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介護食を作る時の食中毒予防ポイント

作成日:2019年4月10日

こんにちは!配食のふれ愛のコラム担当です!
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介護食を作る時の食中毒予防ポイント

介護食は、刻み食やペースト食など、普段私たちがたべているものよりも手間をかけ、細かく刻んだり、すりつぶしたりしますね。しかし、その行為が食中毒を招く機会を増やしていることも!せっかく作る介護食ですので、安全においしく召し上がっていただけるよう、ポイントを抑えていきましょう。

食中毒は一年を通して発生している

食中毒を起こすのは菌?ウイルス?それとも毒素?

ひとくちに食中毒とは言っても、さまざまな原因があります。よく耳にされるのは、O-157やサルモネラ菌、ノロウイルスではないでしょうか?

サルモネラ菌、ノロウイルスは、誤って口に入ってしまった細菌が腸内で増殖したために起こる細菌性・ウイルス性食中毒です。それに対し、O-157や黄色ブドウ球菌などは毒素性食中毒といい、ヒトの腸管内で増殖した細菌が作り出す毒素により、食中毒を起こします。

これら菌やウイルスだけではなく、じゃがいもの芽やふぐの卵巣などの自然毒、農薬などの化学物質、また、寄生虫などさまざまな原因があります。

食中毒の症状とは?

不幸にして食中毒の原因となるものを口にしてしまった場合、腹痛や嘔吐、下痢、発熱などの症状が現れます。潜伏期間は原因によって違いますが、数時間から2週間程度といわれています。

腸内で細菌やウイルスが増殖した場合は、嘔吐や下痢を繰り返すことにより、菌やウイルスは対外へと排泄されて徐々に治っていきます。

このときに吐き気止め、下痢止めの薬を服用してしまうと細菌やウイルスは体外に排泄されることなく、とどまってしまうため、症状が長期化し、抵抗力、体力のない高齢者の場合は重篤な症状を引き起こす可能性があります。薬の服用は医師と相談のうえ、慎重に進めてくださいね。

食中毒の原因は食材以外にも潜んでいる

食中毒を防ぐために新鮮な食材を使用し、毒の部分の除去に努めるのはもっとも大切なことですが、原因は食材だけではありません。毒素を発生する黄色ブドウ球菌は、ヒトの手にも多く住み着いています。特に爪の部分や傷口には多く潜んでいます。毒素型食中毒菌類の産出した毒素は、高温で加熱しても消え去ることはありません。

爪を伸ばしている方や手に傷のある方は、できれば調理用ビニール手袋を着用して介護食の調理をすることをおすすめします。

主な食中毒の原因菌とその症状

菌の名称発生源症状主な発生時期予防策
腸炎ビブリオ魚介類
漬物・おひたし
(菌が混入した場合)
腹痛
嘔吐
下痢
発熱
夏から初秋真水や酸に弱いので、新鮮なものでもしっかりと真水で洗浄する。
生食する場合は酢〆などにする。
サルモネラ鶏卵
生の食肉
腹痛
嘔吐
下痢
発熱
通年卵の生食は新鮮で殻に傷がないものに限る。
卵・肉の加熱は75℃1分以上で十分に過熱。
カンピロバクター鶏肉
生野菜
飲料水
嘔吐
腹痛
下痢
血便
倦怠感
頭痛
発熱
通年食肉は十分に過熱
65℃5分以上
O-157(溶血性大腸菌)生の食肉
加工食品
水耕栽培の野菜
腹痛
下痢
嘔吐
発熱
(O-157感染では、毒性の高い「ベロ毒素」が大腸の血管を破壊し、鮮血混じった血便が出る。
通年熱、消毒液に弱いので、十分に加熱調理する。
黄色ブドウ球菌
(毒素型)
乳製品

畜産製品
穀物とその加工品
傷のある手指
吐き気
嘔吐
腹痛
下痢
通年手指の洗浄
手あれ、化膿創がある場合は食品用手袋の着用
ノロウイルスカキ・ハマグリなどの2枚貝腹痛
嘔吐
下痢
発熱
主に秋~春90℃90秒以上の加熱
患者の汚物処理時、次亜塩素酸ナトリウムの使用

これ以外にも多くの食中毒原因菌が存在しますが、全体を通して、調理器具の洗浄、殺菌、手指の洗浄、殺菌、調理用ビニール手袋の着用などで、食材の二次汚染の予防に努めましょう。

調理にとりかかるときに注意したい事

調理器具の消毒

まな板や包丁の継ぎ目部分、また、作業台にも食中毒菌が潜んでいることがあります。

まな板は、長期間使用するうちに表面に傷が入り、その部分に食中毒の原因菌が増殖していることがあります。調理の後はまな板、包丁ともによく洗い、熱湯をかけて殺菌してから収納したり、次亜塩素酸(消毒液)で消毒したりしておきましょう。

肉類を切ったまな板には、細菌類のほか、脂分がついてしまっていることもあります。脂とまな板の間に食中毒の原因となる菌が挟まっている場合は、消毒液の効果が効かない場合がありますので、きれいに洗浄し、熱湯をかけることで油脂分を溶かして洗い流してから、消毒・殺菌をしましょう。

最初は面倒だと思いますが、必要に応じて、調理器具の手入れはしっかりとしておくことをおすすめします。

調理の順番

たとえば、味噌汁と魚の煮付け、ほうれん草のおひたし、漬物、冷奴、ごはんというメニューのとき、どこから調理を始めますか?

下処理から考えて時間のかかる魚から始める方が多いと思います。が、魚には腸炎ビブリオという菌が付着している可能性があります。この菌は海水程度の塩分濃度の場所で増殖します。

菌に汚染されている生の魚を切ると、使用した包丁やまな板、手指にこの腸炎ビブリオ菌が付着してしまいますね。この菌は真水や酸に弱く、しっかりと洗浄すれば心配ないことが多いのですが、洗浄が不十分だった場合、魚を調理した手、または調理器具で、茹でたほうれん草や漬物を切った場合、塩分を含むだしに漬けたほうれん草、塩分を含む漬物の中で増殖して、食中毒を発生することがあります。

魚を先に調理する場合は、まな板、包丁、手指の洗浄、殺菌をしっかりと行い、作業台もきれいに拭いてから、漬物などの調理に進んでください。

食中毒を予防する食材と、そのメニュー

食中毒を予防する食材とメニュー

しょうが

殺菌作用のある食材としてよく知られているしょうが。日々おろししょうがや、炒め物をするときみじん切りにして利用されていることと思います。

刺身を食べるときにおろしわさびやしょうがの絞り汁をしょうゆに加えて食べるのは、昔からの食中毒予防の知恵ですね。

梅雨時に出てくる新しょうがは、甘酢につけておくとちょっとした箸休めに食べることにより、食中毒を予防することができます。

しょうがの甘酢漬け

【材料】
しょうが
(できれば新しょうが)
300g
適宜
ひとつまみ
〈甘酢〉
米酢360cc
砂糖150g
60g
出汁昆布5cm角

【作り方】

1. しょうがは皮の痛んでいる部分を取り除き、繊維に沿ってできるだけ薄く切る。

2. (1)をざるに入れ、酢少々を加えた熱湯を回しかけ、手で触れるくらいに冷めたら塩をまぶし、もみこんでおく。(あくと辛みを抜く)

3. 甘酢の材料を鍋に入れ、ひと煮立ちさせる。

4. (2)のしょうがをぎゅっと握って絞り、水分をしっかりと切る。

5. 保存容器に(3)の甘酢を入れ、(4)のしょうがをほぐし入れて漬け込む。

6. 2~3時間後から食べられる。

甘酢は、市販の寿司酢を使用しても大丈夫です。

※咀嚼・嚥下に不安があるとき

・みじん切りにしたり、すりつぶしたりしてお粥に混ぜる。
・魚のすり身で団子を作るとき、すり身100gに対し新しょうがの甘酢漬けを5g程度の割合で混ぜ、ゆでる。

紫蘇

薬膳では、刺身のつまによくついている大葉は魚介の毒を解毒する力があるといわれています。魚料理にの際には、大葉や大葉味噌を添えて一緒に食べるとよいでしょう。

大葉味噌

【材料】
大葉10枚
白味噌大さじ4
砂糖大さじ1
みりん大さじ2

【作り方】

1. 大葉は中央の軸を切り取り、砂糖とともにすり鉢でする。

2. 白味噌を加えさらに摺り、煮切ったみりんを加え、溶きのばす。

大葉は香りもよく、穏やかに体の熱を取る食材ですが、繊維が硬いので咀嚼・嚥下に問題がある場合は使いにくい食材です。

このようにすりつぶして使用するとよいでしょう。

無理に魚料理にあわせなくても、一緒に食べる副菜に和えたり、お粥に添えたりしても大丈夫です。

山椒

山椒もまた、優れた殺菌作用を持ち、胸のつかえや腹の冷えをとる力があります。乾燥した実山椒ならサラダオイルに適量をいれ、弱火にかけてプツプツと泡が出てくるまで加熱します。

2~3分加熱したら火からおろし、香りと辛みをうつした山椒オイルを料理に少量ふりかけて使用すると、咀嚼や嚥下の邪魔をすることなく使用・摂取することができます。

植物油には便の排泄をスムーズにする働きもありますので、便秘気味の方には少量ずつ、このようなオイルをドレッシングのようにして利用するとよいですね。

胃腸の機能を整える

梅雨時は湿度による胃腸の衰えを整える。

梅雨どきから夏にかけて、とても湿度が高い日々が続きます。とくに近年の密閉度の高い日本の住宅内は水はけが悪く、居住環境だけでなく、体内にも水分が停留してしまいがちになります。

湿度の高い日は汗をかいても蒸発することがなく、じめじめとして体内に熱がこもったり、体が重苦しくなったり、浮腫みがおき、水分代謝が悪くなり、下痢などの症状が発生することがあります。このような状態のときは抵抗力も落ちているので、食中毒にもかかりやすくなってしまいます。

水分代謝を促し、体の熱を冷ます食材を選んで食べ、体調を整えておきましょう。

さわらのムニエル 山椒オイルの香り

白身魚のさわらには、良質のたんぱく質のほか、むくみを解消するカリウムも意外に多く含まれて射ます。また、魚のなかでは小骨が少なく、食べやすいです。
さわらのムニエル 山椒オイルの香り

【材料】 二人分
さわら2切れ
塩 こしょう少々
小麦粉(あれば強力粉)適宜
山椒オイル大さじ2
ブロッコリー かぼちゃ、プチトマトなど各適宜

【作り方】

1. さわらは塩・こしょうしてしばらくおき、余分なドリップをふき取る。

2. 小麦粉を両面にはたく。

(強力粉は粒子が粗いため、薄く均一にまぶしつけることができます。ムニエルのほか、揚げ物の衣には強力粉がおすすめです。)

3. フライパンに山椒オイル大さじ1を熱し、(1)のさわらを皮目から香ばしく焼く。

4. (2)のさわらに火が通ったら付け合せの野菜と共に皿に盛る

5. 付け合せのブロッコリーは塩茹で、プチトマトは洗ってヘタを取る。かぼちゃは皮とワタを取り、つぶしてバター適宜を加えよく混ぜる。

※咀嚼、嚥下に不安がある場合※

さわらは骨の確認をし、細かくほぐすかミキサーにかける。同様にミキサーにかけた玉ねぎとともに盛り付ける。

食中毒予防のポイントまとめ

住宅環境がよくなりすごしやすくなったのは、私たち人間だけでなく、細菌類、ウイルス類にとっても同じですね。食事は毎日のことなので、調理する方も日々とても気を使われるポイントだと思います。

ですが、ちょっとした調理のコツで食中毒を予防することもできます。

また、食材は薬や殺菌剤ではありませんので、残念ながら100%の除菌をすることはできませんが、上手に活用することで味や香りもよく、食中毒予防にもなります。

いろいろなものを美味しく食べて健やかな日々をすごしてくださいね。

この記事の提供元:シルバーライフ

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