こんにちは!配食のふれ愛のコラム担当です!
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ご家族に介護が必要になる。しかも脳梗塞や脳出血、心筋梗塞などが原因になることもありますし、外出中のちょっとした転倒が原因で、歩くことが立つことが簡単ではなくなったということもあるでしょう。
こういった場合、介護が必要になる本人も驚きますが、家族も同じくらいに驚き慌てます。
・介護どうしよう
・一日中家に居なくちゃ
・会社休めないし困った
・病院への付き添いは?
・トイレとかどうしよう
不安や悩みは尽きません。その結果、在宅介護のために会社を辞めてしまう方も後を絶たない状態です。
このコラムでは、ご家族に介護が必要となったとき、慌てて介護離職を選ぶ前に、少し立ち止まり冷静になってもらうことを目指しています。
まずは一呼吸してもらい、ゆっくりと静かな気持ちで読み進めてください。
目次
介護離職している人の割合
はじめに、介護のためにお勤めされていた会社を辞める「介護離職」を選ばれている人の数を見てみましょう。
総務省統計局が平成29年に調査した内容に、介護離職者の数が掲載されています。
男女、就業状態別介護・看護のために過去1年間に前職を離職した者
男女 | |||
就業状態 | 平成19年 | 平成24年 | 平成29年 |
総数 | 14万4800人 | 10万1100人 | 9万9100人 |
有業者 | 2万9400人 | 1万7800人 | 2万4600人 |
無業者 | 11万5500人 | 8万3300人 | 7万4500人 |
男 | 2万5600人 | 1万9900人 | 2万4000人 |
有業者 | 6100人 | 3400人 | 7700人 |
無業者 | 1万9500人 | 1万6500人 | 1万6300人 |
女 | 11万9200人 | 8万1200人 | 7万5100人 |
有業者 | 2万3300人 | 1万4400人 | 1万7000人 |
無業者 | 9万6000人 | 6万6800人 | 5万8200人 |
出典:総務省統計局 平成29年就業構造基本調査(結果の概要)表I-7
URL:https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2017/pdf/kgaiyou.pdf
ざっとみて、年間に約10万人が介護離職しているということです。その内、働きながら介護をしている人が約2万5千人、離職後お仕事をされていない方が約7万5千人いらっしゃるということです。
ただし、介護という理由を会社へ伝えずに離職されている方もいらっしゃると思いますので、実際に介護離職されている方はこの数字よりも多いと思われます。
介護をはじめる=会社を辞める?
このような数字を見ると、介護が必要になったときには、会社を辞めるしか方法がないのでしょうか。
また、どうして介護離職という選択をしてしまうのでしょうか。
これには次のような理由を耳にすることが多いです。
・介護のために会社の出社時間を遅くできなかった
・介護のために会社から早く帰ることができなかった
・突然の残業や休日出勤で介護がおろそかになった
・長時間勤務が当たり前の職場なので介護に専念しないと無理だった
介護は時間の融通性がポイントです。そのためこういった理由で介護離職される方も多いのです。
また、次のような理由もあります。
・介護のために有給休暇が取れない(取りにくい)雰囲気だから
・介護休暇はあるが取れない(取りにくい)雰囲気だから
・介護と仕事の両立を会社が(上司が)理解してくれない
こういった状況ですと、本人は仕事をしながら両立できると考えていても、辞めるしかない状況になることもあります。
そしてもう一つ、これが意外に多いのではないでしょうか。
「これから続く介護を無理なく進めるために辞める」
「介護の準備をするため」という理由で会社を辞める人がいます。でも、実際に会社を辞めても準備が進まないということも多々あります。
これには理由があります。ほとんどの人は「はじめての介護」ですから、わからない、知らないことばかりでしょう。そのため、どこから手をつけて良いのかわかりません。
ただ毎日体調や状態が変わる介護が必要な本人を前にして、時間だけが過ぎていくという生活を続けている方もいらっしゃる可能性があります。
このようになってくると、視野が狭くなり外野の声が耳に届きにくくなります。イライラも増え会社を辞めて介護に専念するのが一番なように思えてくるのです。
でも、ここで知っておいていただきたいのは、会社を辞めて家に居ても、介護はすぐに終わるものではないということです。
というよりも、いつ終わるのかわからないまま、毎日続くのが介護の本当の姿です。
介護のために会社を辞めるメリットとデメリット
介護のために会社を離職する。そんな選択をした場合、どのようなメリットとデメリットがあるのか見ておきましょう。事実を事実として冷静に見ておくことが大切です。
会社を辞めるメリットとは
(1)きめ細かな介護ができる
これは介護される本人にとっては大変うれしいことでしょう。身近に知っている人がいて、いつも自分のことを気にかけてくれる。介護という部分だけにフォーカスするなら、最高のメリットだと言えます。
(2)状態がわかるので安心
介護する側としても、いつも一緒に居ますので、どんな状態なのかが手に取るようにわかり安心することができます。
(3)仕事のスケジュールを気にしなくていい
介護と仕事を両立すると、会議の時間や資料提出の期限などを守れないこともあります。会社から「いいから」と言われていても、気になる方にはストレスです。でも介護離職すると、こういったしがらみから解放されることができます。
会社を辞めるデメリットとは
(1)収入源
会社を離職するということは、安定した収入源を失うということです。すでに会社勤め時代から、副業などで収入源をお持ちならこういったデメリットはなくなります。
しかし、こういった会社以外からの収入源を持っている人は多くありません。ほとんどの方は貯金を切り崩していくことになります。
(2)収入の不安定からくる精神的なつらさ
お金だけが幸せのバロメーターではありません。しかし収入の不安定さは人の精神状態を不安定にします。
また、会社という社会的な場面でおこる、人とのつながりもなくなりますので、孤独な感情に振り回されることもあるでしょう。
精神面での負担が増えるのは、大きなデメリットです。
(3)肉体的にも無理が出やすい
離職すると自由に使える時間が増えます。介護をする。家事をする。時間だけはいっぱいありますので、肉体的な負担が知らない間に増えてきます。
また、収入の不安が高まると少しでも節約しようとして、介護サービスの利用を減らしますので、余計に肉体的な負担が増えてきます。
(4)再就職が難しくなる
離職し、すぐに再就職をするのは難しくありません。でも、離職してから1年、3年、5年の空白期間があると再就職が難しくなります。
再就職の希望が叶ったとしても、正社員で以前の会社と同じポジションということは難しいため、どうしても収入が下がってしまいます。
介護での疲れ。
再就職で認められない以前のキャリア。
何社も断られることで傷つくプライド。
介護が終わった後、今度は自分が「うつ」のような状態になり、就職活動を辞めてしまう方もいらっしゃいます。
(5)視野が狭くなりイライラが増える
介護される人、介護する人、二人だけの暮らしが24時間毎日続くと、誰でもストレスが溜まります。
コミュニケーションも取りにくいですし、決まったことも思うようにやってくれないでしょう。そこに収入の不安や社会的な孤独が積み重なると、どんどんと視野が狭くなり、イライラすることが増えるのは当たり前。
介護する人、される人。どちらにとっても良い状況とは言えません。
介護で会社を辞める前にやってほしいこと
メリットとデメリットを見てきました。いかがでしょうか。介護離職はデメリットを覚悟した上で選ぶことが必要だということがわかります。
でも、どうしようもない理由からあなたが介護離職を選ぼうとされているのなら、その前に次のことを知りやってもらいたいと思います。
介護離職は法律で守られていません
これは大事なことなので理解しておいてください。介護では、介護される人に関しては法律で守られています。介護サービスなどを思い出すとわかります。
しかし、介護する側は法律で守られていません。介護離職して収入がゼロになりそうでも法律では守られていません。
「介護者の身は自分で守る」ことになります。
職場には伝えることが大切
法律で守られていないので、まず辞めるという選択をする前に、ダメもとで職場に伝えることが大切です。
介護は継続することですから、ごまかしだけでは切り抜けられません。仕事中に携帯電話も鳴るでしょう。遅刻して出社することもあるでしょう。
介護者の仲間を見つける
すでに介護をスタートされている方が集まるところに参加して、先輩たちの話や体験を参考にしてみましょう。
自治体の福祉課やお住まいの近くにある地域包括支援センターへ相談されると、介護者の会を教えてもらえるはずです。
こういった会では、すでに介護と仕事を両立されている方、介護だけに専念しながら収入の不安を軽減されている方など、あなたが知りたいと思っていることをすでに実践している人と出会えるでしょう。
こうした実践での話や情報は大変貴重です。また、同じ境遇の人同士で話をするのも気分転換になります。
介護がスタートする前に準備すること
いよいよ介護をスタートするという前に、次のような準備をしておきましょう。準備をしておくことで、少しは介護が楽になります。
自分たちで介護する範囲を決める
介護をする中で、自分たちができる範囲とそうでない範囲があります。
また、時間や曜日によっても介護を出来るタイミングとそうでないタイミングがあります。
「あれもこれも全部自分で」と考えてしまう方もいらっしゃいますが、介護サービスを上手に組み合わせて使うことで、介護の範囲を決め、生活の中に余裕を生み出すようにしましょう。
仮に時間に余裕があるとしても、全部自分でやるのではなく、訪問介護やデイサービスなどを利用することで、本人も家族もリフレッシュすることができます。
介護は情報を集めたもの勝ち
介護に関することは、情報を集めたものが勝ちます。お住まいの自治体で発表されている福祉の情報。
地域包括支援センターで行われている説明会や行事。ジッとしていても必要な情報は届きません。こちらから情報を集めるくらいが良いのです。
最近なら、インターネットで情報を発信している自治体や支援センターも増えていますので、まさに情報戦を征する者が有利になります。
ご近所の世話になる
ご近所にも介護をしていることを伝えておくと安心です。特に認知症の方で迷子になられることがある場合、外で心配そうに見回している姿を見たら気にかけてもらえます。
また、行動範囲にある派出所にも連絡しておくと安心です。万が一迷子になったとき、連携して探してもらうこともできます。
仕事のスケジュールをベースに介護サービスを考える
介護サービスは、あなたのスケジュールをベースに考えましょう。仕事との両立をされる場合なら、平日のほとんどは介護サービスを利用し、休日の一部の時間だけ介護をする、そんなプランでも良いのです。
介護をベースに考えると、あなたの人生がすべて介護になってしまいます。それでは介護が終わったとき、あなたが豊かに暮らす方法が少なくなっている可能性もあります。
まとめ
いかがでしょうか。介護離職を選ぶかどうかは、あなた次第ですが、今回お伝えしましたメリットやデメリットを参考にしていただきたいと思います。
まずはお勤めされている会社の中で、信頼できる上司に相談することから始めてみませんか?小さな一歩でも構いませんから、何か外に向けての行動を起こすことで、「離職しかない」という考えを変えることができるかもしれません。