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介護減塩食レシピで塩分摂取量一日6g目標に、秋のおいしいレシピ

作成日:2019年11月10日

こんにちは!配食のふれ愛のコラム担当です!
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介護減塩食レシピで塩分摂取量一日6g目標に、秋のおいしいレシピ

血圧や腎臓などに不安があると、ついつい減塩、減塩!と口うるさくなってしまうことがありませんか?持病のある家族を想ってのことですが、出来れば家族皆で同じ料理をおいしく食べたいですね。塩やしょうゆだけでなく、食材そのものにも含まれる塩分も気になるところです。今回は秋の食材を使ったおいしい減塩メニューや、料理に使う塩分を減らすポイントをご紹介します。

減塩食と塩分、本当に体に悪い?

体内での塩分の役割

ナトリウムと複数のミネラルから出来ている、塩。塩というと一日6g以上取ってはいけない、血圧が高い人は気をつけて、と、いつも悪役を買って出ているようなイメージをお持ちの方もいらっしゃると思います。でも、本当に体に悪いのでしょうか?

生物の祖先は、はるか昔、海の中で暮らしていました。その名残か、今でも、人体には常に塩分が含まれています。糖分が脳や体を動かすエネルギー源になるように、塩分には私たちの体の働きを正常に保つ力があります。

筋肉、神経の働きを助ける

私たちは、脳で考え、脳からの信号で体を動かしています。この信号を神経を介して筋肉に伝えるために働くのが、塩を構成しているナトリウムです。

ナトリウムが不足すると、脳からの信号がうまく伝わりにくくなり、筋肉を正常に動かすことができなくなり、こむらがえりなどを起こす原因の一つとなります。
運動中、汗をかくことにより塩分を失うことが、こむらがえりを起こす原因のひとつということです。

細胞の均衡を保つ

塩は体内を巡る血液、リンパ液中、また、消化液や細胞の中にも含まれています。これらは細胞の中に含まれる体液の量を調整し、血液、リンパの流れを調整し、むくみや脱水症状、たちくらみの予防をします。

さらには食べものから得た栄養素を全身に送り届ける働きを調整しています。
他にも熱中症の予防にも、適度な塩分は必要だということは昨今よく知られるようになりましたね。

塩分摂取と血圧上昇の関係

長らく、塩分を取りすぎると血圧が上がる。といわれていました。しかし、現在では塩分の過剰摂取と血圧の上昇は、必ずとも関係しないといわれることがあります。

これは万人にあてはまることではなく、「食塩感受性」「食塩非感受性」といい、塩分の摂取が直接血圧に影響するタイプと関係がみられないタイプの2つの体質があるということです。

ご自身やご家族がどちらのタイプなのか判断するのは難しいものですが、オムロン様のホームページに食塩と血圧の関係についての詳しい解説が紹介されています。
ご参照ください。
https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life/98.html

塩と上手に付き合うために。

塩分摂取量の目安と実際

先ほどご紹介したとおり、塩分は私たちの健康にも欠かせない物質です。やみくもに減らしてしまうと、先ほどご紹介した体を正常に保つ働きを失うことになり、かえって悪影響がでることになります。

日本では、18歳以上の成人の塩分摂取目標量として、一日当たり男性8.0gm未満、女性7.0g未満と設定しています。(「日本人の食事摂取基準・2015年版」より)

また、日本高血圧学会減塩委員会では、高血圧予防のためには一日あたり6g未満という目安、世界保健機構(WHO)では、すべての成人の食塩摂取目標を5gとしています。
一方、平成28年度の国民健康栄養調査によると、日本人は成人男性平均10.8g 成人女性平均9.2gの塩分を摂取しているということです。

食事に含まれる塩分について

10gの塩は、約小さじ2杯になります。野菜の下茹で以外に、料理にこんなにも大量の塩は使いませんね。では、この塩はどこから来ているのでしょうか?

私たちの体に塩分が含まれているように、魚や牛、豚、また、野菜など、あらゆるものに微量ながら塩分が含まれているのです。
さらにインスタントラーメンや冷凍食品などの加工食品には多くの塩分が含まれています。私たちは、知らず知らずのうちにこれらから塩分を取っているのですね。

現在、加工食品には、どれだけの塩分が含まれているかを表示する義務があるので、店頭でも容易に確認することができますが、日本高血圧学会様のサイトに、市販の調味料や加工食品など150品目近くの食材の減塩食品リストが食品メーカーごとに掲載されています。
https://www.jpnsh.jp/data/salt_foodlist.pdf
加工品を利用されている方は、事前に比較しておくと購入する際の目安になりますね。

減塩でも満足できる味つけにするために

とろみを活用して摂取量そのものを減らす

カニ玉や海老チリ、また、あんかけなど、とろみがついた料理は出汁がよくからみ、しっかりと味を感じることができますね。
これは、とろみがついたたれが食材にたっぷりとからみ、口の中で長くとどまって味を感じやすくなるからです。

この性質を利用し、水溶き片栗粉やゼラチン、また市販のとろみ材などを利用し、少ない量のたれを絡ませて料理すると、結果として塩分の摂取を抑えることにつながります。

出汁 などの「うま味」をいかす

人間の味覚には、「塩味、甘味、苦味、酸味、そして、うま味」の5つがあります。そのなかでも、人間の舌が一番敏感に感じるのが塩味だと言われています。
医師から減塩の指示をうけ、単に塩やしょうゆを減らして作った料理は、「あまりおいしくない。」と、物足りなさを感じることもありますね。

そこにプラスしたいのが、「うま味」です。うま味には、かつおぶしや煮干しに代表される動物性のうま味成分 イノシン酸、昆布に含まれるグルタミン酸が有名ですね。
市販の出汁パックを使用すると簡単ですが、中には塩分を含むものもあります。購入する際は「無塩」と記載されているものを選びましょう。

温野菜のサラダ とろみ出汁ドレッシング

多くの野菜には、カリウムという成分が多く含まれています。カリウムには、体内に取り込んだ塩の成分、ナトリウムと結合して体外へと排出する働きがあります。
腎臓などの持病で医師から摂取制限を受けておられる場合は注意が必要ですが、やはり野菜を多く食べることは健康への近道なのでしょうね。

【材料】   2人分

ブロッコリー、かぼちゃ、かぶなどの野菜角切りにして軽く両手に1杯分

≪とろみ出汁ドレッシング≫  (作りやすい分量)
濃い目のかつおこんぶ出汁   100cc
(無塩)

しょうゆ           小さじ2
酢              大さじ1/2
水溶き片栗粉         大さじ1

【作り方】

1、野菜は必要に応じて下処理し、一口大に切る。茹でるか、蒸して加熱しておく。

2、水溶き片栗粉の場合:濃い目のかつおこんぶ出汁にしょうゆ、酢を加え、ひと煮立ちさせて水溶き片栗粉でとろみをつける。
ゼラチンの場合:濃い目のかつおこんぶ出汁の味を整えてさまし、粉ゼラチンをふり入れる。ゼラチンがふやけたら電子レンジまたは火にかけてあたため、ゼラチンを溶かしてボールなどに入れ、冷蔵庫で冷やす。
水溶き片栗粉で作るとろみドレッシングは、温かく食べたい温野菜サラダに向いています。ゼラチンを入れて作るものは、刺身など冷たくして食べたい料理に向いています。

なお、一般的なドレッシングは大さじ1杯あたり平均1.0gの塩分が含まれていますが、このとろみドレッシングは大さじ1杯あたり約0.2gと、かなり少なくなっています。
また、とろみがついているのでたっぷりとかけなくても少量で素材にまとわりついてくれるのでかけすぎの防止にもなりますね。

今回は和風に仕上げましたが、サラダチキンなどを作ったときの煮汁があれば、キッチンペーパーで脂肪やアクを漉してから、しょうがのしぼり汁、しょうゆ少々、酢、ごま油をプラスして中華風に、塩ひとつまみと酢、オリーブオイルで洋風に、と、いろいろにアレンジが可能です。その日のメニューやお好みで作りわけてくださいね。

スパイス・ハーブ、酢を利用する

だしを活用する他に、スパイスやハーブをうまく使って減塩することもできます。
洋風にローズマリーやタイム、和風で山椒、大葉、また、中華風に五香粉や八角とクローブの組み合わせもおすすめです。
鶏肉や豚肉を焼くならば、下味に塩こしょうとともに使用するとよいですね。

また、酢を利用して減塩することもできます。特に寒い時期には、体を温めてくれる黒酢やバルサミックビネガーなどで仕上げるとよいですね。
骨付きの肉、魚を炊く時、また、アサリを酒蒸しにする際、少量の酢を加えることで骨や殻からカルシウムが溶け出し、骨粗鬆症の予防にも役立ちます。

酸味のあるものを好まない方もいらっしゃいますが、酢を加えてから少し煮込むことで酸味をとばすことができます。

チキンのハーブソテー きのこのバルサミコ酢ソース添え

チキンのハーブソテー きのこのバルサミコ酢ソース添え
今回は鶏もも肉を洋風に、タイムとローズマリーで焼いてみました。咀嚼に不安がある方にも少しでも食べやすくなるように、玉ねぎのすり下ろしを少々加えて、柔らかく仕上げるとともにうま味もプラスします。

きのこ類にもカリウムが多く、塩分の排泄に一役買ってくれますよ。

【材料】   2人分

鶏もも肉         小さいもの2枚
塩             ひとつまみ
玉ねぎのすり下ろし    大さじ1
ドライハーブ(タイム、ローズマリーなど)小さじ1
または
フレッシュハーブ(タイム、ローズマリーなど)各2枝ずつ
オリーブオイル      大さじ2
まいたけ、しいたけ、えのきなど
合わせて100g
バルサミックビネガー   大さじ2

【作り方】

1、鶏もも肉は必要に応じて皮や脂身を落とし、筋があれば切っておく。

2、キノコ類は石づきをとり、掃除して一口大に切る。
(1)に塩、玉ねぎのすり下ろし、ハーブ、オリーブオイル大さじ1をまぶしつけ、30分以上冷蔵庫で味をなじませる。

3、フライパンにオリーブオイル大さじ1を熱し、(2)の鶏肉を皮目から香ばしく焼く。
(玉ねぎが焦げやすいので、火加減に注意する。)

4、肉に火が通ったら一旦取り出し、余分な脂をふき取ってから(1)のキノコとバルサミックビネガーを入れ、沸騰させて鶏肉をもどし、からませる。

5、火を止めて一旦味をなじませてから一口大に切り、器に盛る。

※咀嚼・嚥下に不安がある場合
鶏肉は(2)で漬けこむ時間を半日程度と長くする。(3)で焼きあげるとき、蓋をして蒸し焼きにするとさらに柔らかくなります。

(4)のきのこのソースは、蒸し焼きにして出てきた水分も併せて利用し、ざらざらが残らないようにミキサーにかける。このとき、しめじを加えると全体に苦味がでますので、お好みでない場合は使用しない方がよいでしょう。必要に応じて市販のとろみ材でとろみを付けます。

減塩は日々の心がけで出来る

調理の際、食べる際のちょっとした減塩

減塩メニューを手作りする際、また、食べる時にちょっと気を付けるだけでさらに減塩につなげられるポイントがあります。

・炒め物を作ったときのフライパンに溜まる「たれ」はすべて皿に移さない
→炒め物が出来上がったフライパンを傾けた時に、底にたまっているたれは、塩分を多く含んでいます。これを食材とともに全て盛りつけてしまうと、料理が調味料を吸ったり、食べる時に絡めて食べたりすることで、塩分摂取量が増えてしまいます。
もったいないですが、フライパンを傾けて水分と食材をわけてから、食材のみを盛りつけましょう。

・麺類のつゆはすべて飲まない
→ラーメンやうどんなどのつゆはすべて飲んでしまわずに残すことも、大きな減塩につながります。スープが好きでついつい飲みたくなる方用には、つゆはあらかじめ少なめによそっておくか、添付のスープのもとはすべて使用せず、溶くお湯のかわりにだし汁を利用するなどして、うま味でカバーしてもよいですね。

・刺身や餃子などに使用するしょうゆは煮切り酒で薄めたり、酢醤油にしたりして使用する。
→何かとつけて食べたいしょうゆですが、一般的な濃い口しょうゆ大さじ1で約2.6gの塩分を含んでいます。一度の食事で大さじ2杯使用すると、一日の目標である6gにはすぐに到達してしまいますね。

お弁当は選んで減塩

様々な理由で調理をする時間がとれないとき、カップラーメンやスーパーのお惣菜をプラスしたり、冷凍食品を温めて済ませたりしてしまうことはありませんか?

「食品に含まれる塩分について」の項でご紹介したとおり、加工食品や市販のお惣菜には味が濃く、塩分を多く含んでいるものが多いです。
せっかく普段から減塩を頑張っていても、これでは元も子もありませんね。

こんなときに活用したいのが、配食のふれ愛のお弁当です。配食のふれ愛のお弁当は、栄養学のプロである管理栄養士が素材からこだわって作ったメニューも豊富なお弁当です。

塩分やカロリーを気にされる方のためのカロリー調整食、また、その他の持病で食事制限がある方向けのたんぱく調整食、咀嚼や嚥下に不安がある方にはきざみ食ややわらか食、ムース食を選んでいただける、とても選択枝の多いメニューがあるのがうれしいですね。

もちろん、一般の方向けの普通食もありますので、ご家族で食べられるもの、食べたいものが違っていても併せて注文できるのがポイントです。
今なら無料試食キャンペーンを実施中です。ぜひこの機会にお試しくださいね。

減塩のおいしいレシピまとめ

海に囲まれた国、日本では昔から塩分の多い食事を多く取ってきました。これは、狭い国土で作った大切な食材を、蒸し暑い環境で長期保存し、無駄なく食べる、先人の知恵でもあります。「mottainai(もったいない)文化」のひとつですね。

塩鮭に干物、おつけもの、味噌、しょうゆ…私たちが大好きなものには塩分が多いものがいくつもあります。いくら健康のためとはいってもこれら全てをやめてしまうのも少し悲しいものです。

また、おつけものや味噌のような発酵食品は、塩分は多いものの私たちの体に良い成分を多く含んでいます。今回ご紹介したリストから甘塩、減塩の製品を選んだり、メイン料理は極力減塩につとめ、野菜を多く摂取して、ここぞというポイントに塩辛いものを豆皿に少し用意したりして、ストレスのない減塩生活を楽しんでくださいね。

この記事の作成者:真鍋 実穂(調理師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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