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梅雨はさまざまな体調不良が発生しやすい時季です。はっきりとした原因がわからず、不快な症状に悩まされる人は増えているといわれます。梅雨の時季におこりやすい体調不良について、その原因と対策をまとめます。
目次
梅雨の時季におこりやすい体調不良
「雨が降ると古傷がうずく」「台風が近づくとぜんそく発作がおきやすい」など、天気が体調に影響することは経験的にはわかっていました。特に梅雨は雨の日が続き、気温差も大きく体調を崩しやすい気候ですが、天気の変化によって日常的に体調不良を感じる人も増えているようです。はっきりとした原因がわからず、天気が原因でおきる体調不良を「気象病」「天気痛」などと呼びます。
気象病・天気痛
気象の変化によって症状がでたり、症状が悪化する疾患の総称です。症状は多岐にわたり、頭痛やめまいなどは比較的多く聞かれる症状です。他にも肩こり、腰痛、関節炎、ケガのあとの痛みなどの慢性痛や、うつ症状など精神面に影響を及ぼすこともあります。
むくみや冷え、肌荒れなど日常的にもおこりやすい症状から、ぜんそくやリウマチなど持病の悪化、心臓発作や脳卒中など命にかかわる発作のきっかけとなる場合もあります。
<気象病・天気痛チェックリスト>
※チェックが付いた項目が多いほど、気象病の可能性が高いといえます。
項目 | チェック | |
1 | 天気の変化に敏感で、雨が降ることや天気が変わることなどがなんとなくわかる。 | □ |
2 | 新幹線や飛行機、高速エレベーターなどに乗ったときに、耳が痛くなりやすい。 | □ |
3 | 乗り物に酔いやすい。 | □ |
4 | よく耳鳴りがする。 | □ |
5 | 耳抜き(耳が詰まったとき、つばを飲み込んだり、口を開けて治すこと)が苦手だ。 | □ |
6 | 台風の動向が気になる。 | □ |
7 | 天気によって気分の浮き沈みがある。 | □ |
8 | 季節の変わり目に体調を崩しやすい。 | □ |
9 | 暑い季節にはのぼせやすく、寒い季節は冷えやすい。 | □ |
10 | 雨が降る前に眠くなったり、めまいがすることがある。 | □ |
11 | 雨が降る前に頭痛がすることがある。 | □ |
12 | 性格は几帳面である。 | □ |
13 | 首にけがをしたことがある。 | □ |
14 | 大きなけがの痕が痛むことがある。 | □ |
15 | 片頭痛がある | □ |
気象と慢性痛とうつの関係
頭痛や関節痛など体のどこかに慢性的な痛みがある人は、気象の影響を受けて痛みが悪化する人が多いということがわかっています。どのような気象条件で痛みが悪化するかには個人差があり、一概に天気が悪いから痛みが強くなるとも限りません。慢性的に痛みがある人が痛みを繰り返すと、脳は強いストレスを感じます。脳の偏桃体と呼ばれる部位が過敏になったり、前頭前野や海馬の萎縮など脳に悪影響を及ぼし、不安やうつなどの精神症状を引きおこします。気分の落ち込みによって痛みが増強したり、痛みが広がることもあります。
このような悪循環を断ち切るには、自分がどのような気象条件のときにどのような症状がおこりやすいかを客観的に把握し、痛みに対して早めに対処することが必要です。
主な原因は気温と気圧と湿度
気象が影響する体調不良のメカニズムは、近年の研究により明らかとなってきています。体調に影響を及ぼす主な気象条件には気温、気圧、湿度などがありますが、原因はひとつとは限らず、個人差も大きいのが特徴です。
気温差の影響
1日の中で気温差が激しくなると、体内のバランスが崩れて体調に影響を及ぼすことがあります。私たちの体は自律神経によって体温調節が行われていて、暑いときに汗をかいたり、寒いときに震えがくるなどの現象は、体温調節のためにおこる体の反応です。気温差は人の体にとってはストレスですが、適切に対応できている範囲では問題は起こりません。急激な気温の変化によって自律神経のバランスが乱れ体温調節機能に不調がおきると、寒くないのに強い冷えを感じたり、血行不良や頭痛、肩こり、胃腸障害などにつながることがあります。
また理由もなくイライラしたり、不安感に襲われたりなど、感情を思うようにコントロールできなくなるなどの症状があらわれることもあります。このように激しい気温差に対応するために自律神経が働き、体の恒常性を維持するためのエネルギーを過剰に消費することで疲労した状態を「寒暖差疲労」と呼ぶことがあります。
エアコンによる室内外の気温差も要注意
気象現象による急激な気温変化はもちろんですが、エアコン使用による室内温度と外気温の差が大きくなることにも注意が必要です。現在では年間を通してエアコンを使用している場所が多くなっており、特に夏場は温暖化の影響もあり、冷房の効いた室内にいる時間が長くなっている傾向があります。
冷房の効いた室内に長時間いると、人の体は冬の環境と同様の対応をします。暑い外へ出たときには、体が急に夏の環境に対応しようとするため、自律神経のバランスが崩れる原因となります。これは冬に暖房のきいた室内から、寒い外へ出たときも同様です。個人差はありますが、気温差が5~7℃以上の環境が寒暖差疲労の要因になりやすいといわれます。
寒暖差疲労の予防・改善
寒暖差疲労の予防・改善には、日常的に体を温めることがよいといわれています。
・温かいもの、体を温める作用のある食品を摂る
夏季は特に冷たい飲み物が欲しくなります。炎天下の屋外で、体温が上昇した状態が継続するような環境の場合は冷たい飲み物で体内から冷やすことも必要となりますが、そのような極端な環境ではない場合には、冷たい飲み物や食べ物は控えて、温かいものを摂るように心がけましょう。薬膳の考え方では季節の食べ物はその季節の体調に合った働きをするといわれています。
基本的には夏が旬の食品は体を冷やし、冬が旬の食品は体を温めると考えますが、加熱することで性質が変化する食品もあります。ネギや生姜は体を温める食品の代表ともいえます。1年を通して手軽に購入できるので、体を温めるためには夏季でも積極的に摂りたい食品です。また根菜類も加熱調理をして食べることで体を温める働きがあります。物理的に温かい食品を摂ることも有効なので、夏季はそうめんや冷やし中華もおいしいのですが、体が冷えていると感じたときには温かいにゅう麺や鍋物なども取り入れてみましょう。
・日常的な運動量を増やす
スポーツなど特別な運動ではなくても、日常の生活の中で今よりも余計に体を動かすことを意識しましょう。歯みがきの間はつま先立ちをする、エスカレーターやエレベーターを使わずに階段を使う、乗り物では座らない、スーパーではカートを使わず買い物かごを持って歩くなど、少しの負荷の積み重ねが筋肉を使い、体を温めます。
・お風呂に浸かる
シャワーだけで手軽に入浴を済ませる人も多いと思いますが、湯船に浸かることを習慣ににしましょう。お湯の温度は38~40℃のぬるめに設定し、常温の水を飲みながら10分以上、じんわりと汗をかくまで湯に浸かると効果的といわれます。また炭酸ガスには体を温める効果が期待できるため、炭酸ガス入りの入浴剤を使用するのもよいでしょう。
ただし血管が拡張して生じる、ズキンズキンと脈打つような片頭痛の症状がある場合は、湯船に入ることが逆効果のこともあるので注意しましょう。
内耳が感じる気圧
人の耳の働きは、音を聞くだけではありません。耳の奥にある内耳は体の平衡感覚をつかさどり、バランスをとる役割があります。また気圧の変化を感知して、脳に信号を送るセンサーの役目も担っています。平衡感覚を適正に保つには、内耳からの信号と目からの情報が一致しなければなりませんが、気圧の変化によって内耳から間違った情報が脳に送られると、目からの情報との誤差が生じ、脳が混乱して交感神経が興奮します。その結果、めまいや頭痛などの症状がおこると考えられています。
台風や局地的大雨も低気圧
気象病がおこりやすいのは梅雨の時季だけではありません。近年は非常に強い大型の台風や局地的大雨などが頻発しています。これらの低気圧は接近から通過するまでのスピードも速く気圧の変化が急激におこるため、気象病の症状も強く出ることがあります。しかし気圧が低いほど症状が強いとは限らないようで、前日との気圧差が5~10hPaで症状が出やすいという報告もあります。
日本の地形と湿気
日本は周囲を海で囲まれているため、湿気が入り込みやすい環境があります。漢方では過剰な湿気を湿邪(しつじゃ)と呼び、体内に余分な水分がたまることで、むくみや頭痛、めまい、食欲不振などの症状を引き起こすと考えられています。
気象病の対策~規則正しい生活を~
気象病の対策として大切なのは、自律神経のバランスを整えることです。そのためには普段からの規則正しい生活習慣が大切です。
バランスの良い食事
朝食は必ず摂りましょう。朝は日の光を浴び、朝食を摂ることで体内時計がリセットされて自律神経のバランスがとれ、体がスムースに動き始めます。また仕事の都合などで毎日同じ時間に食事を摂ることが難しい場合でも、自律神経を整えるためには、夕食は寝る3~4時間前までには済ませましょう。
栄養のバランスは、食品数を多く摂るように意識すると自然と整います。昼食は朝食に食べなかった食品を選び、夕食は朝食・昼食で食べなかった食品を補うような考え方で食事を選びます。1985年に当時の厚生省が作成した食生活指針では「1日30品目の食品を」と提唱されましたが、実際に30品目の食品を摂ることはなかなか大変なことです。30という数字にはこだわらず、できるだけ多種類の食品を摂るように心がけるだけでも栄養のバランスを整えることができます。
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質の良い睡眠
質の良い睡眠のためにはメラトニンというホルモンの分泌を活性化させることが必要です。メラトニンの分泌を活性化させるためには脳内の神経伝達物質であるセロトニンが十分に分泌されることが必要です。セロトニンが十分に分泌されていることで副交感神経の働きが良くなります。
またセロトニンは体内に貯蔵ができないため、毎日体内で作り出される必要があります。セロトニンの生成にはトリプトファン、ビタミンB6、炭水化物が必要なため、栄養のバランスは良質な睡眠のためにも大切ということになります。
夜は、眠る1時間前までには入浴を済ませ、スマートフォンやゲームもやめましょう。布団に入ったら呼吸に意識を集中しながら大きく深呼吸を繰り返すと、副交感神経が優位になり、リラックスしてよい睡眠につながります。
適度な運動習慣
セロトニンは一定のリズムで筋肉が運動することで生成されやすくなるといわれています。「歩く」運動は一定のリズムで動く、セロトニンの生成に役立つ運動といえます。朝、日の光を浴びながら歩くことは、自律神経を整えるのに効果的な運動です。わざわざ早起きをしなくても通勤時に一定の歩く距離を設けることで、無理なく継続することができます。
その他
・耳マッサージ
耳の血流を促進すると、気象病の予防に役立つといわれます。次の手順で耳マッサージを1日3回実践してみましょう。
①耳を持ち、上下と横にじわじわと5秒ずつ引っ張る。
②耳の横を持ち、軽く引っ張りながら後ろ向きに5回ゆっくりと回す。
③手のひらで耳全体を覆い、後ろ方向に円を描くようにゆっくりと5回す。
④耳の上下を合わせて、耳をたたむように折り曲げて5秒保つ。
・気象病・天気病外来
最近は、気象病・天気病を専門に扱う診療科が開設されている病院も増え始めています。日常生活に支障をきたすほど症状が強い場合は、専門外来を受診してみましょう。
・記録をとる
症状がおきたときの状況や条件を記録しましょう。日時と具体的な症状や程度、随伴症状、症状の誘因と考えられる事柄などを、その日の天気や気象条件などとあわせて記録しておくことで、予防につながる事柄に気づくことができるかもしれません。また受診する際には重要な資料ともなり、治療にも役立つことがあります。
・天気の予測
天気の動向を知っておくことで、予定を変えたり、薬を飲むタイミングを見計らったりすることができます。
天気や気温、気圧などの情報が得られるアプリがまとめられているウェブサイトです。スマートフォンにアプリを入れて、気象状況をいつでも調べられるようにしておくことで、症状の予防に役立てることができます。ご参照ください。
https://applinote.com/ios/weather/%E6%B0%97%E5%9C%A7/?price=free
梅雨の体調不良を乗り切ろう
気象病は、その原因が全て解明されているわけではありませんが、普段から自律神経のバランスを整えておくことは、健康管理上とても大切なことです。自分の症状について客観的に理解し記録しておくことも、予防や治療のためには大切です。規則的な生活と、天気を予測する工夫で梅雨を乗り切りましょう。