こんにちは!配食のふれ愛のコラム担当です!
栄養バランスのよい食事をとりたい方へ、お弁当の無料試食はこちらから!
立秋を過ぎても猛暑の勢いは止まらない昨今の夏。高齢者ではなくても食欲が落ちてしまいますね。しかし、食欲不振のまま秋を迎えてしまうと、寒さや乾燥から風邪を引いたり、胃腸炎を起こしてしまったりといったトラブルに見舞われることがあります。今回は、そんな食欲不振を解消し、健やかに秋を迎えるためによい食材や料理、「食を楽しむポイント」などをご紹介します。
食欲不振の原因と高齢者
味覚が衰える
若いころは薄味の料理が好みだった方でも、年齢を重ねるごとにテーブルに塩やしょうゆを置き、ちょっとひとふりするようになった、ということはありませんか?
これは、だんだんと味覚が衰えていっているため、濃い味を好むようになってこられたためで、主に持病やそのために使用する薬による副作用、また、舌の上にある味蕾という組織の老化によって起こるものです。
中でも、味蕾の数は、高齢者は新生児の1/2~1/3に減ってしまい、さらには唾液の分泌の減少による口内の乾燥も、原因の一つになるといわれています。
また、亜鉛という必須微量元素が不足した場合にも、味蕾の働きが鈍り、味がわかりにくくなることがあります。持病やその薬、味蕾の老化はともかく、亜鉛不足は食べものによって解消することができます。
味覚障害については、健康長寿ネット様のサイトに詳しく紹介されています。ご参照ください。https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/jibikashikkan/mikakushogai.html
亜鉛を多く含む食材
食品名 | 100gあたりの含有量(mg) |
牡蠣 くんせい | 25.4 |
牡蠣 生 | 14.5 |
たつくり | 7.9 |
かぼちゃの種 味付き | 7.7 |
牛ひき肉 | 7.6 |
パルメザンチーズ | 7.3 |
しじみ 水煮 | 4.0 |
しじみの有馬煮
夏に旬を迎え、「土用しじみ」の名で親しまれているしじみは小さな貝ですが、肝臓によいということで有名でね。
しじみには肝臓の働きを助け、疲労回復効果も期待できるオルニチン、肝臓の働きを助け、動脈硬化を予防するタウリン、また、カルシウムや鉄分、そして亜鉛が多く含まれています。
メインの食材にはなりにくいですが、このような作り置きがあると、日々少しずつでも摂取することができます。しっかりとした味付けなので、食も進みます。ごはんの友にしたり、冷奴に添えたりしてみてくださいね。
小さなしじみの酒蒸しを一つずつ殻から取り出すのは手間ですが、スプーンを使えばきれいに取りだすことができます。時には高齢者の方とゆっくりと話しながら、取り出してみてはいかがでしょうか?
他愛ない話から昔を思い出されることがあったり、共に笑ったりできることは何よりの癒しになりますよ。
【材料】 約150cc分程度 | |
しじみ | 1kg |
酒 | 100cc |
しょうが | 1かけ |
酢 | 小さじ1 |
しょうゆ | 大さじ2 |
みりん | 大さじ2 |
実山椒 | 大さじ1~ |
【作り方】
1、しじみは1%の塩水(水1リットルに対し、塩10g)に漬けて冷蔵庫で半日程度置き、塩抜きする。
2、(1)のしじみの殻をこすり合わせて洗い、酒と薄切りにしたしょうが、酢と共に鍋に入れ、蓋をして酒蒸しにする。
3、貝の口が開いたらスプーンなどで身を取り出し、蒸し汁は茶こしなどで漉しておく。
4、鍋に(3)のしじみの身と蒸し汁、しょうゆ、みりん、実山椒を入れ、汁けがなくなる程度まで煮詰める。
※酒蒸しにするときに酢を入れると、貝殻に含まれるカルシウムが蒸し汁に溶けだします。微量ではありますが、カルシウム不足を補う一助になります。酢の酸味は加熱することにより飛んでいて、この量でしたら味に影響はありませんのでぜひお試しくださいね。
また、冬には牡蠣を使って作るとよいですね。
※咀嚼・嚥下に不安がある場合※
しじみは状態にあわせて刻むか、粥適量と共にミキサーにかける。
胃腸の疲労
夏の間、暑いからと冷たいもの、水っぽいものを多く召し上がられていた場合、胃腸が冷えてしまっていることがあります。また、水分の過剰摂取が続くと胃液が薄くなり、消化不良をおこしてしまうこともあります。
何となく胃が重かったり、みぞおちあたりに冷たさを感じたりする場合は、少し温かく、消化のよいスープなどがおすすめです。
卵豆腐の満月椀
卵豆腐はとても消化がよく、食欲が落ちている時にも食べやすい食品ですね。
嚥下に不安があり、海苔を敬遠されている方にも喜んでいただけるよう、吸い地には海苔を溶かしこみました。
海苔にはむくみ解消、小便不利、粘膜保護の働きがあります。また、βカロチンも豊富に含んでいます。
【材料】 2人分 | |
卵 | 1個 |
出汁 | 90cc |
塩 | ひとつまみ |
出汁 | 300cc |
しょうゆ | 適宜 |
海苔 | 全板1/2枚 |
すだちや青ゆずなど | 適宜 |
【作り方】
≪卵豆腐≫ ※作るのが大変な時は市販品を利用しましょう。
1、卵は泡立てないよう、出汁をすこしずつ加えながら溶きのばす。
2、茶こしなどで一度漉し、流し缶か耐熱容器に入れて中火で約6分蒸す。
3、中心に竹ぐしなどを刺し、濁った水分が出てこなければできあがり。
≪満月椀≫
4、鍋に出汁を温め、海苔をほぐして入れ、塩で味を整える。
5、器に(3)の卵豆腐を入れ、(4)の出汁をはり、吸い口にかぼすなどを添える。
※咀嚼・嚥下に不安がある場合※
(4)の出汁に市販のとろみ材でとろみを付ける。
秋のきのこのおろしポン酢和え
中医薬膳学では、じゃがいもやキノコ類には胃腸をいたわり、調子を整える働きがあるといわれています。(健脾といいます。)
今回は消化を助ける大根おろしで和え、ポン酢でさっぱりといただけるように工夫しました。西日本ではあまり目にすることはないですが、秋田の名産品、食用菊を彩りに添えると目にも美しく、食がすすむことでしょう。菊花は肝臓の働きを助け、目の疲れを取る作用があるといわれています。
【材料】 2人分 | |
きのこ類 | 両手に1杯弱程度 |
いろいろと取り混ぜても、単品でも | |
※きのこ類は、石づきを取ってバラバラにほぐしたものをそのまま冷凍保存することができます。 | |
大根 | 5cm程度 |
食用菊(あれば) | 1輪 |
ポン酢 | 大さじ1~ |
【作り方】
1、きのこは石づきを取り、一口大に切る。
2、耐熱容器に入れ、ラップをして電子レンジで加熱する。(水分が出てしんなりと火が通れば大丈夫です。)
3、大根は皮をむき、大根おろしにする。水分が多いようならすだれかキッチンペーパーを敷いたざるに取り、水分を切る。(このとき出た水分は炊飯時に加えて炊くと、ご飯が柔らかく食べやすくなります。お試しください。)
4、食用菊は花びらをむしりとり、酢少々を加えた熱湯をまわしかけ、しっかりと水分を絞っておく。
5、ボールに(2)のきのこ、(3)の大根おろし、(4)の菊花を入れて和え、ポン酢で味を整える。
※咀嚼・嚥下に不安がある場合※
きのこは細かくきざむか、ミキサーにかけ、ペースト状にする。菊花は一片を彩りとして添え、食べる時は取り除きましょう。片栗粉やゼラチンなどでとろみをつけても、大根おろしに含まれるジアスターゼという消化酵素の働きですぐにさらさらになってしまいます。とろみは市販のとろみ材を利用してつけてください。
代謝の低下
男性も女性も、高齢になると現役を退き、ゆったりと過ごすことが多くなります。同居、介護する側としても、ゆったりと日々を楽しんでいただきたいと思いますね。
高齢になると、一般的に筋肉量の低下などから代謝が落ちていきます。さらに、一日の大半を座って過ごされていたり、暑さや雨のために外出ができなくなったりすると運動量が減り、筋肉量の低下に拍車がかかり、基礎代謝はさらに落ちていきます。
こうなると食が進まないだけでなく、筋肉量の低下、フレイルをも引き起こしかねませんね。
日中、家にいてできる運動をかかりつけ医や介護療法士などに指導してもらい、各々のペースでゆったりとトレーニングをしておくことが大切です。
このような運動のほか、食事からも代謝を上げることができます。トレーニングを補助すべく、良質なたんぱく質と、代謝を上げる効果のある玉ねぎや唐辛子などのスパイス類を上手に組み合わせましょう。
チーズ入りオムレツ
食欲が落ちると、一日に必要なカロリーも不足してしまいます。種類にもよりますが、チーズには適度な乳脂肪も含まれ、カロリーを摂取するのにも向いています。良質なたんぱく質の卵も、ピザ用の溶けるチーズとあわせてオムレツにすることで、完全加熱してもパサパサとした食べにくさが出にくく、嚥下に不安がある場合も食べやすくなります。
また、すり下ろした玉ねぎを少量加えることで代謝アップ甘味とうま味をプラスすることができます。
【材料】 2人分 | |
卵 | 3個 |
ピザ用シュレッドチーズ | 50g |
すり下ろし玉ねぎ | 大さじ2 |
バターまたはサラダオイル | 少々 |
黒こしょう | 適宜 |
【作り方】
1、ボールに卵を割りほぐし、ピザ用シュレッドチーズ(細切りになっているもの)、すり下ろした玉ねぎを加えよく混ぜる。
2、フライパンにバターまたはサラダオイル少々を入れて火にかけ、あたためる。
3、(1)を(2)のフライパンに流し入れ、形よく焼き上げる。
4、皿に盛り、黒こしょうを散らす。
食べることを楽しむために
規則正しい生活を
食べることは生きる上での楽しみの一つでもありますね。
咀嚼や嚥下に不安がない方なら、規則正しい生活と軽い運動、胃腸の調子を整えると自然と食欲が出てくることでしょう。
朝は目覚めたらカーテンをあけて朝日を浴びるとセロトニンという物質が脳内に放出されます。これは、別名幸せホルモンという物質で、一日を安定した気持ちで過ごすことができるようになります。
加えて、体調や運動機能の状態にあわせた自宅でもできる運動やストレッチなど、また、外出に不安がない時には、出来る範囲でウォーキングに出かけるのもよいですね。
目で楽しむ
先ほど、卵豆腐を満月に見立てて仕上げた満月椀をご紹介しました。
材料は卵豆腐に出汁、海苔、香り付けに添えたかぼすのみです。
作り方も、卵豆腐を丸く型抜きし、出汁に海苔を溶かしこむだけ、と、とても簡単なレシピだったと思います。が、写真はいかがでしたでしょうか?少し目新しく外食しているような気分になり、季節感を感じられた方もいらっしゃると思います。
介護の傍らの調理は大変です。レシピはご紹介しましたが、卵豆腐は手作りしないでも、市販のもので十分です。
プラスチックのカップに入った四角い卵豆腐も、丸く抜いたり小さく切って椀だねとして出汁に入れるだけで気分が変わり、食欲が増すことがあります。
味のバリエーション
介護をされている方の日々の悩みの一つに、「献立を考える」ことは入っていませんでしょうか?毎日同じような種類の食材を、同じ調味料で煮たり焼いたり…作る方も食べる方も飽きてしまいますね。食欲が落ちている方ならなおさらのことでしょう。
このような時には、配食のふれ愛のお弁当を利用してみませんか?スーパーマーケットのお惣菜コーナーを利用するのも良いですが、持病や咀嚼・嚥下に不安がある方の場合はそう簡単に利用できるものではありません。が、配食のふれ愛のお弁当は、たんぱく調整食やカロリー調整食、また、きざみ食にとろみ食、ソフト食と、個々の健康状態にあわせたお弁当を選ぶことができます。
メニューも、栄養学のプロ、管理栄養士が素材からこだわって作ったものですので、バランスよく、バリエーションも豊かで飽きることなく召し上がっていただけることでしょう。
今なら無料試食キャンペーン中ですので、ぜひこの機会に試してみてくださいね。
食欲不振と食事まとめ
外出がままならない梅雨、その後襲う猛暑や台風、突如襲ってくる豪雨と、昨今の私たちをとりまく夏の異常気象は、高齢者でなくとも体調を崩し、食欲も減退しがちになります。
いつものひと皿にねぎやすだち、レモンなどの輪切りを添えたり、炒め物ならサラダオイルをゴマ油やオリーブオイルに変えたりするだけでも、香りや味を和洋中自在にアレンジすることができます。
医師の指導が受けられる場合は日々自宅でできるちょっとしたトレーニングの指導を受けて体を動かしておくことで食欲も増し、秋に向けての体力作りにつながるとよいですね。