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季節の養生 介護食レシピ ~腎臓病が心配な方にも  夏にとどけたい 離れて暮らす両親に届ける作り置き~

作成日:2019年6月10日

こんにちは!配食のふれ愛のコラム担当です!
栄養バランスのよい食事をとりたい方へ、お弁当の無料試食はこちらから!

季節の養生 介護食レシピ ~腎臓病が心配な方にも  夏にとどけたい 離れて暮らす両親に届ける作り置き~

腎臓の働き

濾過機能

私たちの身体は、常に細胞が入れ替わっていますね。この新陳代謝の働きにより、体内には多くの老廃物が生じています。これらは血液中に溶け込み、腎臓を通過するときに濾しとられ、尿として排泄されています。

このとき、健康な腎臓からは老廃物のみが濾しとられるのですが、腎臓病にかかってしまうと血液の成分や糖分をも老廃物と共に排泄してしまうようになります。

子どものころから、腎臓病の有無を調べるために尿検査を受けたことと思います。

これは尿の中に通常排泄されるべきではないタンパク質や血液成分、糖分などの混入の有無を調べ、腎臓病の発見につなげているのです。

血圧のコントロール

腎臓と血圧?血圧は心臓に係るものではないの?と思われたことと思います。

ですが、実は腎臓も血圧の調整役も担っています。

先ほどもお伝えしたとおり、腎臓は血液の濾過機として機能しています。もちろん、塩分も濾過しています。血圧が高くなっている時は塩分や水分を排泄して血圧を下げ、逆に血圧が下がってしまっている時は塩分や水分の排泄量を控えることにより、血液量の減少を防いで血圧を上げているのです。

ホルモンのコントロール

このように血圧をコントロールする指示書の役割をするのが、腎臓から発生するホルモンの力です。血圧を上げる「レニン」、血圧を下げる「プロスタグランディン」と言います。

高血圧症は生活習慣病としてしられていますが、単に心臓のケアをするだけではなく、腎臓のケアも大切だということですね。

その外に、骨髄を刺激して赤血球を作る指示を出すホルモン「エリスロポエチン」を、必要に応じて出すのも腎臓のもつ大切な役割の一つです。

腎臓病には食事療法が必要

食事で注意すべき点

ひとくちに腎臓病といっても、さまざまな症状がありますが、いずれにしても食事療法が必要になってきます。病院で医師や管理栄養士から、個々の病状にあわせた食事療法の指示がでていると思います。病院からもリーフレットなどの配布があることと思いますが、今一度確認してみましょう。

また、腎臓病の患者会組織「全腎協」様のインターネットサイトにも情報が出ています。
https://www.zjk.or.jp/ ご参考に、検索してみてくださいね。

塩分を減らす

腎臓に大きな負担をかけないようにするには、塩分の摂取量を控える必要があります。

日本人は塩分摂取量が総じて多いといわれています。一日に3g~6gに抑えられるよう、工夫が必要ですね。

まずは食材選びです。干物やハム、ソーセージなどの加工食品、市販のお惣菜、インスタントラーメンなどには意外に多くの塩分が含まれています。

最近は減塩をうたっているものも多く見受けられますが、加工食品を利用するときには、パッケージの裏側の含有塩分量(ナトリウム量)を確認しましょう。

また、炒め物や煮物は調味液に塩分が多く含まれています。調理した際にフライパンや鍋に溜まっている煮汁などは、盛りつけ時にはすべてを器に入れてしまうのではなく、できるだけ具材のみをすくい上げて移すことで、減塩につなげることができます。

ラーメンやうどんなどのスープ、出汁も、すべては飲まずに残すとよいですね。

主な調味料100gあたりの食塩含有量(単位:g)

みそ(麦みそ)10.7薄口しょうゆ16.0
みそ(豆みそ)10.9濃口しょうゆ14.5
赤みそ13.0オイスターソース11.4
白みそ12.4ウスターソース8.4
白みそ(甘口)6.1トンカツソース5.6

タンパク質の摂取を控える

タンパク質も、腎臓の濾過機能を疲弊させてしまうことがあります。そのため、病状によっては摂取制限が必要な方もあることと思います。

タンパク質は、肉類、魚介類、卵や乳製品のほか、大豆をはじめとする豆類や納豆、豆腐などの大豆加工品、パンや麩をはじめとする小麦製品にも多く含まれています。

現在は様々な低たんぱく食品も販売されています。摂取できるタンパク質の量は各々の状態により違いますので医師の判断を仰ぎ、使用方法の相談をするとよいですね。

カロリーはやみくもに下げてはいけない

一日に摂取する総カロリー量が少なすぎると、体は体内にあるたんぱく質を分解し、そこからエネルギーを生産しようとしはじめます。
このような体の働きも、腎臓には大きな負担となりますので注意が必要です。

肥満や糖尿病など、ほかの疾患もあり、医師より摂取カロリーの制限を受けている高齢者にはおすすめできませんが、油脂や糖分、穀類を増やしてみましょう。

カリウム制限がある方も

カリウムは体内に溜まった水分を排泄する働き、余分な塩分を体外に排泄する働きがあります。

しかし、腎臓の機能が低下していると、血液中にカリウムが残ってしまい、高カリウム血症を引き起こしてしまうことがあります。医師よりカリウムの摂取制限を受けている場合は注意が必要になりますね。

カリウムはバナナ、メロン・キュウリなどの夏野菜、フルーツ、いも類や海藻類に多く、また、サワラなどの魚介類にも多く含まれています。

こうみるともう食べられるものが無いかのように見えますが、カリウムは水溶性のミネラル成分なので、なるべく小さく切って水にさらすことで、含有量を減らすことができます。ちょっとしたひと手間で利用できるようになりますね。

水分の摂りすぎにも注意が必要

腎臓病の症状の一つに「むくみ」があります。

これは腎臓の濾過機能の低下により、体液の量をうまく調整できなくなるためにおこることです。

医師から、水分の摂取量についての指示が出ている場合は、水分そのものの摂取量を減らすだけでなく、のどが渇きやすくなる塩分の摂取量の調整や、室内の温度・湿度などにより大量の汗をかかないようにする工夫も必要になりますね

夏に届ける作り置き

食中毒には注意が必要

気温が高くなる夏には、作り置きを届けるには特に注意が必要です。

食中毒の原因菌が増えてしまっている食材からは、必ずしも腐敗臭がしたり、水が出たりと目でみて判断できるものばかりではありません。見た目は何ら変わらないにも関わらず、食中毒菌が増殖していたり、毒素が生産されていたりします。

加熱調理した食品はファスナー付きのビニール袋に入れて氷水に当てるなどして、できるだけ早く冷まし、冷蔵または冷凍で保管して下さい。

離れていても届けられるお弁当も利用して

宅配便などを利用して届けたものを、すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れてもらえるか不安な場合は、配食のふれ愛のお弁当を利用するという方法はいかがでしょうか?管理栄養士が普通食はもとより塩分制限食をはじめ、たんぱく調整食、カロリー調整食など多くのメニューを考案したお弁当です。

原材料にもこだわり、高齢者の状態にあわせてきざみ食、極小のきざみ食にさらにとろみをつけたものやムース食など、さまざまな種類のお弁当から選ぶことができます。全国に店舗がありますので、離れてくらしているご両親のために頼んで届けてもらう、ということもできますね。

継続してオーダーされるようになると、配達員さんが訪問することにより、安否の確認も容易になります。今なら無料試食キャンペーン中ですので、お試しくださいね。

冷蔵に向くメニュー

それでも、やはり時には台所に立ってもらいたい、と思う時には、下ごしらえ置きを届けたいですね。

冬瓜の含め煮

冬瓜の含め煮
冬瓜は夏の火照った体の熱を冷やし、むくみをとってくれる食材です。

暑いけれどエアコンは冷えすぎて関節などが冷えてしまう方、むくみが出てしまっている方は、体を冷やす効果のある食材で暑気払いをすることをおすすめします。

かつおと昆布をしっかりと効かせた出汁で煮ることで、塩分摂取量も控えることができます。また、冬瓜はとても柔らかいので、咀嚼に不安がある方にもよいですね。

なお、冬瓜は生の状態で100gあたり200mgのカリウムを含みます。高カリウム血症の方は小さく切って調理し、ゆでこぼす際にしばらく水にさらすなどしてみてくださいね。

【材料】 2人分
冬瓜200g
鰹昆布だし300cc
ひとつまみ
しょうゆ小さじ1

【作り方】

1、冬瓜は一口大に切り、皮をむく。

2、皮をむいた部分に鹿の子の隠し包丁を入れる。

3、鍋に水と冬瓜を入れ、下ゆでする。30分程度炊いて柔らかくなれば一度ゆでこぼす。

カリウムの摂取が気になる場合は、ここでしばらく流水にさらす。

4、鍋にかつお昆布だしを入れる。塩、しょうゆを加え、味を整えて沸騰させ、(3)の冬瓜を入れて10分程度にて味を含ませる。

5、ボールに移し、氷水に当てて冷ます。

6、冬瓜が空気にふれないように、だしに漬けたまま密閉性の高い保存容器に入れて届ける。

※食材は空気にふれた部分から腐敗していきます。全体が出汁に使っているように、フリーザーバックなどは空気を抜いて密閉してください。

冷凍に向くメニュー

暑くなるとどうしても肉類が重すぎて食べられないという方もいらっしゃいますね。今回は、紅茶の香りでさっぱりと炊いた豚肉を、酢やみりんをしっかりと使い、しょうゆ(塩分)を控えられるレシピに仕上げました。

豚肉の紅茶煮

【材料】 2人分
豚かたまり肉300g
(バラ、肩ロース、またはロース肉)
紅茶ティーパック2つ
しょうゆ50cc
50cc
みりん30cc

【作り方】

1、豚かたまり肉は脂肪分が多すぎる場合は取り除く。または隠し包丁を入れるか竹ぐしで突いて穴をあけ、タコ糸でしばり、形を整える。(こうすることにより、脂が溶け出しやすくなります。)

2、鍋に水と紅茶のティーパック、(1)の豚かたまり肉を入れ、火にかける。

3、沸騰直前で火を弱め、ごく弱火で中心まで火が通るまで、30分程度かけてじっくりと煮る。

4、密閉できるファスナー付きのビニール袋などにしょうゆ、酢、みりんを入れ、(3)の肉を入れて、できるだけ空気が入らないように袋を押しつぶすようにしてファスナーを閉じる。

5、(4)がひと肌程度に冷めたら薄くスライスし、再度フリーザーバックに入れて薄く並べ、冷凍する。

6、食べる時は(4)のつけだれを利用するとよい。

※薄くスライスする時は、冷めてからの方が切りやすいです。肉の繊維に垂直に切ると柔らかく食べやすくなります。

※咀嚼・嚥下に不安がある場合※

豚肉は細かく切り、つけだれを同量の湯で割ったものに漬けて冷凍する。(茹で汁に漬けておくとお茶の渋みが強く出て食べにくくなります。また、細かく切ったものをつけだれに漬けてしまうと味が濃くなりすぎるので、湯で薄めたものを利用してください。

まとめ

暑い時は離れて暮らすご両親の体調が、いつもに増して気になるものですね。どちらかお一人が要介護の場合、しかも、持病などで食事に制限がある場合はなおさらだと思います。

調理の負担を少しでも軽減できるように、下ごしらえ置きがあると、気持ちが少し楽になることと思います。

また、下ごしらえ置きの代わりに毎日3食とまではいかなくても、配食のふれ愛のお弁当を届ける手配をしてあげるというのも、体調にあわせて選べる栄養バランスも整った食事をすぐに食べることができ、とても喜ばれることと思います。

ご家族の状況にあわせてご利用くださいね。

この記事の提供元:シルバーライフ

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