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2000年の介護保険制度が始まる前、高齢者向けの施設は限られた民間団体が運営するところか、行政が運営するところがほとんどでした。
しかし、介護保険制度が始まってからは、民間の団体を始め、これまで高齢者向け施設や介護とは関係のなかった企業が参入してきています。
そのため高齢者が安心して暮らすことのできる施設が増えているいっぽうで、増えすぎて自分に合った施設を選ぶポイントがわからないという方もいらっしゃることでしょう。
今回は、このような悩みを少しでも解決していただくために、安心して暮らす高齢者ホームの選び方を紹介していきます。
目次
入居までの流れを知ろう
はじめに、高齢者向けホームへ入居するまでの流れを知っておいてください。この流れを知ることで、ホームを選ぶ基準が明らかになってくることでしょう。
目的は何でしょうか?
いきなりホームを探して検討する方もいらっしゃいますが、それよりも先にやっておくことがあります。
それは、「どうして入居するのか」ということです。
入居を考える理由は様々です。
・要介護が重度になったため、在宅と家族だけでは難しくなった
・在宅では治療できない疾患が出てきた
・家族のリフレッシュのため一時的に施設へ入る
・元気だが将来のことを考えて入居を考えている
・夫婦二人で一軒家に住むのは大変になってきた
・一人暮らしになったので、もしもの時に不安がある
他にもあると思いますが、こうやって目的をはっきりしておくことで、今後ホームを選ぶときの基準が見つかります。
例えば、疾患の治療が必要であれば、ホームで医療行為を任せられるところになるでしょう。一時的な入居であれば、2~3週間の滞在が簡単にできるところを探すことになります。
「元気だけれど不安もあるので」という方なら、介護や医療はひとまず置いておいて、自由度が高く楽しんで暮らせる場所が必要です。
こういったように、目的にあったホームを選ぶためにも、最初の質問の答えを考えてみてください。
資金計画を立てていますか?
目的がわかったところで、次はホームへ入居するのに必要な費用を考えましょう。
ホームへの入居には、次のような資金計画が必要となります。
入居前にかかる費用 | 入居一時金など |
入居に必要な備品などの購入費 | |
入居後にかかる費用 | 住居費 |
食費 | |
介護費用 | |
医療費 | |
入居者へのお小遣い | |
家族にかかる費用 | ホームまでの交通費など |
また、突然の病気やケガが起こった場合には、治療費や入院費が必要になることも考えておきましょう。
ホームにはパンフレットが用意されていますので、おおよそいくらくらいの費用が必要なのかを知ることができます。しかし、パンフレットに掲載されている費用だけでは済みません。少し余裕を持った費用を考え、今後の資金計画を立てることが望ましいです。
ホームを探して検討
資金計画が立てられましたら、いよいよ具体的にホームを探して検討しましょう。
まず最初から闇雲にホームの資料を取り集めるよりも、近くのわかりやすいところの情報から手に入れていくのが良いでしょう。
・お住まいの自治体窓口
・介護相談がしやすい地域包括支援センター
これまでの経験から喜ばれている方が多いホームを教えてもらい、そこの資料を手に入れ、良いと言われている場所の基準を知るようにします。
そして、次に探す方法はというと、今の時代インターネットを使うことで簡単に検索することができます。
インターネットで検索した内容を見て、気になるところへは連絡して資料を送ってもらうと楽に必要な情報を集めることができます。
また、ご近所の方や知人などから聞いた良い噂を元に、ホームへ連絡して資料を取り寄せることもお忘れなく。
そして新聞を取っておられるのなら、地域版に紹介されるホームも検討の中に入れておくと良いでしょう。
もっと行政寄りの情報が信頼できると考えておられる方なら「お住まいの自治体ホームページ」または、
・公益社団法人全国老人保健施設協会
http://www.roken.or.jp/
・公益社団法人全国老人福祉施設協議会
http://www.roushikyo.or.jp/contents/
・公益社団法人全国有料老人ホーム協会
http://www.yurokyo.or.jp/
などの組織へ問い合わせることも考えてみてください。
見学と体験は必須
資料を取り寄せて検討すると、何件かのホームが候補に上がってきます。そうしたら次の行動へと動きましょう。
次の行動とは、引っ越しをするときにお部屋やお家を探すのと同じように、ホームへ直接足を運んで見学することです。
パンフレットなどの資料だけではわからないことが必ずあります。例えば、
・資料の住所を見ると自宅から近い場所だが、実際に車や電車で移動すると遠回りになって1時間以上も掛かった
・パンフレットの写真はキラキラとして明るく元気がいっぱいな雰囲気だったけれど、実際に見てみると暗い印象を受けた
・パンフレットではあまり期待していなかったけれど、実際に足を運ぶとスタッフさんも入居者の方も明るく楽しんで暮らしておられた
このように実際に見ることで良い部分とそうでない部分がわかります。またこういったことは、本人や家族が受ける個人的な印象でもあるため、実際に体験してみないと判断できないことなのです。
さらに、ホームによっては数日の体験入居ができるところもあります。見学で知った一時的なことだけではなく、先輩入居者と一緒に試しに暮らすことで
・自分が住みやすいと感じられる環境か
・自分が安心できるスタッフの対応なのか
・食事の内容は自分の許容範囲か
という、これからの暮らしに大きく関わる部分を実体験から知ることができます。
契約する前にもう一度確認
見学や体験を通して、入居するホームを決めました。次はホームとの間で「契約」を行うことになります。
でも、あわてて契約しないでください。次のポイントをもう一度しっかり確認しながら契約書を見るようにしましょう。
(1)サービスの内容
ホームで提供されるサービスは、本人や家族が望んでいる内容となっているのか。介護が必要なのに、介護サービスが無いのでは困ります。定期的な病院での診断が必要なのに「医療サービスは家族で行ってください」では、在宅介護と変わりません。
曖昧な内容や、理解しにくいこと、わからないことは確認しましょう。わからないのが普通ですから恥ずかしく感じることはありません。
(2)費用も再確認
入居一時金から入居後に必要となる費用。家族が面会にいくときのコスト。うっかり忘れていると後からジワジワと家計の負担になってきます。
(3)面会の条件
ホームによって面会に関する条件が決まっています。
・時間
・場所
・事前連絡の有無
また、面会時には他の入居者の方もいらっしゃいますから、どういった対応をするのが良いかも聞いておくと安心です。
(4)持ち込めるもの、持ち込めないもの
ホームへ持ち込めるものと持ち込めないものを聞いておきましょう。
本人にとって大切な品を身近に置いておけないのでは、寂しい思いをされるでしょうし、気になってしたがないという方もいらっしゃいます。
また、モノ以外に「お金」もいくらまで持ち込めるのか確認しておきたいですね。防犯や入居者同士のバランスも関係しますので知っておきたいことです。
(5)退去の条件
高齢者向けホームは、一度入居すると住み続けられると考えておられる方もいらっしゃいますが、そんなことはありません。
意外にも厳しい退去に関する条件になっているところもあります。例えば、
・入居者同士での問題が多いと退去しないといけない
・介護が必要になったら退去しないといけない
・医療が必要になったら退去しないといけない
費用が払えないという理由以外にも、ホームによって様々な退去条件があります。入居を考えているときには退去のことまで気が回りにくいものですが、かならずチェックしておくべきポイントです。
そして、退去する場合の手続きや、退去に必要な費用があるのかどうかも合わせて確認しておきましょう。
入居の流れ
契約がおわりますと、いよいよ入居に向けた準備が始まります。これまで引っ越しを経験された方ならわかると思いますが、ホームへの入居は引っ越しと同じ段取りです。
・持って行くもの、持って行かないものの整理
・ホームの部屋に合わせた足りない備品の用意
・部屋に備え付けられていない収納スペース
契約するときに、もう一度部屋の中を確認させてもらい、できれば引っ越しと同じように間取りや窓の寸法を測っておくと、必要なものを揃えるときにぴったりで使いやすいものを選びやすくなります。
ホームの選び方
入居までの流れを見てきました。それではここからはホームの選び方について紹介していきます。
自分らしさを受け入れてくれるか
いくら外からの雰囲気が良くても、本人や家族が関わりにくのでは楽な気持ちで暮らすことは難しいものです。そこで次のポイントを確かめて、自分たちに合っているのか考えましょう。
(1)自分のモノは持ち込めるのか
持ち込みの制限が厳しいところもあります。思い出の品や大切なモノが持ち込めないと大変残念な気持ちになります。見学のときなどにも確認しておきましょう。
(2)面会の方法や時間
面会の方法は、それぞれの部屋で良いのか、スタッフの目が届くところの方がホームとしては良いのか確認しておきましょう。
また、面会に関して大切なのは時間です。何時から何時までOKなのかは重要です。
そしてもう一つ、最近は用意されていることが多いですが、家族が面会に行ったときに使う駐車場も念のため確認しておきましょう。
(3)外出に制限はあるのか
面会に行ったとき一緒に外出するのも楽しみです。しかしホームによっては事前に外出申請が必要な場合もあります。
(4)食事の内容
食事は好みがはっきり出るところです。また、面会に行った家族と一緒に食事ができるのかどうかもポイントです。
(5)レクリエーション
レクリエーションが多いから良い、少ないからダメということではありません。本人がレクリエーションに前向きならストレス軽減や入居者同士の交流も含めて多い方が良いでしょう。
しかし、あまり好きではない。交流も必要なだけが心地よいという方もいらっしゃいます。
レクリエーションはあっても良いですが、スタッフに参加する・しないと自由に言える雰囲気があるのかが大切です。
立地条件は暮らしを変えます
どのような立地条件が落ち着くのかは人それぞれです。都会で育ち暮らした方なら、夜になるとシーンとなり、外を見ても真っ暗な景色はなんだか落ち着かないことでしょう。
反対に、静かな環境で育ち暮らした方は、夜になっても近くの建物の電気が灯ったまま、何時でも車が走っているという環境では、リラックスして暮らせないかもしれません。
そして立地条件は家族にも影響します。家族が住む場所から行きにくい立地条件にホームがあった場合、交通費も移動時間もかなり必要になってしまいます。
「週末にちょっと行こう」ではなく、毎週末小旅行を繰り返すことにもなりかねません。
本人が安心できる環境。家族が関わりやすい距離を考えて立地条件を判断してください。
設備へのこだわり
ホームでは「安全」「住みやすさ」の2点が必須です。
・バリアフリーになっているか
・手すりはあるのか
・トイレや浴室は安全なのか
・スロープの勾配は車いすでも自分で移動できるのか
・部屋の日当たり
・個室かどうか
・食堂の雰囲気
毎日のことなので、こだわっておきたいですね。
スタッフとの相性
ホームで働いているスタッフさんとの相性も大切です。
明るく元気なのは良いですが、その明るさや元気良さが本人にとってはうれしいのかどうかが肝心です。
見学や体験入居のときにもチェックしておきましょう。
先輩たちとの相性
ホームの良さは、先輩入居者の表情や話し声を聞くとわかります。
スタッフとの関わり方は和やかな雰囲気でしょうか。
入居者同士は楽しそうでしょうか。
スタッフも先輩たちも、みんな人間ですから全員と相性が良いわけではありません。でも、全体的に見たとき「活き活きと暮らしていらっしゃるな」と感じられるかどうかは重要です。
まとめ
高齢者ホームは、今後も増えていくことでしょう。そのため、いざ選ぼうと考えても多すぎて選べないということになってしまいます。
そこで、今回の内容を参考にしていただき、目的や資金、介護や医療の有無を含めて、どのようなホームが自分たちにあっているのかを知ることからはじめてください。
そうすることで、多すぎる数に圧倒されなくなり、必要なサービスを適切に受けることができるホームを見つけることができるでしょう。
また、ホームでの暮らしには食事の問題が出てきます。味付けや見た目の違いから馴染めないと思っている方もいらっしゃいます。そこで、在宅のときから介護食もある宅配弁当で少しずつ外の味に慣れておくのはいかがでしょうか。
好みの範囲が広くなると食事の楽しさも広がりますし、体に必要な栄養素を取り入れられる食材も増えていきますから、健康な体を維持することにもつながります。