こんにちは!配食のふれ愛のコラム担当です!
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おいしいものは食べたいけれど、持病で塩分や糖分に制限がある方も多いことと思います。そんな高齢者を介護する場合、日々の食事にはとても気を使いますね。塩分や糖分を控えると、それだけ「味がない」「もの足りない」といわれる場合もあるでしょう。
今回はポイントを抑え、塩分、糖分を控えても食事を楽しめるコツをご紹介します。
糖尿病は国民病?
糖尿病患者数は増えている?
太古の昔より、われわれ人類は飢餓に耐えて生きながらえてきました。とりわけ国土の狭い日本においては食糧が乏しい時代も長く、私たち日本人は飢餓に備え、穀物や野菜中心の低脂肪低カロリーの食事から、体にできるだけ多くのカロリーを蓄えられるように進化しているのです。
しかし、戦後の日本人の食生活は急激に欧米の影響を受け、高カロリー高脂質なものへと変化しました。このような変化に体が対応することができず、さらには運動量の低下などが糖尿病の急増を招いたのではないかと考えられています。
しかし、平成28年度の国民栄養・健康調査結果を見てみると、「糖尿病が強く疑われる者」、及び「糖尿病の可能性を否定できない者」の人口は、平成19年をピークにやや減少傾向にあります。
とはいえ、残念ながらまだまだ糖尿病人口が多いのが現実ですね。
平成28年 国民健康・栄養調査結果の概要より 単位:%
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/kekkagaiyou_7.pdf
糖尿病が疑われる症状
糖尿病はかなりな高血糖にならないかぎり自覚症状が出ない場合が多く、健康診断で発見されることが多い病気です。
現在は糖尿と判断されていなくても、予備群とされている方、いままでは何ともなかったのに、急に以下のような症状が出始めたり、人と比べてこのような症状があるなぁと気になったりしたときは、医師の診断を仰ぎましょう。
・高血糖の症状として、下記の様にさまざまな症状が発生します。
・喉がよく渇き、水分を欲しがる
・尿の回数が多い
・疲れやすい
・体重が減る
高齢者の糖尿病の特徴
一方で、糖尿病と診断されている方にも高齢者には高齢者特有の特徴があります。
国立国際医療研究センター糖尿病情報センター(http://dmic.ncgm.go.jp/)によると、糖尿病の症状がある高齢者には食後の血糖値が高くなる傾向があるということです。
また、低血糖の症状である手のふるえや発汗、動悸などが現れにくく、対応が遅くなる危険もあります。
糖質・塩分を抑えるために、食生活でできること
レモン・酢など酸味の活用
塩味を控えるためには、酢やレモンの酸味を味付けに忍ばせることが有効です。
穀物からいったんアルコールを醸造し、さらに酢酸発酵させて作られる酢には、塩分はほとんど含まれておりません。
食塩相当量(g) | 糖質(g) | |
穀物酢 | 0 | 2.4 |
米酢 | 0 | 7.4 |
黒酢 | 0 | 9.0 |
レモン果汁(生) | 0.0 | 8.6 |
ゆず果汁(生) | 0.4 | 6.6 |
日本食品標準成分表2015年版(七訂)より 各100gあたり
きゅうりの酢の物
梅雨時期の蒸し暑さとむくみを解消してくれる効果のあるきゅうりを、香りのよい大葉と旬の新しょうがでさっぱりといただきます。酢の酸味と香味野菜で、塩分を抑えることができます。
【材料】2人分 | |
きゅうり | 1本 |
大葉 | 3枚 |
新しょうが | 1かけ |
しょうゆ | 小さじ1 |
酢 | 大さじ1 |
【作り方】
1. きゅうりは薄切り、または蛇腹切りにする。
2. 大葉、新しょうがはせん切りにし、さっと水を通す。
3. ボールにしょうゆ、酢、(1)のきゅうり、(2)の大葉と新しょうがをすべて加えて混ぜ、冷蔵庫で30分程度味をなじませる。
加える塩分が少ないので味が染み込みにくくなります。きゅうりを薄切りまたは蛇腹にきることで、早く味がなじみます。
※咀嚼・嚥下に不安がある場合※
きゅうりはすりおろし、ゼラチンで固める。新しょうがはすりおろし、酢、しょうゆ各半量を加え、とろみ材でとろみを付けるかゼラチンで固める。大葉は酢、しょうゆ各半量とともにすり鉢ですり、茶こしでこしてとろみ材でとろみを付ける。
きゅうりのゼラチン寄せを器に盛り、調理した新しょうが、大葉酢しょうゆをかける。
野菜ヌードル
ズッキーニや大根、ニンジンなどを細く麺のように切って、パスタやうどんの代わりにします。
専用のベジタブルヌードルカッターも販売されていますが、ピーラーで薄く削ったり、かつらむきにしたものを細く切ったりすることで作ることができます。
ズッキーニはパスタソースで、大根はうどん代わりにするとよく合います。
ズッキーニの冷製トマトパスタ風
ズッキーニは、見た目はきゅうりのようですが、かぼちゃの仲間の野菜です。
1本約200gあたり、糖質は3g、カロリーは28kcal含まれています。
また、カリウムが多く含まれ、体の熱やむくみを取るのに向いています。
ヨーロッパやアメリカでは、すり下ろしたズッキーニをケーキサレ(甘くない主食用のケーキ)に加えたり、トマトで炊いたりと様々な調理法で食べられています。今回はズッキーニをさっと茹でて和えるだけの時短料理をご紹介します。
【材料】2人分 | |
ズッキーニ | 1本 |
プチトマト | 10個 |
酢 | 大さじ1 |
はちみつ | 大さじ1/2 |
オリーブオイル | 適宜 |
【作り方】
1. プチトマトは半分に切り、酢、はちみつで和える。トマト自体の酸味や甘味によって、酢、はちみつの量を加減する。
2. ズッキーニはベジタブルヌードルメーカーで長くカットするか、包丁で細長く切る。
3. 鍋に湯を沸かし、(2)をさっと茹でる。
4. (3)をザルにとり、熱いうちに(1)に加えよく混ぜる。
5. (4)のボールを氷水にあてて冷やす。
6. 器にもり、オリーブオイルを数滴たらし、香りを付ける。
茹でたズッキーニを水にさらして冷やすと水っぽくなり、追加で調味料を加えたくなってしまいます。また、熱いうちにトマトに和えた後でボールごと冷やすことで、トマトにも少し火が通り、ズッキーニにからみやすくなります。
※咀嚼・嚥下に不安があるとき※
トマトはミキサーにかける。酢、はちみつで味を整え、ゼラチンか市販のとろみ材でとろみをつけておく。種が気になる場合はミキサーにかけたものをざるで漉しておく。
ズッキーニは茹でてミキサーにかけたものをゼラチンで固め、体調に合わせ細長く麺状に切るか一口大に切る。
トマトソースで和え、香り付けにオリーブオイルを垂らす。
大根うどん
かつおや昆布を使ってだしを取ったうま味たっぷりのだしを使用すると、早く満腹感を得ることができます。
昆布や削り節を使って一から出汁を取るのが大変な場合は、市販のうどんだしを2倍に薄めたものに、鰹節をお茶パックなどに入れ、うどんつゆに漬けておくと、よい出汁が出ておいしくなります。
【材料】2人分 | |
大根 | 8cm分 |
(ピーラーで削って作る場合は長めに用意しておく。) | |
<うどんつゆ> | |
水 | 600cc |
出汁昆布 | 8cm程度 |
削り節 | 10g |
酒 | 大さじ2 |
みりん | 大さじ1 |
薄口しょうゆ | 大さじ1 |
塩 | 適宜 |
【作り方】
1. 大根は皮をむき、細長く切る。(ピーラーで引くか長い千切りにする)
2. (1)をさっと水にくぐらせておく。
3. 鍋に出汁を沸騰させ、(2)を入れる。沸騰したら火を止めてつけたままにしておく。
(咀嚼・嚥下に不安がある場合は柔らかくゆでる)
4. 器に(3)を盛り、うどんだしをはり、好みの具を乗せる。
<うどんだし>
1. 出汁昆布は汚れていたら酒をしみこませたキッチンペーパーで拭き取る。
2. 鍋に水を入れ、(1)の出汁昆布を入れて30分以上ひたしておく。
3. (2)を火にかけ、沸騰直前に出汁昆布を取り出す。
4. 沸騰したら鰹節を入れて火を止める。2分程度置き、キッチンペーパーを使って出汁をこす。
5. 酒、みりん、薄口しょうゆ、塩で味を整える。
※咀嚼・嚥下に不安がある場合※
大根は柔らかく茹でてからミキサーにかけ、ゼラチンで固める。体調に合わせ細長く麺状に切るか一口大に切る。
出汁はゼラチンか市販のとろみ材でとろみをつけ、大根にかける。
おから
炭水化物が食べたいけれど、何となく罪の意識がある、でも、おやつやおもちのようなものが食べたいときもありますね。そんなときには、おからを片栗粉でまとめたおから団子はいかがでしょうか?
レシピは2人分で、糖質が約9.5g、食物繊維は約6.5g含まれています。一般的な白玉団子だと、白玉粉を50g使用したとして糖質が39.8g、食物繊維は0.3gと、糖質は多く、繊維質はとても少なくなってしまいます。(どちらも味付けなしの場合)
おからは、ここ数年、ダイエットや生活習慣病の予防にもとても良いと、その栄養価や薬効の高さが注目されていますね。
なお、これだけでは味が薄く満足感は得にくいので、仕上げに茶こしでふんわりときなこをふりかけました。お好みでシナモンを少量混ぜると香りもよくなりますよ。
体調により、低GI値食品でもあるはちみつを数滴たらしてみたり、鍋料理の際には取りわけたおから団子に鍋のつゆを少しかけて、お餅のかわりにしたりしても、のどにつまりにくく、おすすめです。
おから団子
【材料】2人分 | |
乾燥おから | 15g |
片栗粉 | 10g |
水 | 100cc~ |
【作り方】
1. ボールにおから、片栗粉を入れよく混ぜる。
2. 水を少しずつ加えながら、おから、片栗粉にしっかりと水分を含ませるように混ぜる。
(ぎゅっと握ってじんわりと指の間から水分がにじみ出てくるくらいが目安。)
3. 一口大に丸め、耐熱性のある皿にのせて電子レンジ600Wで1分加熱する。
場所により加熱完了までの時間はまちまちになります。出来あがったものから取り出してください。
※今回のレシピは、糖質を控えるために固まるぎりぎりまで片栗粉を減らしています。
そのため、茹でてしまうと沸騰した湯が踊ることでバラバラと溶けてしまいます。
電子レンジで加熱して仕上げるか、体調により片栗粉の量をおからと同量までふやしてから丸め、茹でてください。片栗粉はさらに増やしても作ることができますが、量を多くしすぎるととても固くゴムのようになってしまいます。
念のため、片栗粉100gあたりの糖質は82g、食物繊維は含まれていません。
※咀嚼・嚥下に不安がある場合※
おからは製品により、粒の粗さが様々です。粒子が粗いものは噛んでいるうちにバラバラとほぐれてしまい、のどにかかってむせる場合がありますので、できるだけ目の細かいものを選んでください。
まとめ
体調により、運動することがままならない方は特に、食事の管理が大切になってきます。しかし、味気なかったり量が足りなかったりと、不満も多いものです。糖尿病を患っておられる高齢者を介護していると、日々の食事を作ることにとても頭を使い、負担が大きくなることと思います。
今回ご紹介した酸味や野菜などを使ったメニュー、おからをはじめとする繊維質の多い食品を利用するほか、時には糖尿病対応のお弁当を利用し、リラックスできる時間も作って下さいね。