こんにちは!配食のふれ愛のコラム担当です!
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高齢になると、喉の渇きを自覚しにくくなり、水分の摂取が減ってしまいがちです。さらに、夜中にお手洗いに行くことに不安があると、就寝前にわざと水分を取らないことも。暑い夏には特に、これらがかくれ脱水症をひきおこしてしまっていることがあります。
今回は熱中症の初期症状とも言えるかくれ脱水症を予防するためにおすすめの食材と料理をご紹介します。
目次
脱水症とは?
年齢による体内水分量の違い
私たちの体は多くの水分を維持しています。小児は体内の水分量が約80%、成人で60%、高齢者は約50%、生命を維持するために、水分は必要不可欠なものなのですね。
赤ちゃんや幼児の肌はとてもなめらかでぴちぴちと張りがあり、しっとりと潤っていますね。そして、よだれかけが必要なほどに、口の中も潤っています。
しかし、成長とともに私たちの体内にとどまっている水分の割合は減っていきます。
体内の水分はどこにどのような形で蓄えられている?
では、体を構成している水分とはいったいどこにどのように存在しているものをさすのでしょうか?
中医学では津液とも言い、具体的には血液やリンパ液、胃液などの消化管にある水分、組織間液や関節の軟骨に含まれるコラーゲンなどが抱えているものも含みます。
これらの水分は、湿度が高く代謝が落ちる梅雨時には、各組織が抱えきれないほどに増えてしまい、むくみの症状の一つとして私たちを悩ませるものでしたが、暑く乾燥した夏になると、今度は不足してしまい脱水症状を引き起こします。
体内の水分の成分と不足時の弊害
このように体の各組織に存在している水分ですが、単なる「水」ではなく、ナトリウムやカリウム、カルシウムなどの電解質、脳や体の活動源となるブドウ糖、筋肉のもととなるたんぱく質や、各部位から出た老廃物である尿酸など、さまざまな成分から成り立っています。これらがスムーズに流れることにより、私たちの体は健康を維持しているのですね。
しかし、水分補給がうまくいかず、脱水症状になると、体が単に乾いてしまうだけではなく、上記電解質やその他の成分も体の中を巡ることが難しくなったり、老廃物の排泄も困難になったりしてしまいます。
脱水症と熱中症
私たちの体は外気温の影響や運動をすることで体温が上がると、汗をかくことによって体温を下げようとします。しかし、さまざまな理由でかくれ脱水症になっている時は、体は今ある水分の流出を止めようとします。すると、どれだけ暑さを感じていようと汗をかくこともできなくなります。
このことが熱中症を引き起こす原因の一つとなっているのです。熱中症を引き起こしてしまうと、さまざまな臓器、特に脳に大きなダメージを与えてしまうので注意が必要です。
厚生労働省は、「一日にコップの水をあと2杯飲めば一日に必要な水の量を概ね確保できる」とし、脱水やエコノミー症候群のような症状を予防できるとしています。これは高齢者のみに向けての発信ではないですが、脱水が引き起こす熱中症を予防するためにも大切ですね。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/nomou/index.html
かくれ脱水症の症状を見極める
では、具体的にはかくれ脱水症とはどのようにして発見できるのでしょうか?
下記に主な症状をまとめてみました。
今までは何ともなかったのに、急にこのような症状が出てきた場合、注意が必要です。
・口が渇き、ねばつき感がある。
・パンやせんべいなど、乾いた食べ物がうまく飲み込めない。
・便秘、尿量の減少
・肌や髪が乾燥する。
・唇の皮がめくれたり割れたりする。
・ドライアイになるため、目が痛くなる。
・体が熱く、微熱があるようなだるさを感じる。
潤いを補うために
栄養はしっかりと取る
潤いを補うためには水分をしっかりととることが大切です。しかし、取った水分をしっかりと体が受け止められる、健やかな状態に保つ必要がありますね。
水分の多い食材は、一食あたりの栄養成分の含有量が少なくなりがちです。だからといって食べる量を増やすのも難しいものです。三度の食事を準備される方も、頭を悩ませてしまうところですね。
このようなときは配食のふれ愛のお弁当を利用してはいかがでしょうか?管理栄養士が作った、持病や咀嚼・嚥下の状態にも配慮した多くの献立があるお弁当ですので、ちょうど良いものを選んで安心して召し上がっていただけますね。
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胃腸を強め水分の吸収力を高める
甘酒
甘酒をはじめとする発酵食品は、薬膳では胃腸の働きを高める力があるといわれています。
実際、多くのビタミンB群やブドウ糖をはじめとする豊富な栄養素を含んでおり、江戸時代には夏の滋養強壮食品として重宝されていました。
甘くてのど越しが良く、水分も豊富な甘酒は、水分摂取が進まない高齢者にも、飲みやすいのではないでしょうか?なお、製品によりとろみ加減は様々です。必要に応じてとろみ剤を利用し、とろみをつけてくださいね
また、少量の梅肉ペーストやしょうがのしぼり汁を加えると香り良く、甘いものが苦手な方にも召し上がっていただきやすくなります。お試しください。
体に水分を補う
経口保水液の作り方
スポーツドリンクや経口保水液は薬局やスーパーマーケットでも簡単に入手できますね。しかし、買い置きが無くなってしまった時や、市販品の香りが苦手な方には手作りはいかがでしょうか?
【材料】約1リットル分 | |
水 | 1リットル |
砂糖 | 30g(お好みではちみつでもよいです。) |
塩 | 3g |
(レモン汁 | 大さじ1) |
【作り方】
1、レモンを加える場合は汁を絞り、種などを漉し取っておく。
2、保存容器にすべての材料を入れよく混ぜてとかす。
※手作りの経口保水液は市販品とは違い保存料やアミノ酸等の添加がありません。あくまでも手作り品ですので、急場をしのぐもの、嗜好品、としてお楽しみください。また、作った当日中に召し上がってくださいね。
脱水の症状が見受けられる際は、手作り、市販を問わず、経口保水液でやり過ごすのではなく、まずは医師や訪問看護師にご相談くださいね。
※咀嚼・嚥下に不安がある場合※
必要に応じてとろみ剤を利用してとろみをつける。
ゼリー類の活用
ゼリーやプリンなどは、そのほとんどが水分で、のどごしがよくて食べやすく、脱水状態に陥りやすい季節の水分摂取に向いています。おやつとして食べる甘いもののほか、しっかりと取ったかつおや昆布の出汁、ブイヨンを野菜やたんぱく質と共にゼリーで固めたものも、塩分や栄養が取れてよいですね。
凝固財として、咀嚼・嚥下に問題がなく、便が硬い方は寒天を使うとよいですが、咀嚼・嚥下に不安がある方はゼラチンが向いています。
また、肌がかさかさと乾燥している方にも、コラーゲンが主原料のゼラチンがおすすめです。どちらでも作っていただけるようそれぞれのレシピをご紹介します。使用量は少ないですが、体調に合わせて利用してください。
ほうじ茶オーレゼリー
ほうじ茶は意外にも乳製品ととても相性がよく、香ばしい香りが牛乳のにおいをカバーしてくれます。夕方以降にカフェインを取ると夜眠れなくなる、と心配な場合にもよいですね。
【材料】 2個分 ※ゼラチンを使用する場合 | |
ほうじ茶 | 1パック(茶葉なら大さじ1程度) |
水 | 100cc |
砂糖 | 大さじ1~ |
牛乳 | 250cc |
粉ゼラチン | 4g |
水 | 大さじ2(ゼラチン用) |
砂糖 | 大さじ2 |
片栗粉 | 大さじ1 |
水 | 大さじ1(水溶き片栗粉用) |
【作り方】
1、耐熱性の小さな器に水を入れ、ゼラチンを振り入れる。片栗粉は同量の水で溶いておく。
2、鍋に水100ccを沸騰させ、ほうじ茶を入れて煮出す。全部で80cc程度になる。
3、(2)がしっかりと濃い色になれば茶漉しでこしとり、半量を牛乳と混ぜる。
4、(1)のゼラチンがしっかりと水分を吸収してふやけたら電子レンジ600Wに20秒程度かけ、その後10秒ずつ追加して過熱し、しっかりと溶かす。
5、(3)の牛乳を人肌程度に温め、砂糖を加えて好みの甘さにし、(4)のゼラチンを混ぜ合わせて器に注ぎ冷やし固める。
6、(2)のほうじ茶の残り40cc程度を温め、砂糖を入れて混ぜ溶かす。(1)の水溶き片栗粉を少しずつ加えてとろみをつけ、(5)にかける。(量はお好みで)
【材料】 2個分 ※寒天を使用する場合 | |
上記材料のうち | |
粉ゼラチン | 4gを |
粉寒天 | 4gに変更、 |
【作り方】
1、鍋に(2)のほうじ茶40cc、水大さじ2を入れ、粉寒天をダマにならないように振りいれる。
2、(1)の鍋を火にかけ、沸騰直前まで混ぜながら加熱する。水分の蒸発が激しい場合は適宜水を加える。
3、甘みをつけた牛乳を(2)に注ぎ、全体を溶かし混ぜ、型に流して冷やし固める。
以下、ゼラチンのレシピ(6)を参考にソースを作る。
夏野菜のゼリー寄せ
【材料】 2人分 ※ゼラチンを使用する場合 | |
とうもろこし | 1/4本 |
えだまめ | 8莢 |
オクラ | 2本 |
プチトマト | 4個 |
鰹昆布だし | 400cc |
しょうゆ | 小さじ1 |
塩 | 適宜 |
みりん | 小さじ1 |
ゼラチン | 5g |
水 | 大さじ2(ゼラチン用) |
【作り方】
1、ゼラチン用の水にゼラチンをふり入れ、ふやかしておく。
2、とうもろこしは茹でるか電子レンジにかけ、粒を外しておく。えだまめは茹でて、莢から豆を取り出す。オクラは塩でこすり洗いしてさっと茹で、小口に切る。プチトマトはヘタを取り、洗って1/2程度に切る。
3、鍋にかつお昆布だしを温め、しょうゆ、塩、みりんで味を整える。(1)のゼラチンを入れ溶かし、氷水に当てて冷やす。
とろみがついてきたら(2)の野菜を入れ、型に流して冷やし固める
【材料】 ※寒天を使用する場合 | |
分量の粉ゼラチンを粉寒天 | 5gに変更する。 |
【作り方】
(1) を省略。(3)でだしの味を整えたのち、粉寒天をふり入れ、沸騰直前まで加熱してよく溶かす。
※咀嚼・嚥下に不安がある場合※
調理した野菜をそれぞれすり潰すかミキサーにかける。ゼラチンまたは寒天を煮溶かした出汁を野菜と同量加え冷やし固める。野菜ゼリーをブロック状に切り、かつお昆布だしのゼリーをかけ、再度冷やし固める。
体に水分を補う食べ物を利用する。
「薬食同源」「医食同源」という言葉があるとおり、中医薬膳学では食材を体調に合わせて選び、料理メニューを組み立てます。
「生津」と言い、体内に水分をとどめ、潤いを与える働きをする食材のうち、体の熱を取る作用にも優れている食材は下記のとおりです。
野菜 | きゅうり 冬瓜 トマト 蓮根 白きくらげ |
果物 | 梅 キウイ 梨 パイナップル びわ ぶどう |
その他 | 豆腐 湯葉 緑豆 |
主に夏が旬のこれらの食材を上手に利用して、熱中症とかくれ脱水症を予防できたらよいですね。
れんこんのすり流し
【材料】 2人分 | |
れんこん | 60g |
かつお昆布出汁 | 350cc |
塩・しょうゆ | 各適宜 |
梅干し | 1個 |
【作り方】
1、れんこんはきれいに洗い、皮ごとすりおろす。
2、梅干は種を取り除き、果肉を叩いておく。
3、鍋にかつお昆布出汁を煮立たせ、(1)のれんこんのすりおろしを加え、ゆっくりと混ぜながら火を通す。
4、とろみがつき、透明感が出てきたら塩・しょうゆで味を調え、器に盛り、梅肉を吸い口にする。暑い日には氷水に当てて冷やしてもよい。
※咀嚼・嚥下に不安がある場合※
れんこんに含まれるでんぷん質でとろみがつきますが、不安な場合はとろみ剤などを利用して必要に応じてとろみをつけてください。
まとめ
暑くなるとエアコンの効いた部屋で過ごすことが多くなり、汗をかいていないように思いがちですね。しかし、ちょっとした外出時に思った以上に汗をかいたにも関わらず、冷えたエアコンの空気にあたり、水分を取らずに過ごして軽い脱水状態になっていることもあります。
多くの水を飲むことが難しい場合は料理から水分を摂取し、体に水分をとどめてくれる食材を選ぶことで解消してくださいね。
なお、心疾患や腎臓病などで飲水制限を受けておられる方は医師の指示を仰いでください。また、認知症を患っておられる方はのどの渇きを訴えにくいものです。どのくらいの水分を摂取できているか、ほかの季節に増しての見守りが必要となります。
介護をする立場の方も体調不良に陥りやすい季節です。色々と気を使うことが多いですが、配食のふれ愛のお弁当やヘルパーさんの助けも借りて、どうぞ健康にお過ごしくださいね。