防するためには、現状を把握し、早期に対応することが大切です。
介護者は食事が十分に摂れているかどうか観察し、食べられない場合にはその原因は何かを探り、栄養が過不足とならないよう献立を考える必要があります。
介護負担を軽減するためにも栄養補助食品を付加したり、栄養バランスが配慮された宅配弁当を上手に取り入れることがおすすめです。
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