こんにちは!配食のふれ愛のコラム担当です!
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たとえ高齢でなくとも、ひとたびついた脂肪は落としにくいもの。また、一般的には年を重ねるごとに体重は増えやすく、落ちにくくなりますね。今回はどうして体重の変動が起こるのか、肥満による合併症、および低カロリーのメニューについてご紹介します。
目次
高齢者の肥満
肥満とは?
BMI(Body Mass Index)値という言葉は、皆様よくご存知だと思います。これは【体重(kg)】÷【身長(m)】2で計算される数字で、ボディ・マス指数(体格指数)と呼ばれることもあります。ベルギーで開発された指標ですが、現在、多くの国でこの計算方法が利用されています。
しかし、国によって肥満の基準となる数値は異なり、日本肥満学会では下記のとおり、判定基準が制定されています。
BMI | 肥満度判定 |
18.5未満 | 低体重(やせ) |
18.5~25未満 | 普通体重 |
25~30未満 | 肥満(1度) |
30~35未満 | 肥満(2度) |
35~40未満 | 肥満(3度) |
40以上 | 肥満(4度) |
高齢者に多いサルコペニア肥満
サルコペニアとは急激に筋肉が減ってしまった状態で、加齢や運動不足により筋肉が細くなってしまっていることをいいます。単なる肥満というだけではなく、2型糖尿病や高血圧を引き起こす可能性が高くなったり、筋肉の衰えから生活の動作が困難になり、やがては寝たきりになってしまったりします。同じ身長と体重で、同じBMIが算出されるため、気付かれにくいのですが、高齢者に多いタイプの肥満です。
近年では高齢者だけでなく、デスクワークが多かったり日常の移動手段に車を利用し、歩くことが少なくなったりして、サルコペニア予備軍ともいえる人が40代でも見受けられます。
良質なたんぱく質の摂取と運動が必要になります。
むくみ
サルコペニアと並び、筋肉量、運動量の低下や、持病や服用している薬の副作用、偏食によるむくみが肥満と間違えられている場合があります。この場合、体の中には脂肪だけでなく、停滞している水分がありますので、カロリー制限をするだけでなく、むくみ解消を意識したメニューをとり、軽い運動やマッサージなどで血行を促進し、むくんでいる水分を排泄できるよう促す必要があります。
また、冷えからむくみが出る場合もあります。体が冷えないように衣服などを調整し、温かい食事で体温の低下を予防しましょう。
食材としては、きゅうりや冬瓜などにむくみを解消する働きがありますが、これらうり科の野菜は体を冷やす働きもあります。手足やおなかに冷えがある場合は、あさりや白身魚を利用しましょう。おなかを下しやすい方には不向きですが、小豆にもデトックス効果があります。甘く餡にするのではなく、かぼちゃと炊いた「いとこ煮」がおすすめです。
肥満が招く合併症
高血圧
BMIが高く、肥満と診断される人は、正常とされる体重の人よりも、高血圧になる割合が2~3倍になります。
肥満の方は食べる量が多いため、必然的に摂取する塩分などの量も多くなります。そのため、体内に蓄積するナトリウム量が過剰になり、それを薄めようとする働きが盛んになり、血管内の水分が増えます。
こうして、薄く多くなった血液を運ぶために心臓に負担がかかっているからということです。また、肥大した脂肪細胞や、過食がもたらす交感神経系の刺激により分泌される物質が抹消血管を収縮させ、さらに血圧の上昇を招きます。
糖尿病
筋肉は私たちの姿勢を保ち、運動機能を正常に維持するほか、血糖値の調整を担っています。
食事で得た糖質は、通常血液中からまずは筋肉にグリコーゲンとして蓄えられます。しかし、筋肉の量が少ないと、血中から糖質を受け取る器(筋肉)が小さく、あまった糖質は血液中に残ったままになります。食事をするたびに、筋肉に受け渡しができない糖質があふれることで、血糖値が変動しやすくなり、糖尿病へとつながります。
このため、先ほどもご紹介したサルコペニア肥満の人が多く発症するのが糖尿病です。
また、糖尿病は恐ろしいことに自覚症状がないまま進行してしまいます。ひどくなると、視力を失ってしまう糖尿病網膜症、透析の必要な糖尿病腎症、さらには脳卒中や心筋梗塞など、命に関わる疾病やアルツハイマーなどの認知症をももたらします。
脂質異常症
脂質異常症とは、コレステロールや中性脂肪の量が増え、いわゆる「どろどろ血」の状態になったものです。コレステロール値のみが高い場合、または中性脂肪だけが高い場合、どちらもが高い場合に分けられます。原因として、食生活や運動量などに起因するものと体質(遺伝)に起因するものに分けることができます。
後者の場合は、運動や食事などの生活習慣の改善だけではなく、医学的な治療が必要となるので、医師の指示を仰ぐ必要があります。
血管の内壁が細くなり、詰まってしまうことがあり、脳卒中や心筋梗塞など、即座に生命に関わる症状をもたらすことがあります。
ダイエットに、取っておきたい栄養素
たんぱく質
良質のたんぱく質は血液や筋肉量の維持、増加にとても大切です。
薄切り肉なら4~5枚、なるべく脂質の少ない部位を選ぶとよいですが、とかくパサパサしがちです。加熱調理の際は、ぱさつき防止のために下味とともに片栗粉をまぶしておくと、やわらかく仕上げることができます。低温で時間をかけて加熱したサラダチキンやしゃぶしゃぶなどがおすすめです。
糖質
主にエネルギー源となり、体温を維持する働きがあり、脳の唯一の栄養源といわれています。ごはんなら毎食一膳、おやつとして、いも類やフルーツを取るとよいですね。これらは食物繊維を含んでいるので、便秘の解消にも役立ちます。
糖尿病などで糖質制限を余儀なくされている場合を除き、素人判断で行う糖質制限はとても危険です。一食につきごはんお茶碗軽く一膳はいただきましょう。
ビタミン・ミネラル
カルシウムやビタミン、ミネラル類は、骨や歯を強くしたり、体調を整えたりするために働きます。野菜や乳製品、海草、種実類、雑穀などを十分に取りたいところですが、高齢者には硬く、消化・吸収に問題が出やすいものもあります。
ごまなどの種実類はすり鉢でペースト状にすりつぶして和え衣にしたり、雑穀はやわらかく炊いておかゆやスープに入れたりして、消化器系の負担にならないように利用してください。
春のおすすめ薬膳ダイエットレシピ
手作りサラダチキンと、緑の豆のスープ
鶏胸肉を利用して作るサラダチキンは高たんぱく低カロリーでダイエットには最適なメニューです。コンビニやスーパーでも、さまざまなアレンジを加えたものが販売されていますが、茹で汁には胸肉に多く含まれる水溶性の疲労回復物質、イミダペプチドがたくさん含まれています。
手作りすると、保存料などの心配もなく、栄養とうま味が溶け出したスープも一緒に作ることができますので、ぜひ試してみてください。
また、春から梅雨ごろが旬のそらまめなどの豆類には、むくみを解消し、胃腸の働きを助ける力があります。
【材料】二人分 | |
鶏むね肉 | 1枚 |
塩・こしょう | 適宜 |
そらまめ うすいえんどうなど | 可食部約100g |
玉ねぎ | 1/4個 |
(しょうが レモンなど | 各適宜) |
【作り方】
1、 鶏むね肉は塩こしょうをふり、冷蔵庫で30分以上おき味をなじませる。
2、 出てきたドリップをふき取り、鍋に入れ全体を覆うくらいの水を入れて中火にかける。
3、 鍋の水が白く濁り、鍋肌がふつふつとしてきたら弱火にして、沸騰しない程度の火加減で約30分、煮汁が透明になるまで炊く。
4、 そのまま、人肌程度の温度になるまで冷ます。
5、 鶏むね肉を取り出し、軽くたたいて繊維をほぐして手で裂くか、繊維に垂直に薄切りにする。
6、 豆類は莢をむき下茹でするか、莢ごと魚焼きグリルで焼いてから豆を取り出し、そらまめのように薄皮があるものは剥いておく。
7、 残った煮汁をキッチンペーパーなどで漉す。
8、 きれいな鍋に(6)と(7)の煮汁350ccを入れてあたため、塩こしょうで味を調える。
※嚥下・咀嚼に不安がある場合※
鶏むね肉は叩いて繊維をほぐし、茹で汁につけておくと柔らかく保つことができます。さらに細かく切るか、ミキサーにかけ、ペーストにする。
スープもミキサーにかけ、ポタージュにする。
茶碗蒸し
ふるふるとした茶碗蒸しは良質のたんぱく質をはじめとする、多くの栄養素を含む卵で、多くの水分を固めたものです。具材には食物繊維も豊富なきのこ類、むくみを解消する白身魚を一切れ入れるとよいですね。肌寒いときは温かいうちに、むしむしと暑い日は冷やして食べるとよいでしょう。
【材料】 二人分 | |
卵 | 2個 |
だし汁 | 350cc |
薄口しょうゆ | 適宜 |
えのきだけ、しいたけなど | |
さわらや鯛などの白身魚 | 各適宜 |
三つ葉 | 少々 |
【作り方】
1、 好みのきのこ類は石づきを取り、小房に分けておく。
2、 白身魚は一口大に切り、軽く塩を振っておく。
3、 卵を割りほぐし、だし汁を加えよく溶き混ぜる。味を見て薄いようなら薄口しょうゆ少々で味を調える。
4、 耐熱容器にあわ立たないように(3)のだしを注ぐ。(1)のきのこ、(2)の魚(塩でドリップが出ていたらふき取る)をいれ湯気の出た蒸し器で蒸す。
5、 中央に竹串をさし、透明な水分が出てきたら三つ葉をあしらう。
※咀嚼・嚥下に不安がある場合※
きのこ類は細かく切り利用します。柔らかい食品ですが、さらさらとしているため、誤嚥を起こすことがあります。鍋でかき混ぜながら加熱し、卵に火が通ったところでとろみ材でとろみをつけてまとめた方が嚥下は楽になります。
ふろふき大根
大きくて食べ応えのある大根はカロリーも低く、消化吸収を助ける働きがあります。
ふろふき大根そのものは薄味ですが、田楽味噌をかけることにより、濃厚な味のアクセントもつき、飽きることなく召し上がっていただけます。
【材料】二人分 | |
大根 | 5cm厚み程度 |
出汁昆布 | 5cm角1枚 |
お好みの田楽味噌 | 大さじ2 |
【作り方】
1、 大根は厚めに皮をむき、厚みを半分に切る。必要に応じて半分または4つわりにする。面取りをして米のとぎ汁で下茹でし、出汁昆布を入れた水で柔らかくゆでる。
2、 器に盛り、田楽味噌を添える。
※咀嚼・嚥下に不安がある場合※
大根はミキサーにかけるとサラサラになり、誤嚥する可能性があります。
市販のとろみ材などで嚥下しやすくとろみをつけてください。
参考:
一般社団法人 日本肥満症予防協会
http://himan.jp/column/diseases/003.html
高齢者肥満症診療ガイドライン2018
http://dm-rg.net/news/2019/01/019999.html?pr=dmrg004
健康長寿ネット
https://www.tyojyu.or.jp/net/index.html
サラダチキンなどでダイエット(まとめ)
私たちアジア人は、たとえBMIが低くても、肥満が原因となる疾病が発症しやすい民族だといわれています。ダイエットは高齢者だけではなく、すべての人の健康に関わる問題ですね。
油脂は便秘解消に役立ち、体に潤いをもたらす大切な栄養素ですが、1gで9kcal、大さじ1杯だと約100kcalにもなります。毎食炒め物では胃腸に負担がかかる上にカロリーも高くなってしまいますね。今回ご紹介した食事だけでなく、普段炒め物にしている食材を時には煮物にしてみるだけでも、ずいぶんカロリーを控えることができます。
また、ダイエットに適したメニューのお弁当を利用するのもひとつの方法ですね。
運動をするなら、たとえばテレビをみながら足のうらでボールを転がしてみる。ひざの内側に丸めたタオルを挟み、落とさないように気をつけたり、ギュっと締め付けたり緩めたりしてみる、など、「わざわざ」ではなくてもできる運動は沢山あります。
食事も運動も少しずつ、長く続けて、健やかな日々を過ごしてくださいね。