こんにちは!配食のふれ愛のコラム担当です!
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梅雨になると急にじめじめと蒸し暑かったりひんやりと冷えてしまったり、高齢者ではなくとも体調を崩しやすくなりますね。今回は、そんな梅雨のじめじめと蒸し暑い時に、体の熱を取ってくれる旬の食材と、高齢者にも食べやすい料理のレシピをご紹介します。
目次
高齢者は熱中症にかかりやすい
室内でも、熱中症になることがある
たとえ室内にいても、普段より暑さを感じていたり、室内にいるからと水分があまりとれていなかったりすると熱中症や脱水症状に陥ってしまうことがあります。
室温の調整、除湿のほか、衣服、布団など、気になることはとてもたくさんありますね。
環境省のホームページにも、注意すべき点を紹介してくれているページがあります。
御参考になさってくださいね。
http://www.hitosuzumi.jp/elderly
水分を補い、体を冷やす 適度な塩分も必要
梅雨の晴れ間に急激に気温が上がることがありますね。高齢者にとってはこのような暑さはとてもこたえます。年齢的にも、体温調整機能が衰えていますので、私たち介護をする立場の年齢のものよりも数段熱中症にかかりやすくなります。寝たきりの方にはどの程度の上掛け布団を用意してあげると快適なのか、とても悩む季節でもありますね。
熱中症の予防には、適度な水分と塩分、糖分を摂取することが大切なポイントの一つとなります。食事にはごはんやお粥で糖分(糖質)を補給しましょう。また、おかずには体の熱を冷ます力があるといわれる旬の鱧を、クエン酸も豊富で体力回復に効果があり、薬膳では体を潤す力があるといわれる梅干しを使った梅肉ソースでいただきましょう。
鱧の湯引き 梅肉ソース
【材料】2人分 | |
鱧(骨切りしてあるもの) | 1/2匹 |
片栗粉 | 適宜 |
梅干し | 大1個 |
みりん | 大さじ1 |
酒 | 大さじ1(茹でる時用、熱湯1リットルに対して) |
酒 | 大さじ1 |
塩 | ひとつまみ |
氷 | 適宜 |
【作り方】
1. 刷毛などで鱧の断面に片栗粉を薄くまぶす。骨切りしてある隙間にもしっかりとつける。
(時間がない時は省いても大丈夫ですが、このひと手間でうま味が逃げずに柔らかく仕上がります。)
2. 鍋にたっぷりと湯を沸かす。また、ボールに氷水を用意しておく。
3. (2)の湯が十分に沸騰したら、酒、塩を入れ、(1)の鱧を入れる。
4. 花が咲いたようにふわっと広がればすぐに氷水に取り、冷ます。
(茹ですぎては鱧の繊細なうま味が逃げてしまいます。熱湯につける時間は、身の厚みにもよりますが、約20秒程度です。)キッチンペーパーを敷いたバットなどにあけ、水分を切る。
5. 梅干しは種を取り、果肉を包丁で叩く。
6. 小さな耐熱容器にみりんと酒を入れ電子レンジにかけて、アルコールを飛ばす。
7. (5)の梅肉に(6)を少しずつ加え、たらりと垂れる程度にのばす。
8. (4)の鱧を器に盛り、(7)の梅肉ソースを添えて完成。
※咀嚼・嚥下に不安がある時※
はもには多くの小骨があります。骨切りしてあっても気になる時は、昆布だし少々を加えてミキサーにかけます。ペーストとして召し上がっていただくか、ゼラチンで固めます。梅肉ソースは、梅干しの皮が硬かった場合は裏ごしして皮を取り除くと食べやすくなります。
湿度の高さから熱がこもる?
梅雨のじめじめは汗による熱の発散が難しい
私たちは暑くなると汗をかきますね。そして、その汗が皮膚表面から蒸発することにより、体温を下げています(気加熱)。しかし、梅雨時は湿度が高く、汗をかいても蒸発することがなく、ただただ流れ落ちるだけとなり体温を下げる役割を果たすことができなくなってしまいます。
このような場合は除湿をするほか、体の熱を下げる働きをもつ食材をしっかりと取って体温を下げたいところですが、梅雨時は真夏と違い、朝晩は急にひんやりとすることもあります。真夏に旬を迎えるうり科の野菜よりは、穏やかに体の熱を取ってくれる食材を利用しましょう。
体の熱をおだやかに下げる食材とレシピ
わかめのすりながし
春に旬を迎えるワカメは代謝を促し、体の熱を取ってくれる働きがあります。水溶性の食物繊維が多いので便秘気味の方にも、またローカロリーなのでダイエットを心がけている方にもよいですよ。鬱々とした気分も、ほんのりと香るポン酢ですっきり晴れやかになってくれるとよいですね。
ポン酢のかわりにスダチやレモンの輪切りを浮かべても、見た目も美しく香り高くなりますし、酸味がきいておいしくなりますよ。
火を使わず、すぐに完成するのも魅力です。
【材料】2人分 | |
乾燥わかめ | 3g |
かつおだし | 300cc |
ポン酢 | 大さじ2 |
豆腐 | 適宜 |
【作り方】
1. 乾燥わかめはたっぷりの水に漬けて戻しておく。
2. かつおだしと水を切った(1)のわかめを合わせ、ミキサーにかける。
3. ポン酢、薄口しょうゆで味を整え器に盛り、吸い口に小さく切った豆腐を浮かべる。
※咀嚼・嚥下に不安がある時※
仕上げに市販のとろみ材でとろみを付ける。
急な暑さで胃腸が弱る
急に気温や湿度が上がると、その不快さからどうしても冷たいものに手が伸びますね。しかし、冷たいものを取り過ぎると胃腸が冷えて動きが悪くなります。そのため消化不良を起こしたり、腹痛などから食欲が落ちたりしてしまいますね。
梅雨時は暑い、熱中症も心配、とはいえ、体はまだ冷たい食べ物に対する準備ができていません。この時期は、体温よりも少し冷たい程度のものにとどめ、食材の効能の力をかりて体を冷やし、胃腸をいたわりましょう。
かぼちゃのビシソワーズ
かぼちゃは薬膳では「温(体を温める)」食材です。が、胃腸をいたわり、胃腸の働きを活発にする働きがあります。また、ビタミンA、C、Eを多く含み、肌荒れや体力を補う働きがあります。夏バテ防止にはぜひとも取り入れたい食品ですね。
対してトマトには体の熱を取り、口の渇きを癒し、日焼けなどにより受けた肌のダメージを修復する力があります。また、濃厚なかぼちゃのスープも、トマトを加えることによりとてもさっぱりと召し上がっていただけますよ。
【材料】2人分 | |
かぼちゃ | 100g |
玉ねぎ | 中1/2個 |
トマト | 中1個 |
水 | 400cc |
塩・こしょう | 少々 |
【作り方】
1. かぼちゃは種とワタを取り、小さく切る。
(硬くて切りにくい場合は電子レンジ600Wで30秒程度加熱し、先に柔らかくしておくとよい)
2. 玉ねぎはみじん切りにする。
3. トマトは皮を湯むきし、さいの目に切っておく。
4. 鍋にかぼちゃ、玉ねぎ、トマト、水(分量中200cc)を入れて火にかける。
5. 蓋をしてしばらく煮て、かぼちゃが柔らかくなれば残りの水分とともにミキサーにかける。
6. 熱い場合はステンレスのボールに移しかえて氷水の入ったボールに浮かべ、荒熱を取る。
※咀嚼・嚥下に不安がある場合※
(5)で使用する水分をぎりぎりまで減らし、ペーストとする。トマトの種は口に残りやすいです。トマトを湯むきして切る時、まずは輪切りにして種の部分を取り除いてからさいの目に切ります。
さっぱりとした冷たいスープにするために、介護で忙しい合間に手間無く作っていただけるように、あえて材料を油でいためる工程のいらないレシピにしました。寒暖差と湿気で食欲も落ちやすくなっていることでしょうが、このように少ない材料で作ることでさっぱりとした口当たりと味の、食べやすいスープになります。
加熱してミキサーにかけて、と、少し洗いものが増えますが、この時期にはぜひとも試してくださいね。
梅ゼリー
「梅雨」と書くように、梅雨の時期に旬を迎える梅には、梅雨から夏にかけての身体をいたわる効果がたくさん含まれています。
酸味のもと、多く含まれるクエン酸は疲労回復にとても効果があります。また、梅干しを想像するだけで唾が出てくるように、口の渇きを癒す効果があり、強い殺菌作用は食中毒の予防に有効です。
高齢者の方にも手伝ってもらって梅ジュースや梅酒を作り、食べやすいゼリーにするとよいですね。
【材料】2人分 | |
梅ジュース | 50cc |
水 | 200cc |
粉ゼラチン | 5g |
【作り方】
1. 小さな器(耐熱容器)に分量の水から約30ccをとりわけ、粉ゼラチンをふり入れる。
2. (1)がしっかりと水分を吸収したら、電子レンジ600Wに30秒程度かける。ゼラチンが溶けない場合は10秒程度ずつ追加して加熱し、完全に溶かす。
3. ボールに梅ジュース、水を入れて混ぜ、(2)を加えて混ぜとかし、器に流して固める。
湿度による障害
あせもやじんましんなど皮膚疾患が増える
湿気が多くなると、どうしても汗が溜まってしまったり、そのせいで蒸れたりします。
おむつを使用しておられる場合はとくにおしり周りや腰回りがむれてあせもができたり、痒みがでたりします。我慢できずかきむしり、バイ菌が入ってしまうと大変です。できるだけこまめに汗を拭き取り、肌を清潔に保つことが大切ですが、介護をされるかたの時間的にも体力的にも、なかなかうまくはいかないものですね。
肌の炎症を抑える
イボや肌荒れの民間薬として有名なはとむぎには、肌のあれを修復する力があることはもちろん、体の熱を取る働きもあります。粒状のものは、残念ながら少し消化が悪いのですが、じっくりと加熱するお粥にはとても向いています。
最近は大きなスーパーマーケットの米・雑穀売り場で手軽に購入できるようになってきましたが、手に入らない場合はインターネットで「はとむぎ 通販」と入れると多くの通販サイトを検索することができます。
はとむぎ入りミネストローネ
【材料】2人分 | |
はとむぎ | 大さじ2 |
にんにく | 1かけ |
トマト | 1個 |
玉ねぎ | 1/4個 |
ベーコン | 1枚 |
にんじん | 1/4本 |
じゃがいも | 中1個 |
グリーンピースやスナップえんどうなど | 少々 |
オリーブオイル | 大さじ1 |
水 | 400cc |
塩、こしょう | 適宜 |
【作り方】
1. はとむぎ、30分以上水に漬けておく。
2. にんにくは縦半分に切って芽を取り除き、鍋底などで軽く潰しておく。野菜、ベーコンはそれぞれ色紙切りにしておく。
3. 冷たいフライパンにオリーブオイルと(2)のニンニクを入れて火にかけ、熱して香りが出てきたら(2)の残りの野菜、ベーコンを炒める。
4. 全体に油が回ったら、水、はとむぎを加え、はとむぎが柔らかくなるまで煮る。仕上げにグリーンピースや筋を取り除いたスナップえんどうを加え煮る。
好みでパルメザンチーズやカリッと焼いたフランスパンを添えてもおいしいです。
※咀嚼・嚥下に不安がある時※
ミキサーにかけてポタージュにする。必要に応じてとろみを付ける。
ミネストローネは熱くしても冷やして食べてもおいしいです。また、冷凍保存もできますので、水分を少なめにして炊いておくと便利な作り置きとして、宅配のお弁当に一品添えるときにも便利ですね。
まとめ
若い人でも過ごしにくく体調をくずしがちな梅雨ですから、高齢者にはとても負担がかかる季節です。また、介護をする立場のかたも、一辺倒ではいかない体調管理にとても気を遣う季節でもありますね。
食材にはさまざまな効能があります。1日3回、介護の傍らで効能を考えながら調理をするのはとても大変ですが、宅配のお弁当に一品、梅雨の不調を癒してくれる、こんな料理をぜひ添えてみてくださいね。