こんにちは!配食のふれ愛のコラム担当です!
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スーパーの店頭でも数多くの種類を選べる納豆、柔らかくて食べやすく、健康にもとても良いことは有名ですね。さまざまな効能があり、高齢者様の体にもとても良いものですが、独特の粘りや香りがちょっと苦手で…という方もいらっしゃいますね。今回は幾多ある納豆の効果や納豆が苦手な方にも食べやすいメニューをご紹介します。
目次
納豆とはどのような食品なのか?
ご存じですか?納豆の歴史
私たち日本人と納豆との出会いは諸説ありますが、弥生時代頃に住居内に敷いていた稲わらについていた納豆菌が、こぼしてしまった大豆などの煮豆に付着して納豆へと発酵したという説、平安時代の武将、源義家(八幡太郎義家)が今の東北地方へ遠征に行った際に、熱い煮豆を稲わらに包んで持ち歩き、その際に稲わらについていた納豆菌が、大豆を発酵させてできたという説が有名です。
そもそも納豆菌とは?
どちらの説も、稲わらと煮大豆が出会うことにより納豆ができあがったということですが、なぜなのでしょうか?
納豆は納豆菌という菌が煮豆を発酵させることによりできあがります。
納豆菌は学名をバチルス・サブチリス・ナットー(Bacillus subtilis var.natto)といい、枯草菌という細菌の一種で、稲をはじめ、自然界のさまざまな植物に付着しています。特に稲わらに多く付着しているということですが、びわや杏など、その他の植物からも抽出することができます。
この納豆菌はとても強い菌で、酸やアルカリ、熱にも耐性があり、100℃まで加熱しても死滅することはありません。
そのため、沸騰した湯で茹で、納豆菌以外の多くの菌が死滅した稲わらに煮大豆を包むことで、腐敗することなく、納豆をつくることができるのですね。
納豆の栄養価と効能
よくテレビの情報番組でも特集を組まれるほど栄養価の高い納豆ですが、どのような栄養がふくまれているのか、もととなるに大豆・水煮缶と比べてみましょう。
栄養素/食品名 | 大豆・水煮缶 | 糸挽納豆 | ひきわり納豆 |
エネルギー(kcal) | 140 | 200 | 194 |
たんぱく質(g) | 12.9 | 16.5 | 16.6 |
脂質(g) | 6.7 | 10.0 | 10.0 |
糖質(g) | 0.9 | 5.4 | 4.6 |
ナトリウム(mg) | 210 | 2 | 2 |
カリウム(mg) | 250 | 660 | 700 |
カルシウム(mg) | 100 | 90 | 59 |
マグネシウム(mg) | 55 | 100 | 88 |
リン(mg) | 170 | 190 | 250 |
鉄(mg) | 1.8 | 3.3 | 2.6 |
亜鉛(mg) | 1.1 | 1.9 | 1.3 |
銅(mg) | 0.28 | 0.61 | 0.43 |
ビタミンK(㎍) | 5 | 600 | 930 |
ビタミンB1(mg) | 0.01 | 0.07 | 0.14 |
ビタミンB2(mg) | 0.02 | 0.56 | 0.36 |
ビタミンB6(mg) | 0.01 | 0.24 | 0.29 |
葉酸(㎍) | 11 | 120 | 110 |
食物繊維(総量)(g) | 6.8 | 6.7 | 5.9 |
各100gあたり 日本食品標準成分表2015年度版(七訂)追補2018年より
この表を見ると、多くの栄養素において大豆・水煮に比べ、納豆、ひきわり納豆のほうは栄養量が増えていることがわかりますね。これが納豆菌による発酵の力です。
骨粗しょう症予防、止血作用を促すビタミンK
特に増えているビタミンKは脂溶性ビタミンの一種です。
ビタミンKは、けがなどで出血した際には血液を固める働きがあります。また、骨の代謝を促して、丈夫にする働きがあり、骨粗鬆予防の薬として利用されています。
さらに、動脈の石灰化を食い止める効果も期待できます。
ビタミンKの効果や摂取許容量については、健康長寿ネット様のサイトに詳細が紹介されています。ご参照ください。
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-k.html
循環器系疾患の予防に効果がある葉酸
葉酸は、水溶性ビタミンの1種で、ビタミンB群に属しています。緑黄色野菜に多く含まれているためにこの名があり、DNAの成分の合成を行います。
胎児の健全な発育を担い、妊娠初期の女性に不足がみられると、胎児の神経管閉鎖障害という疾患がみられる場合がありますので、妊娠を望んでいる女性は特に多く摂取しておく必要があります。
また、ビタミンB12とともに赤血球の形成を促す働きがあり、不足すると、巨赤芽球性貧血という悪性貧血の引き金となります。
近年の研究で、葉酸とビタミンB12がともに働くことにより、動脈硬化の引き金となるホモシステインという物質を、メチオニンというものに変化させる働きがあることがわかってきました。これは血中コレステロール値を低下するのではないか、と言われており、虚血性心疾患の予防にも期待が寄せられているところです。
腸内環境改善ほか
強靭な納豆菌は胃酸によって死滅することなく、生きたまま腸まで到達します。また、大豆に含まれるオリゴ糖、食物繊維などが善玉菌のえさとなり、増殖を促します。その結果腸内環境の改善につながり、下痢や便秘の予防、改善に効果が期待できます。
また、私たちの免疫力は腸が担っているといい、腸内環境が整っていないと、花粉症やアレルギーを引き起こしたり、さまざまな感染症にもかかりやすくなったりするといいます。
また、納豆のもとになる大豆には、筋肉のもとにもなる豊富な植物性たんぱく質、女性の更年期障害や骨粗しょう症予防に効果的なイソフラボン、認知症予防が期待できるレシチンなど、多くの栄養素を含んでいます。
納豆を食べるときの注意点
このようにさまざまな栄養素や効能を秘めている納豆ですが、先ほどもご紹介したように、出血を止める効果があるビタミンKを豊富に含んでいます。これは一般の方にはとても大切な栄養素ですが、何らかの疾患で血液が凝固しやすい方の場合は、血栓の生成を促進してしまう可能性があります。
そのため、ワルファリンをはじめとする、血液をサラサラにする効果のある薬の働きが鈍ってしまうことがあるため、注意が必要です。血栓予防の薬を服用している方はかかりつけの医師の指導の上、召し上がってくださいね。
食べすぎにも注意が必要
多くの栄養素や効能があるからといって、納豆をたべているから体には心配がない、ということにはなりません。納豆の原料である大豆は、体質によりアレルギーを発症する可能性もありますし、何事も過ぎたるは及ばざるが如し、です。
健康維持のためにも、普段は栄養バランスのとれた食事をとりつつ、一日あるいは二日に1パックという単位で召し上がってみてはいかがでしょうか?
普段、仕事や介護で忙しかったり、持病や咀嚼・嚥下に不安があったりして、調理が難しい場合は、配食のふれ愛のお弁当を利用するのも、一つの良い方法です。
配食のふれ愛のお弁当は、栄養学を専門に学んだ管理栄養士が召し上がる方のことを想って作った、栄養バランスの整ったお弁当です。
持病による食事制限がある方にも手に取っていただきやすい、たんぱく調整食やカロリー調整食、咀嚼・嚥下に不安がある方にも召し上がりやすいきざみ食、やわらか食やムース食も充実しています。
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苦手でも食べやすい納豆レシピ
納豆入りポテトサラダ
茹でたじゃがいもをつぶして作るマッシュポテトが、納豆の粘りをからめ取り、食べやすくなります。じゃがいもは歳を重ねて胃腸の働きが緩やかになることでおこる便秘の解消に効果がありますよ。
【材料】 2人分
じゃがいも 中2個
納豆 1パック
マヨネーズ 大さじ1~
玉ねぎ 1/8個
塩 1つまみ
【作り方】
1、じゃがいもは皮をむき、芽を取り除いて2cm角程度に切り、沸騰直前の火加減で柔らかくなるまで煮てゆで汁を捨て、から入りして粉ふき芋にする。熱いうちに滑らかにつぶしておく。(または洗ったじゃがいもを濡らしたキッチンペーパーでつつみ、さらにラップフィルムで包んで中心まで柔らかくなるまで電子レンジにかける。熱いうちに皮をむいて芽を取り除き、ボールに入れて滑らかにつぶす。)
2、玉ねぎは薄切りにして塩もみし、水にさらして固くしぼっておく。
3、納豆は添付のタレとマヨネーズを加えてあまり粘りがでないようにそっと混ぜ、(2)の玉ねぎとともに(1)のじゃがいもに乗せる。(マヨネーズを加えることで、納豆の匂いがあまり気にならなくなります。)
4、中心から半分に切っては重ねるようにしながら混ぜ、全体を均一に混ぜる。
※咀嚼・嚥下に不安がある場合
ポテトサラダはホクホクとした仕上がりだとのどに詰まる可能性がありますので、スープまたは牛乳・豆乳などの水分で適宜伸ばしてください。納豆は包丁でつぶすか裏ごししてから、ポテトサラダにぽつぽつと落としてください。
納豆とネギのカレー風味焼き
納豆の味や匂いが苦手な方も多い一方、カレーがお好きな方は多いですね。カレーやねぎの強い香りや味で納豆独特の味をマスキングし、油を少し多めに使って焼くことで香ばしい香りをプラスすることができます。
【材料】 2人分
納豆 2パック
ネギ 2本
薄力粉 大さじ2
カレー粉 小さじ1/2~
(辛さを確認し、加減してください。)
サラダオイル 大さじ2
【作り方】
1、ネギは小口に刻んでおく。
2、ボールに納豆を入れ、添付のタレ、(1)のネギを加えてさっくりと混ぜる。
3、薄力粉、カレー粉を(2)のボールにふるい入れ、よく混ぜる。粉気が残るようなら水を少量ずつ加減しながら加え、ぽってりと落ちる程度の方さに調整する。
4、フライパンにサラダオイルを熱し、(3)をスプーンで落とし、薄めに伸ばして両面をこんがりと焼く。
納豆入り麻婆豆腐
カレー粉と同様、豆板醤などの香りや味の強いものには納豆の香りや味を上手にマスキングする力があります。今回は豆腐も加え、大豆の栄養を2種類の姿でとることができるメニューに仕上げました。納豆がお好きな方は納豆を2パックに増やし、ひき肉を減らしていただいてもおいしくできます。お試しくださいね。
【材料】 2人分
納豆 1パック
豚ひき肉 100g
玉ねぎ 1/4個
しょうが 1/2かけ
豆腐 1丁
ごま油 大さじ1
豆板醤 大さじ1~
(辛さはお好みで加減してください)
鶏ガラスープ 150cc
(市販の鶏がらスープの素を規定通りに薄める)
しょうゆ 適宜
ニラ 2~3本
水溶き片栗粉 大さじ1
【作り方】
1、玉ねぎ、しょうがはみじん切りに、ニラは小口に切る。
2、豆腐は2cm角に切ってからさっと湯通しするか、キッチンペーパーにくるんで重しをのせ、冷蔵庫で30分程度水切りしてから、2cm角に切る。
3、フライパンにごま油、(1)のしょうがのみじん切りを入れてから火にかける。
4、しょうがの香りが立ってきたら豚ひき肉を入れて炒め、8割がた火がとったら(1)の玉ねぎを加え炒める。
5、玉ねぎがしんなりとしてきたら豆板醤を加えてさらに炒め、鶏ガラスープを加えて煮立てる。
6、(5)が沸騰してきたら(2)の豆腐を加えて温める程度に煮て、しょうゆ適宜で味を調える。納豆を加え、必要に応じて水溶き片栗粉でとろみをつける。
7、(1)のニラを加えてひと混ぜし、器に盛る。
『食べやすい納豆レシピ』まとめ
大豆を発酵させて作る納豆、私たちの目では見ることができないほど小さな納豆菌の力で、大豆そのものの栄養素や効能がさらにパワーアップし、胃腸の働きが緩やかになっている高齢者様でも食べやすく、消化吸収しやすい姿に変わっています。
今回のレシピは、できるだけ納豆の味や香りが目立たないように工夫をしましたが、苦手意識が少なくなったときには、納豆そのものを味わってみてくださいね。
添付のタレだけでなく、塩やポン酢、たたいた梅干し、七味唐辛子などで味付けしてもおいしいものですよ。