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高齢者でも食べやすい大豆レシピと健康効果、節分の由来とは?

作成日:2020年1月20日

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高齢者でも食べやすい大豆レシピと健康効果、節分の由来とは?

節分と言えば、豆まきですね。鬼を退治して福を呼び込むために行われるこの行事は古くから全国各地で行われています。何故節分に豆がまかれるようになり、歳の数だけ豆を食べるようになったのか調べてみました!また、豆まきに使われる大豆は栄養も豊富で身体良い食材です。豆の健康効果についても詳しく解説します。

大豆レシピと節分

節分の日に厄を払う儀式は、中国から伝わってきました。季節の分かれ目には邪気(鬼)が生じると考えられており、邪気を追い払うための儀式として飛鳥時代に文武天皇が行ったのが日本での始まりです。その時代には疫病が流行し、農作物が育たなかったり、多くの人々が亡くなったりしたという背景があり、これらを鬼の仕業と考えていました。

季節の分ける日である節分は立春、立夏、立秋、立冬の前日で年に4回ありましたが、江戸時代以降は旧暦で新しい年の始まりとなる立春の前日だけを節分と呼ぶようになりました。現在のように豆をまくようになったのは室町時代で、江戸時代になって庶民にまで豆まきの風習が伝わったと言われています。

何故豆をまくの?

豆まきで使われる大豆は米の次に神事で用いられており、米よりも粒が大きいことから邪気を払うのに最適だったという説や、魔目(鬼の目)、魔滅(魔物を滅する)という語呂合わせから豆で追い払うようになったなど諸説あります。大豆は五穀(米・麦・豆・ひえ・あわ)の1つであり、五穀には精霊が宿り、邪気を払うと考えられていました。

また、豆まきの大豆は必ず炒ったものでなければいけません。まいた豆から芽が出るのは縁起が悪く、災難がふりかかるとも言われているためです。「豆を炒る」は「魔目を射る」にも通じ、炒った豆を鬼にぶつけることで無病息災を願いました。

歳の数だけ豆を食べる意味とは?

豆まきのために炒った豆は福豆といい、豆まきの後に福豆を食べる年取り豆という慣わしがあります。年取り豆は、身体の中に福を取り込んでその年は健康に過ごせると言われています。満年齢か数え年の数かは地域や各家庭で異なりますが、実は歳の数え方は縁起や厄除けなどには関係していません。満年齢が使用されるようになったのは明治以降であり、数え年は日本古来の宗教的考えから新年には全員の年齢が1歳加算されるなど、歳の数え方については諸説あります。

満年齢、数え年にこだわる必要はなく、穀物の霊が宿り邪気を払うとされる豆を節分に食べることで体の中からも邪気を払うことができる、と昔から考えられてきました。高齢者など歳の数だけ豆を食べることが難しい場合には、歳の数の炒り大豆に、温かいお茶を注いだ「福茶」がおすすめです。福茶にも年取り豆を食べるのと同じご利益があると言われています。

一般的な豆まきの作法とは?

炒った豆を用意し、節分の日(2月3日)の夜まで供え物用の台や升に入れて神棚に供えます。鬼は真夜中(丑寅の刻)にやってくると考えられているので一般的には夜に豆まきを行います。家族全員が揃ったら、玄関、窓など鬼が入ってくる入り口は開けておきます。豆をまく順番は、家の一番奥の部屋から、鬼が出入りする方角である北東の反対の南西から、または南西を最後にする、など地域や各家庭によって様々です。

家の玄関や窓を開けて「鬼は外」と豆をまいたら、鬼が戻らないようにすぐに戸や窓を閉めましょう。「鬼は外、福は内」と続けて外に向かって豆をまくのは間違いです。せっかくの福が入ってこれなくなるため、家の中で「福は内」と唱えます。豆まきが終わったら年取り豆を食べましょう。

大豆の健康効果とは?

豆まきに使われる大豆は、豆類の中でもタンパク質が最も多く、「畑の肉」とも呼ばれています。タンパク質は筋肉や骨、臓器、皮膚や爪など身体のあらゆる組織を作るためには欠かせない成分です。大豆のタンパク質は、必須アミノ酸がバランス良く含まれている良質な植物性タンパク質です。また、大豆には脂質や炭水化物、食物繊維、ビタミン、ミネラルなど様々な栄養素が含まれています。さらに大豆には、「レシチン」や「サポニン」「イソフラボン」などといった美容や健康に良い機能性成分も含まれています。

大豆100gあたりの成分表

エネルギータンパク質脂質炭水化物カリウムマグネシウムカルシウム
乾燥大豆422kcal33.8g19.7g29.5g1900mg220mg180mg6.8mg
茹で大豆176kcal14.8g9.8g8.4g530mg100mg79mg2.2mg

※左右にスクロールします。

参考:文部科学省食品成分データベース
https://fooddb.mext.go.jp/result/result_top.pl?USER_ID=11968

動脈硬化予防

大豆に含まれるアルギニンというアミノ酸やレシチンという脂質には血中の悪玉コレステロールを低下させる働きがあります。また、大豆の脂肪の中に含まれるリノール酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸も血液の中の悪玉コレステロールを減らし、動脈硬化を予防します。さらに大豆にはサポニンという抗酸化作用をもつ成分が含まれており、動脈硬化の原因となる活性酸素を除去する働きがあります。

肥満予防

レシチンは、脂質をエネルギーとして消費されやすくするため、代謝が高まり肥満を予防する効果があります。

疲労回復

ビタミンB群は身体を動かすために必要なエネルギーを作る過程で利用されている栄養素であり、大豆に含まれるビタミンB2には疲労時などエネルギーの需要が高まった時に利用される脂質の代謝を高める効果があります。

貧血改善

大豆には鉄分が豊富に含まれているため、貧血の改善が期待できます。ビタミンCを含む食品と一緒に摂ることで大豆の鉄分の吸収を高めます。

美容効果

ビタミンB2は皮膚や毛髪、爪、粘膜などを作り、健康を維持したり細胞を再生させる効果があります。また、ビタミンEには血行を良くして新陳代謝を活発にする効果があり、肌荒れを改善する効果があります。

イソフラボンの効果とは?

大豆に含まれるポリフェノールの1種であるイソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きを持ちます。エストロゲンは加齢により卵巣機能が低下すると減少していきます。ホルモンのバランスが崩れてしまうと更年期障害を引き起こしますが、イソフラボンにはエストロゲンの分泌を促し、更年期障害の症状を改善する効果が期待できます。

また、エストロゲンの分泌量が減少することで骨にカルシウムを蓄える機能が低下するため、閉経後の女性は骨粗しょう症となる可能性が高くなりますが、イソフラボンによって骨にカルシウムが蓄えられるため、骨粗しょう症を予防する効果があります。

豆レシピで高齢者も節分を楽しめる

豆まきに使われる炒った大豆はご存じの通りとても硬く、水分量も少ないため噛む力や飲み込む機能が低下した高齢者が食べるのは難しい場合があります。高齢者も一緒に楽しむことができる豆のレシピをご紹介します。

◎炒り大豆の水煮
1.鍋に湯を沸かし、沸騰したら火を止めます。

2.炒った大豆を入れ、20~30分程度そのまま冷まします。

3.触れる温度になったら、手で大豆を揉んで皮を取り除きます。

豆まきに使われる炒った大豆を水煮にすることで、香ばしさと食感が残ります。このまま煮物にしたり、野菜と一緒に味噌汁に入れたり、砂糖をまぶしておやつにしたり、と様々な料理に使うことができます。すり潰してハンバーグやすり身に加えるのもおすすめです。もっと柔らかくしたい場合には沸騰したら火を止める前に豆を入れ、煮る時間を長くするなどお好みに応じて調節してください。

◎炒り豆ごはん
1.米を研ぎ、炒った大豆を一緒に炊飯器に加えます。

2.1時間程度水に浸けておきます。

3.米と大豆の水を切り、醤油、砂糖、酒、顆粒出汁などお好みの調味料を加えます。
(例:米2合に対し、醤油・酒が大さじ2杯、砂糖・顆粒出汁が小さじ2杯)

4.米の分量分の水+大豆10gに対し大さじ1杯の水を入れ炊飯します。

炒った大豆をそのまま炊飯器に入れてお米と一緒に炊くだけで豆の香ばしさや風味を感じる混ぜごはんが簡単にできます。柔らかく炊きたい場合は浸漬時間を長くしたり、水の分量を多めにして調節してください。塩昆布や鶏肉、椎茸や人参などお好みの具材を加えてアレンジするのもおすすめです。

大豆レシピまとめ

節分は季節の分かれ目に邪気を追い払い、1年の健康を祈願するための行事として古くから行われてきました。季節の行事を大切にし、家族みんなで楽しんでいきたいですね。また、大豆には良質なタンパク質や栄養素が豊富に含まれており、生活習慣病の予防効果も期待できるため、積極的に摂取したい食品です。健康な身体は毎日の食事が作ります。

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この記事の作成者:A.N(看護師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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