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老人性うつって?原因や症状、治療法などについて詳しく解説!

作成日:2019年5月10日

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老人性うつって?原因や症状、治療法などについて詳しく解説!

「老人性うつ」は高齢者がかかるうつ病のことです。一般的なうつ病とは違い症状が非典型的であるため見逃されやすく、認知症と間違われやすい疾患です。

ここでは老人性うつの症状や原因、治療方法などに加え、家族がうつ病にかかってしまった場合の関わり方について解説していきます。

老人性うつって?

「老人性うつ」とは65歳以上の高齢者がうつ病と診断された場合に使われる呼称です。うつ病は子供から高齢者まで誰もがかかる可能性のある病気です。高齢者の場合、認知症と間違われやすく、適切な治療を受けられず重症化しやすいと言われています。

老人性うつでは気分が落ち込んで何もやる気が出ない、食欲不振や寝られない、などといった典型的な症状だけでなく、頭痛やめまい、吐き気などといった不定愁訴が多い、焦燥感が強い、妄想形成がみられやすいなどといった特徴があります。

また、物覚えが悪くなったり物忘れが多くなる、など記憶力の衰えがうつ病の症状としても現れるため、うつ病と認知症を見分けるのは専門医でも難しいのです。老人性うつ病と認知症を併発していることもあります。

老人性うつと認知症を見分ける目安

老人性うつ認知症
初期症状身体的な不調、抑うつ症状など性格の変化・記憶障害など
症状の進行の仕方何かのきっかけで発症することが多いきっかけがなく徐々に進行する
気分の落ち込み多い少ない
物忘れ自覚があり、認知機能の低下を訴えることが多い自覚がなく、忘れたことを取り繕うとする傾向がある
妄想心気妄想、罪業妄想、貧困妄想物取られ妄想
日内変動朝方に調子が悪く夕方にかけて良くなるほとんどない
攻撃性なし出現することもあり

※心気妄想:実際は健康でも自分は重病に罹っていると思い込む妄想のこと。
※罪業妄想:自分が悪いことをしたという考えに支配される妄想のこと。
※貧困妄想:貧しくないのにお金がない、と思い込む妄想のこと。
※物盗られ妄想:自分の持ち物を誰かが盗んだ、と思い込む妄想のこと。

認知症はゆっくりと進行するのに対し、老人性うつ病は何らかのできごとをきっかけに短期間で多くの症状がみられます。また、認知症の場合は認知機能の低下を自覚していませんが、老人性うつの場合には本人の自覚があるのが特徴です。

さらに、老人性うつの場合は質問の意図は理解できているため、的外れな返答をすることは少ないことが認知症との違いとして挙げられます。

老人性うつの原因は?誰でもなるの?

老人性うつが発症する原因は「孤独感」と「喪失感」です。男性よりも女性の方が発症しやすいと言われており、過去にうつ病にかかったことがあったり、慢性的にストレスがかかっていたり、環境の変化があった場合に老人性うつを発症するリスクが高くなると考えられています。

高齢者がうつ病を発症するきっかけ

・配偶者との死別や離婚
・ペットや近親者、親しかった友人との死別
・施設への入所、子供と同居などの転居に伴う環境の変化
・家族や友人との関係性の悪化
・退職など社会的役割の喪失
・家に引きこもりがちで人と会う機会が少ない
・介護疲れ
・健康状態の低下
・経済的な問題

老人性うつの症状は?

・検査をしても異常が見つからない身体症状(頭痛、めまい、吐き気、肩こり、便秘、耳鳴り、手足のしびれ、身体の痛み、だるさなど)
・落ち着きがなくなる
・不安の訴えが多くなる
・意欲や集中力の低下
・認知機能の低下
・笑わない
・外に出たがらず、引きこもりがちになる
・妄想に支配される
・眠れなくなる

高齢者では典型的なうつ病の症状を示す人は1/3程度と少なく、不定愁訴や妄想など症状の一部分が強く現れることが多いです。また、認知症外来を受診する5人に1人がうつ病と言われる程、認知機能の低下を伴いやすく、認知症とは違って記憶が喪失している自覚があるため「最近物忘れが多くなった」などの訴えが多いのが特徴です。

うつ病と似た症状を起こす病気は認知症のほかにも「脳梗塞」があります。脳梗塞となると脳の働きが悪くなりうつ症状がみられる場合があります。また、他の精神疾患やアルコール依存症、パーキンソン病や甲状腺の病気でもうつ病に似た症状が現れたり、肝炎ウイルスの治療薬であるインターフェロンや、免疫抑制剤であるプレドニンなどの薬剤の副作用でもうつ症状がみられる場合があります。

老人性うつの治療法は?予防方法はあるの?

老人性うつの治療法には精神療法や薬物療法などがあります。また、うつ状態となった原因が明確な場合はその原因を取り除くよう働きかける環境調整が必要になります。例えばうつ病の原因に介護疲れが考えられる場合には、ケアマネージャーなどに相談して介護負担を軽減し休養をとれるようにする必要があります。休養をとって脳と身体を休ませることも回復のための重要な治療の1つです。

精神療法(心理療法)

医療機関で医師やカウンセラーに自分が抱えている問題を語り、治療者とのやりとりの中で考え方を変えうつ症状の改善を目指す治療法を精神療法(心理療法)といいます。

本人の話をじっくりと聞き相談者の気持ちに寄り添う「支持的精神療法」や、カウンセリングを繰り返し自分の思考のクセを修正する「認知行動療法」、本人と同時に家族の不安を軽減し問題解決を目指す「家族療法」、似たような問題を抱える人たちや同じ立場の人たちを集めて行われる「集団精神療法」など1人1人の症状や病態に合わせた治療が行われます。

薬物療法

うつ病の治療には「抗うつ薬」や「非定型抗精神病薬」、「気分安定薬」などが使われます。抗うつ薬は、眠気や頭痛、だるさ、吐き気などの副作用が現れる場合があり、服用を始めるときは少量から開始します。抗うつ薬は効果がすぐには出ないため、内服して2~3週間程経過してから効果を判定します。その他にも患者さんに合わせて眠れない場合には「睡眠導入薬」、不安の訴えが強い場合には「抗不安薬」などが処方されます。

その他にも心臓に負担にならない程度の運動を行う運動療法や高照度光療法、電気痙攣療法などがあります。

老人性うつの予防法

・日光を浴びる
→うつ病は神経伝達物質のセロトニンと大きな関わりがあると言われています。セロトニンは精神を安定させる働きがあり、日光を浴びることで分泌されます。朝起きたらカーテンを開け、日光を浴びるようにしましょう。

・運動を行う
→身体を動かすことでもセロトニンは分泌されます。日光を浴びながらウォーキングをしたり体操をすると良いでしょう。

・活動に参加する
→地域の活動やデイサービス、デイケアなどに外出する機会を持ち、活動に参加することで孤独感の解消に繋がります。ボランティア

・ストレスを溜め込まない
→誰かに話をしたり、散歩や買い物をしたりなど自分に合ったストレス解消法で上手にストレスを発散することが大切です。悩みを一人で抱え込んでストレスを溜め込まないようにしましょう。

・十分な睡眠をとる
→脳と身体を休ませるため十分な睡眠をとり、就寝時間・起床時間は規則正しく毎日一定の時間となるよう心がけましょう。

・バランスの良い食事をとる
→うつ病の発症には食生活が関係していると考えられており、ビタミンやミネラルなど不足しがちな栄養素をしっかり摂り、1日3食バランスの良い食事を心がけることが大切です。

お肉が老人性うつの予防に効果的?

セロトニンの原料となるのは必須アミノ酸の1つであるトリプトファンです。トリプトファンは肉に多く含まれています。もちろん食べすぎは禁物ですが、1日の献立にお肉を取り入れ、良質なたんぱく質を摂取することでうつ病予防だけでなく筋力の低下予防にも繋がります。

発症から回復までの流れは?

急性期(診断~3ヶ月程度)

一般的にうつ病と診断され、薬物療法が開始されてから1~3ヶ月ほどで症状が改善する、と言われています。しかし、人によっては半年以上かかるケースもあり、焦らず薬物療法を継続することが大切です。薬の量は人によって違うため、コントロールが難しく症状をみながら医師が調節します。

少し改善したからといって薬の量を自分で減らしたり、中断してしまうことで、離脱症状が現れたり、うつ症状が再発・悪化することがあります。

回復期(4~6ヶ月程度)

回復期では調子が良い日と悪い日を繰り返し一進一退しながら回復へと向かっていきます。少しずつ昼間の活動量を増やし、生活リズムを整えていきます。また、無理のない程度に身体を動かしたり社会との交流を持つようにしていきます。

仕事や家事などやらなくてはいけないことを一気にやろうとせず、家族に協力してもらいながら少しずつ段階的に増やしていくようにしましょう。

再発予防期

症状が安定した後も、うつ病は再発の可能性があるため薬物治療は続けなければいけません。回復期を過ぎておよそ1~2年は薬物治療の継続が必要と言われています。どの時期でも飲み忘れに注意し、くれぐれも自己中断しないようにしましょう。

※なかなか症状が改善しなかったり、改善したものの再発してしまうなど、人によっては典型的な回復過程を辿らない治りにくいケースがあります。

家族の関わり方は?

家族がうつ病にかかってしまったら、病気の理解から始めましょう。特別なことをしようとせず必ず治ると信じ、本人とともに治療に取り組むことが大切です。

・異常を見逃さない
→おかしいな、と思っても歳のせいと見逃してしまわず、いつもと様子が違うと気づいたら早めに医療機関を受診するよう勧めましょう。

・決断を求めない
→決断力が鈍っている状態であるため、自分で決断できるようになるまで待ってあげることが大切です。

・日常生活上の負担を減らす
→家事や本人の役割はなるべく家族が担ってゆっくり休ませてあげましょう。

・否定したり励ましたりせず、共感して温かく見守る
→本人の訴えを「気のせい」「それは違う」などと否定したり、「頑張って」と励ますと本人を追い詰め症状が悪化してしまうことがあります。本人の訴えに対し「辛かったね」「大変だったね」と共感することで、不安感を軽減することができます。

・できるだけ病院に付き添う
→医師により正確な情報を伝えるとともに、医師からも説明を受けることで家族も病状への理解を深めることができます。

・薬が飲めているか確認をする
→飲み忘れや自己中断がないかなど、薬物治療が継続できるようできるだけサポートしてあげましょう。

参考:厚生労働省 みんなのメンタルヘルス
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_depressive.html

まとめ

老人性うつは誰もがなり得る病気ですが、適切な治療を行えば治る病気です。いつもと違うな、というサインがあればそれを見過ごさずに医療機関への受診や相談窓口を利用しましょう。

老人性うつの予防・改善には食生活も重要です。独居や高齢の夫婦だけの世帯、介護に疲れを感じている方は手軽に栄養バランスのとれた食事ができる宅配弁当を利用してみてはいかがでしょうか。

この記事の提供元:シルバーライフ

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