こんにちは!配食のふれ愛のコラム担当です!
栄養バランスのよい食事をとりたい方へ、お弁当の無料試食はこちらから!
梅雨の長雨などで外出がままならない季節、どうしても座ったまま、横になったままになり、運動量が減ってしまいますね。動くことが少なくなると代謝が落ち、むくみや筋力低下、血行不良などさまざまな不調につながります。
今回は代謝アップや血行促進を助ける介護食をご紹介します。
目次
なぜ代謝が落ち、血行が悪くなるの?
筋力の低下
基本的に、私たちは加齢により筋肉量が低下していきます。
筋肉は、安静時でも多くのエネルギーを消費しています。しかし、加齢により筋肉そのものが細く弱くなってしまうと、それに伴い基礎代謝量も少なくなってしまいます。また、筋肉量が多い人と少ない人が同じ負荷の運動をした場合、筋肉量が多い人の方がより多くのエネルギーを消費することが分かっています。筋肉量が多い人は代謝が良いということですね。
また、筋肉の量が減ると正しい姿勢を維持することができなくなり、体が歪んでくることで起こる痛みや関節可動域の減少、それに伴う運動能力の低下も発生します。
運動量の低下
気合いを入れて行う運動もよいですが、子ども世代が日々担当している洗濯や掃除などの手伝いをお願いし、室内であってもこまめに動く機会をつくることも、簡単にできる一つの方法です。デイサービスに通ったり、理学療法士の指導のもと、ちょっとした運動を試みたりするのもよいですね。
「ふくらはぎは第2の心臓」といわれています。
私たちの血液は心臓の働きにより全身に届けられていますが、心臓の力だけでは全身くまなく巡らせることは難しいということです。そこで役立つのが歩行です。歩くことでふくらはぎの筋肉が収縮することにより、足におりてきた血液はふたたび心臓まで送り届けられることになります。
気候が良い時、自宅周辺を散歩したり、椅子に腰かけて軽い足の上下運動を行ったりするとよいですね。
代謝・血行が悪くなることのデメリット
筋肉が落ちると血行が悪くなり、代謝が落ちることがわかりましたね。そうなると、肥満、体温の低下、むくみ、寝たきりであれば床ずれになることもあります。また、運動能力の低下からちょっとしたことで転倒し、骨折や脱臼、ひどい場合は脊髄損傷などの大けがをしてしまうこともあります。
肥満は多くの生活習慣病のほか、アルツハイマーを引き起こす原因にもなりますね。
低体温になると、ガンなどの病気の発生率も上がりますし、むくみや肥満になれば動くことがますます億劫になり、さらなる筋肉量の低下を招き…という、負のスパイラルに陥ってしまいます。
ここからは運動をサポートする栄養素とそのレシピをご紹介します。
代謝と血行を促進するために
良質のたんぱく質を摂取する
筋肉を維持するためには適度な運動が必要になりますが、筋肉自体の再生のためには、良質のたんぱく質の摂取も重要になります。
とはいえ、コレステロールが多すぎる脂身の多い肉はかえって血管を痛めてしまいます。低脂肪高タンパクの鶏むね肉や豚ヒレ、魚や豆類を意識してとるとよいですよ。また、タンパク質の合成や分解を進めてくれるビタミンB6も忘れずにとりましょう。ビタミンB6は、バナナ、キウイやマグロの赤身、カツオなどに多く含まれています。
タンパク質は毎食取ることが理想です。食がすすまないときは納豆や豆腐、卵豆腐など口あたりのよいものを状態に応じてメニューに取り入れましょう。咀嚼・嚥下に問題がないのであれば、簡単なところでは、冷奴にかつおぶし、でよいですね。
じゃこナッツ
よく噛むことは代謝アップにつながるというのを聞いたことはありますか?食後に体が温かくなりますね。これは体が消化吸収をスタートし、内臓が働きだしたということで、一日の消費エネルギーの約一割にも及びます。
3度の食事はもちろん、おやつの時間も、咀嚼や嚥下に不安がないのであれば、カルシウムも豊富なじゃこや老化防止にも効果のあるアーモンドを合わせてつくるじゃこナッツはいかがでしょうか?
【材料】 | |
かえりちりめん | 50g |
アーモンド | 30g |
(写真のものはスリーバードというカットのものになります。手に入らなければ、おつまみ用などの無塩のものをそのまま、またはざく切りにして使用してください。) | |
しょうゆ | 大さじ1 |
みりん | 大さじ2 |
砂糖 | 大さじ2 |
【作り方】
1. フライパンでかえりちりめんとアーモンドをから煎りし、取り出しておく。
2. (1)のフライパンをさっとふき取ってからしょうゆ、みりん、砂糖を入れて中火で煮詰める。あまり混ぜると砂糖が結晶化してザラザラと食感が悪くなるので、軽くゆする程度にする。
3. 菜箸に(2)をつけ、箸を広げた時に糸をひくようになれば(1)を戻し、ざっと大きく混ぜて全体を絡め、オーブンシートなどに広げて冷ます。
このとき、熱い飴でやけどをしやすいので注意して扱ってください。
※咀嚼・嚥下に不安があるとき※
アーモンドとかえりちりめんとに分けてミキサーにかけ、粉末状にして、ふりかけとしてお粥に混ぜたり、青菜のペーストの味付けなどに利用するとよい出汁が出て甘辛く、おいしく召し上がっていただけます。
バナナフレンチトースト
卵のたんぱく質、バナナのビタミンB6、そして牛乳からはカルシウムを摂取することができます。朝食が洋食派のご家庭なら、やわらかく食べやすいこんなフレンチトーストはいかがでしょうか?
【材料】2人分 | |
食パン(6枚切り) | 2枚 |
牛乳 | 150cc |
卵 | 1個 |
バナナ | 1本 |
バター | 大さじ1 |
【作り方】
1. ボールに卵を割りほぐし、牛乳を注いでよく混ぜる。
2. 食パンは好みで耳を落とし、(1)に浸す。
3. フライパンにバターを入れ火にかけて溶かす。
4. (2)を入れ両面をこんがりと焼く。フレンチトーストを取り出し、バナナを焼く。
5. 皿に盛り、好みでシナモンパウダーをふる。
シナモンには血行を促進し、体を温める働きがあります。
※咀嚼・嚥下に不安がある場合※
フレンチトーストは耳を落とし、ミキサーにかける。別にバナナもミキサーにかけ、上からジャムのようにかける。
運動能力を維持するためにはカルシウムとビタミンDも必要
筋肉をしっかりとつけるために運動し、タンパク質を取ったところで、骨がしっかりとしていないと転倒し骨折したり、どこかにぶつけた位でも骨にひびが入ってしまったりすることもあります。
骨を強くするためにはやはり歩くこと、かかとの骨に負荷がかかる運動がお勧めということです。理学療法士、運動療法士と相談のうえ、状態に応じて運動を試みてくださいね。
カルシウムは、摂取してもその10%~50%ほどしか吸収することができません。同時に、カルシウムと、カルシウムの沈着を助けるビタミンDも意識して取ることをおすすめします。ビタミンDは塩鮭やしらす干し、卵、きのこ類に多く含まれています。
乳製品を摂取するとお腹がゆるくなるかたは、カルシウムは小魚や納豆、海藻、小松菜などから摂取できますのでこれらの食材を利用しましょう。
鮭のチャウダー
鮭やきのこには多くのビタミンDが含まれています。牛乳で煮て食べるチャウダーはカルシウムを摂取するにはおすすめの食べ方です。
【材料】2人分 | |
甘塩鮭 | 2切れ |
薄力粉 | 大さじ1程度 |
玉ねぎ | 1/4個 |
しめじ | 1/2パック |
バター | 10g |
牛乳 | 300cc |
コンソメスープのもと(顆粒) | |
こしょう | 各適宜 |
薄力粉 | 大さじ1/2(とろみつけ用) |
好みでパセリのみじん切り/td> | 適宜 |
【作り方】
1. 甘塩鮭は骨を確認し、あれば抜いておく。薄力粉を全体にまぶす。
2. 玉ねぎは荒みじん切りに、しめじは小房に分けておく。
3. 鍋にバターを溶かし、玉ねぎを炒める。
4. (3)にしめじ、(1)の鮭を加えさっと炒めたら水(分量外:150cc)を加え煮る。
5. 全体に火が通ったら、牛乳を加え温め、コンソメスープのもと、こしょうで味を整える。薄力粉を水で溶き加えてとろみを付ける。
※咀嚼・嚥下に心配がある場合※
必要に応じて市販のとろみ材または水で溶いた薄力粉の量を増やす。
鮭は皮が残る場合があるので、取りのぞいてから調理する。
ミキサーにかけてポタージュにすると食べやすいですが、しめじは味が濃く苦味があるので、この場合は省くか、エリンギやエノキダケ、ホワイトシメジにすると食べやすいです。
代謝促進にはスパイスの力も利用する
豚ヒレと夏野菜のカレースープ
高タンパク低脂肪の豚ヒレ肉には、糖質からエネルギーを生産するビタミンB1が豊富に含まれています。代謝を上げるためには運動が必要ですが、ビタミンB1はその時のエネルギーを補う働きをするとともに、疲労回復にも役立ちます。ビタミンB1の吸収を助ける玉ねぎなど、野菜も同時に取れますね。
また、カレー粉には多くのスパイスがつかわれていますが、中に含まれている唐辛子やしょうが、クミンなどのスパイスの多くは漢方薬に利用されるほど様々な薬効があります。もちろん、代謝を上げるスパイスも多く含まれています。
脂質などで固めてあるカレールーよりは、スパイスを合わせただけのカレーパウダーで作ってみてくださいね。
【材料】2人分 | |
豚ヒレ肉 | 150g |
にんにく | 1/2かけ |
しょうが | 1/2かけ |
サラダオイル | 大さじ1 |
玉ねぎ | 1/4個 |
にんじん | 5cm程度 |
なすび | 中1本 |
パプリカ | 1/4個 |
ズッキーニ | 5cm程度 |
カレー粉 | 大さじ1~ |
(はちみつ | 大さじ1) |
コンソメスープのもと | 1個 |
コーンスターチ | 適宜 |
【作り方】
1. 豚ヒレ肉、野菜類は2cm角程度に切り揃える。
2. にんにく、しょうがはすり下ろす。
3. フライパンにサラダオイル、にんにく、しょうがを入れて火にかける。
4. フライパンが温まり、香りが出てきたら玉ねぎ、にんじん、豚ヒレ肉を入れ炒める。
5. 全体に油が馴染んできたら水、コンソメスープのもとを加え煮る。
沸騰したらアクを取って弱火にし、フツフツとするかしないかの火加減で煮る。出来るだけ低い温度で煮ることで、豚ヒレ肉も柔らかく仕上がります。
6. 豚ヒレ肉、にんじんに火が通り柔らかくなれば、なすび、パプリカ、ズッキーニを加え、火を通す。
7. カレー粉、あればはちみつを加えて味を整える。コーンスターチを水で溶き加えてとろみを付ける。
カレー粉は、メーカーにより辛さがまちまちです。量は加減して入れてください。
市販のルーでも作ることができますが、その際の使用料はパッケージの表記に従ってください。
食材のサイズをそろえて切ることで、仕上がりが一定になり食べやすくなります。
また、夏野菜は火どおりの良いものが多く、すぐに仕上がるのもうれしいところですね。
※咀嚼・嚥下に不安がある時※
なすび、パプリカは皮が固いので予めむいておく。豚ヒレ肉は挽肉に変更するか、生の状態であらかじめ細かく切ったものを水、卵白1個分(分量外)、おろし生姜とともにミキサーにかけてどろどろにします。
これを鍋に入れて弱火で出汁を取るように煮るか、電子レンジ600W 程度で加熱し火を通すと、肉の部分が浮いて集まり、柔らかい塊になります。この水分を出汁として利用し、仕上げに固まった肉の部分を入れるか、全体をミキサーにかける。
なお、生の肉を使用したミキサーは洗い残しがあると腐敗し、食中毒菌が増えることがあります。面倒でも分解できる部分は分解して、付着した脂肪分などもしっかりと洗い流し、消毒して乾燥させてください。
まとめ
代謝や血行を促進するためには、とにもかくにも体を動かし、血液やリンパ液を体の隅々にまで行きわたらせることが重要ですね。食事のときはよく噛み、できるだけ歩いたり座っていてもかかとを意識して上げ下げしたりするだけでずいぶんと違ってきます。
そのためにも、骨や筋肉を良い状態に保つための食事、血行を促進してくれる食材を使った料理やおやつを何か一品、取り入れてくださいね。