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夏に多いイメージの脱水症状ですが、実は冬にも注意が必用です。特に高齢者の方はのどの渇きに気が付きにくく、知らず知らずのうちに脱水症状に陥っていることも。冬の脱水症状の原因と予防法についてご紹介します。
目次
◆脱水症状とはどんな症状?
脱水症状とは体の体液が不足している状態のことです。わたしたちの体には約60%の水分とミネラルなどが含まれています。この水分量は年齢によっても変わり、赤ちゃんは体の約80%が水分ですが加齢によってだんだんと減少していき60歳以上になると約50%程度になります。
汗をかいて体内の水分量が減少したり、摂取する水分の量が少ないと体内の水分量が不足して体が脱水状態になります。脱水症状になるとどのような症状が現れるかというと、軽度ではのどの渇きやめまい、吐き気などの症状。中等度になると、頭痛や吐き気、全身の倦怠感などの症状が見られます。重度になると意識障害やけいれんなどの症状が現れ、命に危険を及ぼす可能性もあります。
また、高齢者の方は脱水症状によって血液の濃度が高くなると血管が詰まりやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞を発症してしまう可能性もある怖い症状です。体が脱水状態になる前に早めの対策をすることが肝心です。
◆冬におこる脱水症状の原因とは?
夏に起こるイメージが強い脱水症状ですが、実は冬にも注意が必用です。わたしたちの体は汗をかく以外にも呼吸や皮膚、粘膜から水分が蒸発しています。これを「不感蒸泄(ふかんじょうせつ)」といいます。成人は1日に約900mlを不感蒸泄によって失っていると言われています。
冬は空気が乾燥していることに加えて、室内では暖房機器を使用することで更に空気が乾燥します。空気が乾燥すると不感蒸泄が増え、気が付かないうちに体が水分不足に陥っていることがあるのです。また、冬はのどが渇きにくいので、水分補給も少なくなりがち。あまり汗もかかないので体の水分が不足していることに気が付きにくいことも原因です。
特に高齢者の方は感覚機能が鈍くなってきているので、のどの渇きを感じにくくなっていたり、トイレに行く回数を抑えようと水分の摂取を控えがちです。さらに食事の量が減ってくることで食事からとる水分の量が減少しているので、日ごろから意識して水分補給を行う必要があります。
また、病気が原因で起こる脱水症状もあります。冬に流行するノロウイルスや感染性胃腸炎を発症すると下痢や嘔吐によって大量に体内の水分が失われてしまいます。この時にナトリウムやカリウムなどの電解質も一緒に排出されてしまうため、脱水症状を引き起こす可能性が高くなります。さらに、高熱が出た場合も体温を調整するために多くの水分が失われるので、脱水症状になる可能性があります。
◆脱水症状を防ぐためにできること
・室内の湿度を50~60%に保つ
先ほどもお伝えしたように空気が乾燥していると不感蒸泄が促進されます。加湿器などを活用して室内の湿度を50~60%に保つようにすると効果的です。また、湿度を50~60%に保つことでウイルスの働きも抑制できるので、風邪予防にも効果が期待できます。
・こまめに水分補給をする
脱水症状を防ぐためにはこまめに水分補給を心がけることが大切です。食事以外で1日に1.5ℓほどの水分補給が必用と言われています。高齢者の方はのどの渇きを感じにくくなっているので2時間ごとに飲むようにするなど、時間を決めてこまめに水分補給をするのがおすすめです。寝ている間にも水分は失われているので、就寝前と起床時にもコップ1杯のお水を習慣にすると効果的です。
・常温の水または白湯で水分補給をする
水分補給には常温のお水か白湯がおすすめです。紅茶やコーヒーなどカフェインが含まれている飲み物には利尿作用があるので、水分をとっても体外に排出されやすくなってしまいます。もちろん適量をとる分には問題ありませんが、脱水症状を防ぐためには利尿作用がある飲み物はとりすぎないように注意しましょう。
・3食規則正しく食べる
水やお茶を飲む以外に食事からも水分を摂取することができるので、1日3食きちんと食事をすることも脱水症状の予防には大切です。献立にスープやみそ汁を取り入れることで水分の摂取量を増やすことができます。寒い時期には体が温まるので、積極的にとり入れたいですね。さらさらしたものがむせやすくなってきた高齢者の方には、スープにとろみをつけると飲み込みやすくなります。
・果物やゼリーなどで水分補給も可能
水分だけで必要な量を摂取するのが難しい場合は、水分を多く含むりんごやみかん、キウイなどの果物やゼリーを活用するのも効果的です。水分をゼラチンで固めたゼリーならのどごしもよく、食欲が落ちてきた高齢者の方にも食べやすいのでおすすめです。
◆もし軽度の脱水症状になったら?
軽度の脱水症状になるとのどの渇きやめまい、吐き気、息苦しさに加えて、皮膚や唇が乾燥してカサカサしたり、口の中がねばつく、手の甲をつまんだあとにすぐに戻らないなどの症状が現れます。もしこのような症状が現れた場合は、十分な水分補給が必用です。しかし、脱水症状が見られる場合は、ただ水を飲むだけでなくカリウムやナトリウムなどの電解質を一緒に補う必要があります。
体は体液中の電解質の濃度を一定に保とうとする働きがあります。水だけを飲んだ場合一時的に体の水分量は増えますが、体液の電解質の濃度が下がってしまうので、体は濃度を一定に保とうとして水分を排出してしまうからです。そのため、脱水症状に陥っている場合は、経口補水液を飲むと効果的です。経口補水液とは水に食塩とブドウ糖を溶かしたもので、水分と電解質を一緒に摂取できます。ゆっくりと少しずつ飲むことがポイントです。経口補水液は市販もされていますが、自宅でも簡単に作ることができます。
[経口補水液の作り方]
ミネラルウォーター…1ℓ
砂糖…40g
塩…3g
材料を混ぜ合わせるだけで出来上がりです。お好みでレモン果汁を加えると飲みやすくなります。砂糖と塩のバランスが大切なので、計量はきちんと行うことがポイントです。作ったものはその日のうちに飲み切るようにしてください。
しばらくしても症状の改善が見られない場合や意識障害など重度の症状が見られる場合は、命に危険が及ぶ場合もありますのですみやかに医療機関を受診しましょう。
◆冬もこまめな水分補給を!
冬の脱水症状を防ぐためには、何よりもこまめな水分補給が大切です。のどが渇いたと感じなくてもこまめに水分をとる習慣をつけましょう。冬は体が冷えないように白湯など温かい飲み物を活用するのがおすすめです。
また、カリウムやナトリウムの補給をするためにも1日3食の食事をきちんととることも大切です。ビタミン、ミネラルが豊富な野菜をたっぷりと加えた栄養バランスのいい食事を心がけましょう。また、高齢者の方はのどの渇きや体の不調に自分で気が付きにくく、加齢によって体が脱水症状をおこしやすくなっています。周囲の方も体調に気を配り、こまめな水分補給を心がけて冬の脱水症状を予防しましょう。
◆栄養満点の宅配弁当が便利!
寒い冬も元気に過ごすためには適度な水分補給はもちろんのこと、毎日の食事の栄養バランスが大切です。特に高齢者の方は食べる量が減ってくるので、その中でも主食、主菜、副菜とバランスよく食べることが理想です。栄養バランスの整った食事が大切とわかっていても毎日栄養バランスを考えた食事を作るのはなかなか大変ですよね。そんな時には宅配弁当を活用するのもおすすめです。
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