こんにちは!配食のふれ愛のコラム担当です!
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大切な家族が病気になった。散歩に出掛けたとき転んでケガをした。このような理由がきっかけとなり、これまで考えてもいなかった介護が必要になる場合があります。
もしあなたのご家族に、このような理由から介護が必要となった場合、どのような行動や手続きが必要なのかご存じでしょうか?放っておけば病院が自動的に何かやってくれると思っていないでしょうか?自治体が病状を確認して自動的に手続きを進めてくれると考えておられないでしょうか?
この記事では、もしご家族に介護が必要となった場合、介護をスムーズに進めるためにどのような行動をすればいいのか、慌てず進める手順について解説していきます。
目次
介護は身近なことになっています
まず、介護を必要とされている方の人口を見てみましょう。
具体的な数字を見ていただくことで、介護は他人事ではなく自分の身近なことだと理解していただけると思います。
介護を必要とされている方の人口ですが、信頼できる数字として「厚生労働省」が毎月発表している「介護保険事業状況報告(暫定)平成31年1月分」から引用します。
詳しい数字については厚生労働省のページをご覧いただくとして、ここでは総数を見ておきます。
(URL:https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/m19/1901.html)
引用:介護保険事業状況報告(暫定)平成31年1月分 2-1.要介護(要支援)認定者数(人) 平成31年1月末現在
平成26年度末では、およそ591.8万人だったのが、およそ655.9万人に増加しています。
このように介護は一部の人だけに必要な事ではなく、高齢化と共に誰もが必要となる時代なのです。
介護が必要になったとき
それでは具体的に介護が必要になったとき、どのような流れを知った上で行動すれば良いのかをご紹介します。
知らないまま動くと二度手間になることもありますし、取っ掛かりを間違えるとスムーズに進みにくいこともあります。
主治医を決めることを忘れない
介護が必要になったとき、どれくらいの介護が必要なのかを判断しなくてはなりません。そこで最初の行動は、介護を判断するために必要な「医師の意見書」を書いてくださる主治医を決めることからはじめましょう。
これまでの生活で「かかりつけのお医者さん」がいらっしゃる場合には、かかりつけ医に連絡して意見書を書いてもらえるか確認することが必要です。意見書を書いてもらえない場合は、別の医師を紹介してもらえないか相談しましょう。
また、これまでの暮らしが健康だったので「かかりつけ医」がいらっしゃらない場合には、お近くの病院へ相談してみましょう。
地域包括支援センターに相談
次のステップとしては、地域包括支援センター(ちいきほうかつしえんせんたー)へ相談しましょう。
地域包括支援センターとは、それぞれが担当している地域住民へ、介護に関係する支援を行ってくれるところです。今後の相談や、どうしていいかわからないことなど、地域に密着した介護の情報を持っておられますので、困ったなと悩む前に相談することが大切です。
地域包括支援センターは全国にありますので、スマートフォンやパソコンをお使いの方ならインターネットで検索すると、お近くの窓口がわかります。スマートフォンやパソコンで探すのは得意じゃないという方は、自治体にある介護保険などの窓口へ問い合わせると、近くの地域包括支援センターを教えてもらえます。
介護認定を受けましょう
これから介護を行う場合、家族や本人だけで進めると暮らしに無理が出てくることがあります。仕事の時間や自分の時間、外出の制限や睡眠時間など、これまでの暮らしのサイクルが大きく変化するため、最初は大丈夫と思えてもストレスが溜まってしまうことがあります。
介護をスムーズに進めるためには「介護される方」の体調や症状の進行を考えるだけではなく、「介護する方」がストレスや疲れでダウンしないように配慮することも大切なのです。
そこで覚えておいていただきたいのが、介護保険サービスを有効に利用することです。
では、どのようにすれば介護保険サービスが利用できるのかというと、これまで介護保険料を払っていたから利用できるというものではありません。介護保険サービスをどの程度まで利用できるのかを調査してもらう「要支援・要介護認定の申請」というものが必要なのです。
詳しい申請の手順に関しては次の章でお伝えします。ここで覚えておいていただきたいことは、申請し認定されないと利用できないということです。
介護サービスの利用を検討
要支援・要介護認定が決まりますと、認定された区分に合わせて介護保険サービスを利用できます。
ただ、どのサービスでも使えるのではありません。介護の計画を一緒に考えてくださる「ケアマネージャー(介護支援専門員)」と相談しながら決めていくことになります。
ケアマネージャーさんは、先ほど出てきました「地域包括支援センター」や自治体の介護保険などの窓口に相談すると紹介してもらえます。これから始まる介護のある生活で、少しでも無理なく過ごせるプランをケアマネージャーさんと計画するようにしましょう。
介護保険を利用するためには介護認定が必要
それでは介護保険サービスを利用するために必要な「介護認定」を受ける流れについて紹介します。
もしかすると、ご本人は他人の手を借りることに抵抗があるかもしれません。しかし、少しでも快適に家族全員が暮らすためには、介護保険サービスの利用を外すことはできません。
介護認定の申請
介護保険サービスを利用するには、認定を受けるために必要な「申請」から始めます。
申請に必要なものとして、以下のようなものがあります。
・介護保険サービスの申請書
・介護保険被保険者証
・健康保険証(第2号被保険者の場合)
・マイナンバーの個人番号
申請書は自治体窓口でもらえます。ここで注意が必要なのがマイナンバーの個人番号です。普段使うことが多くありませんので、どこかにしまい込んでしまっていることがあります。マイナンバー登録をしていない場合には、通知書が届いているはずなので、こちらを探して手元に用意しておきましょう。
ご本人自ら申請に行ける場合は、上記のものを揃えて自治体窓口へ申請に行きましょう。
しかし、こういうケースはそんなに多くありません。ほとんどの場合は、突然入院し本人は申請できないケースです。こういった場合でも家族が代わりに申請することができます。
病院のソーシャルワーカーに相談しながら申請手続きを進めることも可能です。
また、何らかの理由で家族や親族が申請できないケースもあるでしょう。そういった場合は、次のところへ連絡して代行してもらえないか相談しましょう。
・地域包括支援センター
・居宅介護支援事業者
・介護保険施設
おそらく申請の前段階で相談しているケースの多い「地域包括支援センター」が、伝わりやすく話しやすいと思います。
介護認定の認定調査
介護認定の申請を行うと、次に「調査」が行われます。
(1)訪問調査の日程調整
認定には本人に直接会う「訪問調査」がありますので、訪問される日程を決めます。入院中の場合は、病院へ訪問されます。
(2)訪問調査
自治体の職員や、自治体から委託されたケアマネージャーがご自宅へ訪問します。申請されている本人の状態、日常生活の環境、家族の暮らしなどを聞き取りします。
(3)主治医の意見書を用意
ここで意見書が必要になります。主治医が自治体からの依頼で作成してくれます。もし、この時点までに主治医がいない場合は、自治体から紹介された医師の診断を受けるようにします。
介護保険サービスは、今後も更新する必要があります。その度に意見書も必要になるので、主治医を決めておくと楽になるでしょう。
(4)一次判定
訪問調査の結果と、主治医の意見書の一部を元にコンピュータで判定します。これは公平性を保つための判定です。
(5)二次判定
一次判定の結果と、主治医の意見書、調査時に知った特記事項などを考慮し、専門家が審査します。
介護認定の条件とは
ここで気になる「訪問調査」での調査内容を紹介しておきます(調査内容は全国共通)。
<認定調査票(概況調査)>
・現在受けているサービスの状況(在宅利用)
・現在受けているサービスの状況(施設利用)
・基本調査
・体の動きについて
・生活について
・認知について
・精神や行動について
・社会性について
・過去14日間に受けた医療について
・日常生活自立度について
・特記事項
引用:厚生労働省 認定調査票(概況調査)
URL:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11901000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Soumuka/0000127894.pdf
要介護認定の結果が通知
おおむね、申請から30日程度で審査結果が通知されます。
地域によっては、申請から2ヶ月くらいかかるところもありますので、自治体の窓口に確認しておきましょう。
認定結果は、次のような区分に分かれています。
要介護5 |
要介護4 |
要介護3 |
要介護2 |
要介護1 |
要支援2 |
要支援1 |
非該当 |
ここでのポイントは「要介護1~5」に認定されると介護保険サービスを利用することができます。「要支援1~2」に認定されると介護予防サービスの利用となります。非該当の場合は地域の支援事業を利用できます。
このように、認定された内容によって利用できるサービスが変化します。
ですから、家族や本人の思っている認定と、通知された結果に納得できないこともあるでしょう。
結果に納得がいかない場合
納得できない場合には、自治体へ相談しましょう。
相談しても納得できない場合には、介護保険審査会というところがありますので、そちらへ不服申し立てを行うことができます。審査会は都道府県にあります。
どうして納得がいかないケースが起こるのかというと、審査する側、される側の認識が違うことがあります。また、家族は「一人で起きあがれない」事実を知っていますが、本人は事実を受け入れたくないため、調査員へ「大丈夫、ひとりでできる」と答えてしまっていることもあります。
どちらにしても、事実に沿っていない結果が通知された場合、そのまま受け入れる必要はありません。事実と違っているのですから自治体へ相談することが大切です。
認定結果には有効期限があります
初めて介護認定を受けられる方に知っておいてもらいたいことがあります。それは、介護認定は一度だけではないということです。
新規の場合は6ヶ月、更新の場合は12ヶ月の認定有効期限があります。そして介護認定は自動更新されません。知らない間に有効期限を過ぎていた場合、介護保険サービスが利用できないという状況も考えられます。
「半年で状態が変わっていないので更新を忘れていた」ということがないように注意しておきましょう。
介護保険や予防サービスの利用
認定が決まりましたら、それぞれの結果に合わせて次のような流れでサービスの利用をスタートできます。
要介護の方
(1)居宅介護支援事業者を選びましょう
自治体が認めている「居宅介護支援事業者」を選びましょう。選ぶときにはケアマネージャーさんがいらっしゃるところが安心です。
(2)ケアマネージャーの決定
事業者を選ぶとケアマネージャーさんが決まります。ここでのポイントは、ケアマネージャーさんも人間ですから、家族や本人との相性があるということです。
もし相性が合わないなと思った場合は、別の方へ交代してもらうことも可能です。ガマンしてこれからおつきあいするのは辛いですから、家族や本人と合う人を見つけましょう。
(3)プランを作成
ケアマネージャーさんと、今後のサービス利用を検討します。本人の生活習慣や介護の必要な部分。家族が家にいる時間、いない時間、曜日での行動などを元に、ケアプランを作成していきます。
(4)サービスの利用
ケアプランが決まるとサービスを利用します。ここで間違えやすいことがあります。それは、デイサービスなどは「サービス事業者」と直接契約するということです。
ケアマネージャーさんと契約する訳ではありませんのでご注意ください。
要支援の方
(1)地域包括支援センターへ相談
介護サービスではなく、要支援の方は「予防サービス」となります。ですからケアマネージャーではなく、地域包括支援センターの方と「介護予防プラン」を作成します。
(2)予防サービスの利用
介護予防プランを元に利用するサービスを決め、いつまでも快適に暮らせる体を維持します。
まとめ
介護が必要になったからといって、明日からサービスを利用することはできません。介護サービスを利用するためには、今回お伝えした流れで申請を行い認定されることが必要です。
また、できるだけスムーズに進めないと、申請からサービスを利用できるようになるまで、1ヶ月以上かかる場合もあるので確認しておきましょう。
いきなり介護が始まると、まわりが見えなくなり「全部自分たちだけで」と考えてしまう方もいらっしゃいます。
毎日の暮らしの中で食事や着替えなどが難しいなと感じられたなら、家族も本人も快適な暮らしを送るために今回の流れを参考にして、介護保険サービスの利用を検討いただきたいと思います。
特に食事が困難になると、栄養がとりにくくなり、思わぬ病気の原因にもなりかねません。いきなり介護保険サービスの利用を受け入れられない方には、栄養バランスが整い食べやすく調理された宅配弁当を利用し、家族以外との関わりに慣れてもらうのも方法ではないでしょうか。