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湿度が高い梅雨はカビが発生しやすい季節です。カビは、食品や衣類、住宅などさまざまな場所に発生しますが、放置しておくとカビを吸い込んでアレルギー症状や感染症などを引き起こして健康に影響を与える場合もあります。梅雨の時期に気をつけたいカビ対策についてご紹介します。
◆梅雨に気になるカビについて
カビは、微生物の仲間で専門的には「真菌」と呼ばれます。空気中には多くのカビが漂っており、食品や壁などに付着してその表面の水分や栄養を利用して増殖していきます。カビにはさまざまな種類があり、日本では古くからカビの力を利用して味噌やしょうゆ、日本酒などの発酵食品を作ってきました。
また、抗生物質などの薬を作る際にもカビが活用されています。人にとって有用な働きをするカビがある一方で、人に有害な影響を及ぼす毒素を出すカビも存在します。このようなカビは食品を腐らせたり住宅に被害があるだけでなく、放置しておくと人の健康にも影響を及ぼす可能性があります。
日本でよくみられるカビは、青カビ、黒カビ、赤カビ、白カビ、ススカビなどです。カビには発生しやすい条件があり、湿度・温度・栄養源と3つの条件がそろうと生えやすくなります。気温が25度〜30度で湿度60%〜80%の暖かく湿度が高い環境で最も活発に増殖します。
6月〜9月ごろはカビが発生しやすい気温で、特に梅雨の時期は気温が20度以上あり、雨の影響で湿度も高くなることからカビにとっては好条件となります。そこに、ホコリや食べ物のカス、髪の毛や皮脂汚れなど、カビの栄養源が加わるとどんどん増殖していきます。この3つの要素のうち1つでも要素を取り除くことができればカビの発生を抑制することができます。
◆カビは健康にも影響がある?
カビの胞子を吸い込んでしまうことでアレルギー症状や感染症を引き起こすことがあります。
健康への影響:アレルギー性鼻炎
カビやダニなどのハウスダストや花粉などのアレルゲン物質を吸い込むことで、くしゃみや鼻水、鼻詰まりを引き起こします。エアコンの内部にはカビが発生しやすく、エアコンをよく使用する夏や冬に症状が現れる方もいます。
健康への影響:夏型過敏性肺炎
カビやホコリなどを繰り返し吸い込むことによって起こるアレルギー性の肺炎で、湿度が高い6月〜10月ごろに発症することが多い病気です。咳や息切れ、発熱などの症状が現れます。日本では、トリコスポロンという真菌が原因となる過敏性肺炎が多いと言われています。
健康への影響:シックハウス症候群
住宅建材から発生する化学物質やカビ、ダニなどを吸い込むことによって頭痛や吐き気、喉の痛み、鼻水、湿疹などの症状が現れます。
健康への影響:感染症(水虫、タムシ)
水虫は白癬菌というカビが皮膚や爪などに感染して起こる病気です。皮がむけてただれる、水疱ができる、角質が厚くなるなどの症状が現れます。足にできれば水虫、体にできればタムシと呼ばれます。
他にも、アスペルギルスというカビの胞子を吸い込むことによって、アスペルギルス症という呼吸器に障害を起こす病気を発症することもあります。アスペルギルスは家庭にも存在しているカビで、健康な方が吸い込んでも感染しませんが、免疫力が低下している方は感染しやすいと言われています。
健康への影響:中毒(腹痛、下痢、嘔吐)
穀類や豆類、とうもろこしなどに発生するカビにはかび毒を生み出すものが存在します。かび毒が含まれている食材を食べることで、腹痛や下痢、嘔吐などの症状が現れたり、がんの原因になることもあります。カビ毒は熱に強いものが多く、加熱しても取り除くことが困難です。
◆カビ対策に効果的な方法は?
カビが発生しやすい場所は、キッチンやお風呂、洗面所、トイレなどの水回りです。また、クローゼットや靴箱の中、タンスなど大きな家具の裏側、洗濯機の中など、風通しが悪い場所でも発生しやすくなります。
カビが発生してしまった場合は、塩素系の漂白剤や市販のカビとり剤、エタノールなどを使用して取り除きます。カビの発生を予防するには、カビが発生しやすくなる湿度・温度・栄養源がそろわないようにすることが大切です。
・こまめに換気をする
カビは湿気がたまりやすい場所に発生します。カビは湿度が60%以下になると活動が弱くなるので、部屋の湿度を下げることが大切です。部屋の中に湿気がたまらないように天気の良い日は窓を開けて空気の入れ替えをすると効果的です。風通しの悪い場所では扇風機を使って風を循環させるのもおすすめです。
靴箱やクローゼットの中は空気がこもりがちなので、定期的に空気の入れ替えをすることもカビ予防に効果的です。お風呂場は、高温多湿で皮脂汚れなどの栄養源もありカビが発生しやすい場所なので、換気扇を回してしっかりと換気を行いましょう。除湿機や除湿剤などを使用することも効果的です。
・水回りの掃除をこまめに行う
キッチンやお風呂、洗面所、トイレなどの水回りはカビにとって増殖しやすい条件がそろっています。キッチンでは食材のカスや油ハネなどがカビの栄養源となります。お風呂や洗面所などでは髪の毛や皮脂汚れ、石鹸の残りカスなどもカビの栄養源となるので、こまめに掃除を行い清潔に保つことが大切です。
また、カビは水がないと増殖できないので、使用後に水滴を拭きとることも有効です。
・エアコンの掃除を行う
冷房を使い始める季節ですが、エアコンの内側はカビが発生しやすい場所でもあります。掃除をせずに使用すると部屋中にカビが広がってしまうことになるので、エアコン本体とフィルターの掃除は定期的に行いましょう。
・部屋干しをする場合は除湿機を使用する
梅雨時期は洗濯物を室内に干すことも多いですが、部屋干しをすると湿度が高くなりカビが発生しやすくなります。部屋干しをする場合は、除湿機やエアコンのドライ機能を使用して湿度を下げるとカビ予防に効果的です。
・寝具は定期的に天日干しをする
敷布団やベッドのマットレスなどの寝具は寝汗で湿気がたまりやすく、さらに髪の毛やフケなどが栄養源となりカビが発生しやすい場所です。シーツは1週間に1度は洗濯し、敷布団は定期的に天日干しにするとカビ予防になります。
ベッドのマットレスは天日干しが難しいですが、壁に立てかけて風を通すだけでも効果的です。敷布団やマットレスの下に敷いて使用する除湿シートを活用するのもおすすめです。
・タンスは壁から離して置く
タンスや食器棚などの大きな家具は壁にピッタリとつけて置くと、風通しが悪く裏側にカビが発生する原因になります。家具は壁から少し離して置くことで風通しが良くなりカビ予防に効果的です。また、タンスやクローゼットの中にぎゅうぎゅうに服を詰め込んでいると風通しが悪くカビが発生する原因になるので、ゆったりと収納することも大切です。
・食材は適した方法で保存する
パンやもちなど食品に生えたカビは表面を取り除いても中にカビが残っている場合があるので食べないようにしましょう。カビを発生させないためには、食品ごとに適した方法で保存することが大切です。袋に書かれている保存方法を確認し、開封したものは早めに食べ切るようにしましょう。野菜や果物は表面の水気を拭き取ってから保存すると効果的です。
◆健康維持に宅配弁当も活用しよう!
カビを放置しておくと見た目が悪いだけでなく、健康にも影響を及ぼす可能性があります。日本はどうしてもカビが発生しやすい気候ですが、こまめな空気の入れ替えや掃除を心がけてカビ対策を行いましょう。
湿気が多くジメジメとした季節は体調を崩してしまいがちな季節でもあります。健康な体を作るためには栄養バランスのいい食事を継続することが大切です。栄養バランスのいい食事とは、体を維持するために必要な炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルがバランスよくとれる食事のことです。
栄養バランスを整えるためには一汁三菜で献立を考えると自然とバランスが整いますよ。
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