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日本を代表するスーパーフード、梅干し。子どもから大人まで多くの方に愛されていますね。ごはんの友として、何をおいても一番に思い浮かぶ方が多いのではないでしょうか?しかし、塩分が多くて、歳を重ねるとちょっと食べることを躊躇する方も多いと思います。今回は日本人の梅との出会い、梅の効能、そして梅干しを利用してつくるおいしいレシピをご紹介します。
目次
梅と日本人の出会い
梅の原産地
梅は中国原産の植物で、中国では古くからその薬効が認められ、薬として使用されていました。漢時代に編纂された中国最古の薬学著書、『神農草本経』という書物には、梅も、ナツメや生姜、ごまなどと共に365種の有用植物のうちの一つとして記述されています。
その後も中医薬膳学ではさまざまな効能が伝えられており、現代の西洋医学をもって裏付けがしっかりと取られています。
今から2000年以上も前、検査機器などがない時代にその効能が知られていたとは驚きですね。
日本人と梅との出会い
日本には今から約1500年前に薬品として伝えられました。烏梅といい、完熟の梅の実を燻製にして天日干しにしたものです。喉の渇きを抑え、咳を止め、胸やけ、下痢、駆虫薬とされていました。
現在日本では、三重県との県境に近い、奈良県奈良市の月ケ瀬地区のみで作られ、昔ながらの紅花染の発色剤として利用されています。
また、平安時代に編纂された日本最古の医学書、『医心方』には、梅干しは下痢止め、熱冷まし、心疾患の治療などに利用されていたという記載があります。
その後、江戸時代には庶民の食べ物として梅干しが広まったといいます。
いろいろある梅干しの効能
殺菌効果
日の丸弁当、梅干しおにぎり…お弁当のごはんといえば、まずは梅干し。味や見た目もよいですが、一番うれしいのは、殺菌作用ですね。梅干しには黄色ブドウ球菌、病原性大腸菌(O-157)を殺菌し、増殖を抑える効果があります。
さらに、口臭の原因ともなる口内細菌を殺菌する力があります。口臭の原因にもよりますが、臭いが気になる時には梅干しを一つ、食事にプラスしてみてもよいですね。
疲労回復・血液浄化作用
クエン酸には疲労回復効果があることは有名ですね。
私たちは食べた食品を体内で分解し、エネルギーを生成します。梅干しを食べると、中に含まれているクエン酸など8種類の有機酸がこの働きを活発にし、体内に溜まった疲労物質、乳酸を炭酸ガスと水に分解して排せつする働きを促進させます。
これが、クエン酸が疲労回復に役立つという理由です。
さらにクエン酸サイクルのおかげで脂質や酸性の乳酸が減り、血液は本来あるべき弱アルカリ性に傾き、血液をサラサラに保ってくれるのです。
カルシウム・鉄吸収促進
カルシウムや鉄は吸収率が低い栄養素です。含まれている食材や年齢により変わるものの、摂取した食材から吸収される量は、カルシウムは牛乳で約40%、小魚で約33%、野菜からは約19%となります。鉄の場合、動物性食品からは15~25%、植物性食品からは2~5%にしかなりません。
クエン酸にはカルシウムや鉄を食材から溶かし出し、吸収しやすい形へと変えてくれる働きがあります。
インフルエンザ予防
2010年には、和歌山県立医科大学の宇都宮洋才教授らのグループの研究・発表により、梅干しに含まれているエポキシリオニレシノールという成分にはインフルエンザウイルスの活性を抑える効果が期待できると発表されました。
教授によると、H1N1型のインフルエンザウイルスを感染させた細胞にエポキシリオニレシノールを投与したところ、7時間後には90%近くのウイルスの増殖を抑えられることが確認できた、ということです。
ピロリ菌除去効果
ほぼすべての日本人が感染しているという、ヘリコバクター・ピロリ。このピロリ菌は胃や十二指腸の粘膜を分解してしまいます。そうして露わになった胃壁に、胃液や食べ物が刺激を与えることが原因となり、胃潰瘍や胃がん、十二指腸潰瘍を引き起こします。
梅干しに含まれる梅リグナンの一種、シリンガレシノールという成分はピロリ菌の活動を阻害し、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、ひいては胃がんの予防にも効果があることが確認されています。
肥満・生活習慣病予防効果
2014年に和歌山工業高等専門学校にて行われた研究により、梅干しには肥満予防効果があることが確認されました。
これは主に梅干しの種にふくまれているバニリンという成分によるものです。バニリンは人間の脂肪細胞を小さくする効果があるといい、それがダイエットにつながります。
肥満がその要因の一つにもなっている糖尿病や高血圧などの生活習慣病の予防にも期待できますね。
バニリンは、梅干し以外には、バニラビーンズ、丁子(クローブ)などにも含まれています。
動脈硬化予防効果・血圧安定効果
さらに、梅干しには、血管収縮作用があるホルモン、アンギオテンシンⅡの働きを調整し、動脈硬化の発生を抑制して血圧の上昇を抑える成分を含んでいます。
動脈硬化が起こると、固くなった血管内に一定量の血液を流さなければいけないため、血圧が上がってしまいますが、この連鎖が抑えられるということですね。
梅干しを使ったおいしいレシピ
梅干しの塩分量と減塩方法
梅干しの塩分含有量は製造レシピにより様々で一概に何グラムということは難しいのですが、日本食品標準成分表2015年版(七訂)によると、下記の通り表示されています。
うめ・梅漬・塩漬 | 19.3g |
うめ・梅漬・調味漬 | 6.9g |
うめ・梅干し・調味漬 | 7.6g |
※それぞれ100g当たりの含有量
梅干しは水1リットルに対し小さじ半分程度の塩を入れたものに、半日から1日つけておくことである程度の塩抜きをすることができます。塩抜きすると日持ちが悪くなりますので、面倒ですが1週間程度で食べきることができる量をこまめに作り、冷蔵庫で保存することをおすすめします。
カリウムが多い食品と合わせる
カリウムは、体内にあるナトリウムを一定の量に保つ働きがあり、過剰に摂取したナトリウムを体外へ排せつし、血圧を一定に保つ働きがあります。梅干しのように塩分が多く含まれた食品を取る時には、意識して食べるとよいですね。
ただし、高カリウム血症などの持病がある方はかかりつけの医師と相談のうえ、召し上がってくださいね。
カリウムを多く含む食品
野菜・果物類・豆類 | パセリ・ゆりね・明日葉・モロヘイヤ・しそ・えだまめ・アボカド・レーズン・干し柿・キウイフルーツなど |
肉・魚類・海藻類 | 煮干し・かつおぶし・あゆ・鯛・鯵・さわら・するめ・昆布・わかめなど |
鰆の梅照り焼き
【材料】 2人分
鰆 2切れ
塩 2つまみ
片栗粉 適宜
サラダオイル 大さじ1
≪梅照りたれ≫
しょうゆ 小さじ1
梅干し 大1個
みりん 大さじ2
【作り方】
①鰆は中骨を確認して取り除き、塩2つまみを振り、冷蔵庫で30分程度置く。
(この塩は味をつけるためではなく、ドリップを引き出すために振ります。)
②梅干しの塩分が気になる場合はあらかじめ塩抜きをする。種を取り除いて包丁で細かく叩いてつぶし、みりん、しょうゆを加え溶きのばしておく。
③(1)の鰆のドリップをキッチンペーパーできれいに拭きとり、片栗粉をまぶす。
④フライパンにサラダオイルを熱し、(3)の鰆を焼く。
⑤鰆に火が通ったら梅照りたれを回しかけ、全体にからめる。鰆にまぶした片栗粉の効果でとろみがつきます。
サラダチキン、アボカドときゅうりの梅和え
夏になると食べたくなるきゅうり、森のバターともいわれるアボカド、ともにカリウムを豊富に含んでいます。サラダチキンでたんぱく質もしっかりと取れるレシピです。切り方を変えて、サンドイッチの具材としてもおすすめですよ。
【材料】 2人分
サラダチキン 1/2個
アボカド 1/2個
きゅうり 1本
塩 小さじ1
梅干し 大1個
みりん 大さじ1
しょうゆ 少々
【作り方】
①サラダチキンは手で細かく裂いておく。
②アボカドは皮と種を取り除き、1cm角に切る。
③きゅうりは乱切りにし、塩小さじ1をもみ込み、しばらく置く。水が出てきたら絞っておく。
④梅干しの塩分が気になる場合はあらかじめ塩抜きをする。種を取り除いて包丁で細かく叩いてつぶし、みりん大さじ1、しょうゆ少々を加えてペースト状に伸ばす。
⑤(1)のサラダチキン、(2)のアボカド、(3)のきゅうりをボールに入れ、ざっと混ぜてから(4)の梅ペーストを加え、全体に混ぜ合わせる。
サラダに和え物に、便利に使える梅ドレッシング
いろいろな料理にさっと回しかけるだけで使える梅ドレッシング、ひとつ作っておくとても便利ですよ。
<和風梅ドレッシング>
昆布だしの味が効いた和風のドレッシングはきゅうりと若芽、長芋の和え物にもよく合います。お好みで大葉の千切りを加えてもよいですね。
【材料】 作りやすい分量
梅干し 大2個
酢 50cc
酒 少々
出汁昆布 3cm角
サラダオイル 100cc
【作り方】
①梅干しの塩分が気になる場合はあらかじめ塩抜きをする。種を取り除いて包丁で細かく叩いてつぶしておく。
②出汁昆布はキッチンペーパーに酒少々をしみこませたもので表面を拭き、酢につけておく。
③(1)の梅干しと(2)の酢を合わせて溶きのばし、サラダオイルを少しずつ加えてしっかりと混ぜ、乳化させる。(出汁昆布は好みで取り除いてください)
<梅マヨドレッシング>
マヨネーズのコクが楽しめるクリーミーなドレッシング、ポテトサラダやコールスロー、温野菜にもおすすめです。
【材料】 作りやすい分量
梅干し 大2個
味噌 小さじ1
マヨネーズ 大さじ2
ヨーグルト 大さじ2
【作り方】
①梅干しの塩分が気になる場合は1カップ程度の水に30分つけて塩抜きをする。種を取り除いて包丁で細かく叩いてつぶしておく。
②(1)の梅干しに味噌を加えよく混ぜ、マヨネーズを加える。むらなく混ざったらヨーグルトを加え溶きのばす。
※固さや粘度の違うものを混ぜる場合、固いもの、粘りの強いものからまぜていくとダマになりにくく、なめらかで均一な仕上がりになります。
梅の効能をしっかりと生かすために
梅干しにはさまざまな効能がありましたね。せっかく食べる梅干し、できるなら、その効能もしっかりと生かす食事と併せて取りたいですね。
先ほどご紹介したように、カルシウムや鉄分など、吸収しにくい栄養素は日々取り続けなければなりませんし、梅干しでエネルギーを十分に作るには、車で例えるとガソリンにあたる、糖質やたんぱく質、脂質も重要です。
これらを日々しっかりと取るためにも栄養バランスを整えることが大切ですが、毎日となるとなかなか難しいものです。そんな時には配食のふれ愛のお弁当を利用してみませんか?
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まとめ
日本人なら誰しもが食べたことがある梅干し、とても身近な存在なのに、こんなにもたくさんの力を秘めているとは驚きでしたね。ただし、塩分が高く、高血圧など塩分の摂取を控えたい方には悩ましい食べ物でもあります。
そのような場合、梅干しを箸休め、ごはんの友としてではなく、調味料の一つとして利用してみませんか?「梅干し」として食べると塩分を上乗せしてしまいますが、料理をするときの塩やしょうゆのような感覚で利用するのです。
もちろん、食べ過ぎては元も子もないですが、毎日少しずつ、体の声を聴きながら上手に利用して健康な日々をお過ごしくださいね。