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秋を健やかに迎えるために 夏の終わりに取りたい栄養とレシピ

作成日:2019年8月10日

こんにちは!配食のふれ愛のコラム担当です!
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秋を健やかに迎えるために 夏の終わりに取りたい栄養とレシピ

暑かった夏から一転、秋の声を聞くようになると涼しい空気にほっとするとともに、急にのどがかわきやすくなったり、肌がかさかさと潤いを失い始めたりしませんか?秋の初めは夏の間に消耗してしまった体力と気力、潤いを補うことから始めて、来る冬への備えをはじめましょう。今回はそんな乾燥へのそなえに食べたい食材や料理をご紹介します。

介護食と夏の疲れを取ること

秋バテに注意

夏の暑さが遠のいて、過ごしやすい季節になったにも関わらず、食欲が戻ることなく、体のだるさも抜けない、こんな高齢者の方がいらっしゃいます。

これは「秋バテ」といい、夏の猛暑によって起こった疲弊が原因です。

具体的には、冷たいものの食べすぎ、飲みすぎ、また、エアコンの冷風に当たりすぎたために起こる冷えが原因となっている場合もあります。さらには猛暑の中の外出で体力を奪われ、急にエアコンの効いたスーパーマーケットや病院などの施設に入り、その急激な温度差についていけず、自律神経の乱れが起こっている場合もあります。

生活習慣を整える

このように、秋になってもなんとなく体調が優れない場合は、まずは生活習慣を整えることが大切です。

睡眠
秋の声を聞き、最低気温が23℃前後になってきたら、眠るときはできるだけエアコンを頼らず、自然の風や扇風機の風で眠るようにしましょう。扇風機の風が体に直接あたる向きに設置してしまうと、どうしてもその部分が冷えてしまい、痛みが出てくることもあります。首ふり機能やタイマーを利用し、長時間にわたり直接風が当たらないように工夫しましょう。

どうしても暑い場合は熱中症予防のためにもエアコンが必要になりますが、タイマー機能を活用するとよいですね。
また、起床時間、就寝時間をあらかじめ決めておくことも大切です。

運動と入浴
猛暑の間は外出することがままならず、室内であまり動くことなくすごされた方も多いことでしょう。その間、たとえひと月程度とはいえ、運動不足になっていることで筋肉が衰え、関節が硬くなったり、動くと軽い痛みを感じたりする方もいらっしゃることと思います。

朝夕は涼しく過ごしやすくなってきますので、そのような時間帯を狙って軽いウォーキングをしたり、室内でもできる簡単なトレーニングやストレッチを行ったりするとよいですね。

また、エアコンによる冷えが原因で筋肉や関節が硬くなってしまっている場合は入浴も効果的です。温まることにより、抹消血管が拡張して筋肉や関節が柔らかくなることがあります。

時には香りのよい入浴剤を使用して、心身ともにリラックスするのもよいですね。ただし、入浴中は意外に汗をかいています。脱水症状には気をつけて、入浴後には必ず水分補給をしてくださいね。

秋の養生と栄養レシピ

消耗した体力を養う

このように、夏の暑さで体力を消耗し、持病のせいではないのになんとなく体がだるく、力が入らない状態を、中医学では「気を消耗している」と言います。この「気」とは、元気、やる気、病気、気力という言葉に見て取れるように、私たちの心身を動かすエネルギーのことです。

「気」を補い、「気」の働きを助けるためにも、消化のよいお粥に、豆腐や出汁巻き卵、里芋と鶏の炊き合わせなどは秋の初めによい組み合わせです。

里芋と鶏の炊き合わせ
里芋は胃腸の働きを助け、下痢や便秘を解消し、粘膜を保護します。
また、里芋のねばねば成分はたんぱく質の消化を助け、疲労回復にも効果的です。
鶏肉に含まれる豊富なたんぱく質はリハビリやウォーキングで培った筋肉のもとになり、体をやんわりと温め、体力をつける働きがあります。

【材料】 2人分
里芋中くらいのもの3個
鶏もも肉1枚
ごま油大さじ1弱
めんつゆ大さじ4
※めんつゆはメーカーによって希釈率や塩分濃度が違います。味見をしながら加えてください。
1/2カップ
大さじ1
みりん大さじ1
しょうが1かけ
オクラやしし唐など適宜

【作り方】
1、鶏肉は必要に応じて皮や余分な脂肪を切り取り、一口大に切る。
2、里芋は皮をむき、一口大に切る。しょうがは鍋の底などで軽くつぶし、オクラやしし唐などは洗って下処理し、さっと茹でる。
3、(2)の里芋を下茹でする。
4、鍋にごま油を熱し、(1)の鶏肉、(2)のしょうがをさっと炒め、表面の色が変われば(3)の里芋を入れ、水、酒、みりん、めんつゆを入れて煮る。
5、味が絡まれば器に盛り、オクラなどを添える。

※咀嚼・嚥下に不安がある場合※
鶏肉と里芋は柔らかく炊き、それぞれを細かく刻むかミキサーにかける。

ミキサーにかける場合、煮汁をそのまま加えると味が濃すぎることがあります。味をみて湯冷ましを加えるなどして調整してください。

イカのすり身団子のお味噌汁
イカやタコはうま味が多く、また、疲労回復にとても効果的なタウリンという成分を含んでいます。とても体によく、おいしい食材ではありますが、硬いため高齢になるとちょっと敬遠してしまいますね。今回は食べやすいすり身団子を新鮮なイカから作る方法をご紹介します。が、すり身をつくるのはちょっと手間が…という時は、スーパーの鮮魚コーナーを覗いてみてください。いわしやイカ、えびなどはすり身の状態で販売されていることがあります。
少し肌寒さを感じるようになった夜のひと椀に、お試しください。

【材料】
イカ切り身100g
白身魚(たらなど)50g
しょうがの絞り汁小さじ1
卵白1/2個分
ひとつまみ
出汁400cc
大根3cm分
にんじん3cm分
三度豆など適宜
味噌大さじ2
お好みでかぼすやゆずなど適宜

【作り方】
1、イカは皮がついていたら剥き、3cm角程度に切る。白身魚も同様に皮と骨をとり、3cm角程度に切る。
2、大根、にんじんは食べやすいサイズに切る。三度豆は斜め切りにする。
3、フードプロセッサーに(1)のイカ、塩を入れざっと回し、イカの身がペースト状になれば、(1)の白身魚を加え、再度フードプロセッサーにかける。全体が均一のペースト状になれば卵白としょうがの絞り汁を加え、数秒回して全体を混ぜる。
4、鍋に出汁と(2)の大根を入れて火にかける。沸騰したらにんじんを加えて煮る。
(大根が生のうちににんじんを加えると、大根の消化酵素・ジアスターゼの働きで、にんじんの栄養価が落ちてしまいます。一度沸騰させてからほかの材料を加えましょう。)
5、にんじんが柔らかくなったら、(3)のイカのすり身をスプーンなどですくって入れ、火を通す。
6、すり身団子に火が通ったら、(2)の三度豆を入れ、再度沸騰させてから器に盛る。好みでかぼすなどを添える。

※咀嚼・嚥下に不安がある場合※
いかのすり身団子は、(3)で加える卵白を増やすと柔らかく仕上がります。団子と味噌汁に分けてミキサーにかけ、必要に応じてとろみをつけ、椀によそった味噌汁の上に団子のピューレをそっとあしらう。

わらびもち
わらびもち

体力をつけるのにわらびもち?と驚かれたかもしれません。現在、市販されているほとんどのわらび餅粉は、主にサツマイモの澱粉からできています。その澱粉を加熱して練り上げて作るわらびもちはとても消化がよく、胃腸が疲れ食欲が落ちてしまっているときにもおすすめです。調子がよくないときには少し水分を多めにして柔らかく作るとよいですね。

薬膳では「腎を養う」といい、黒い食べ物は滋養に富むとされています。ミネラルも豊富な黒砂糖を使って作られている黒蜜にきなこを溶いておくと、咀嚼・嚥下に不安のある方でもむせることなく召し上がっていただけます。

黒のあたりゴマに蜂蜜を加えて伸ばした黒ゴマだれも、滋養に富んでおり、秋の初めから冬にかけておすすめです。

【材料】 2人分
わらびもち粉80g
350~400cc
黒蜜・きなこ各適宜

【作り方】
1、鍋に水を入れ、わらび餅粉を入れてよく溶き混ぜる。
2、(1)の鍋を火にかけ、絶えずかき混ぜる。しばらくたつと鍋底から固まってきます。固まったものをはがすようにしてかき混ぜ続け、全体に透明感が出てくれば流し缶に流すか、直接水を張ったボールにいれて冷やす。(盛夏でなければ冷やしすぎない。)
3、流し缶に入れて冷やしたものは取り出して切り分ける。ボールに直接入れたものは餅をちぎるように 人差し指と親指で丸を作り、ギュっとしめてちぎり、形を整える。
4、水気を切り器に盛る。
5、黒蜜ときなこを、(4)に好みの量をかけていただく。

※咀嚼・嚥下に不安がある場合※
わらびもちを練る水分を増やし、柔らかく仕上げる。または、葛湯にきなこ入りの黒蜜をあしらう。

体に潤いを与える

秋になると吹き始める大陸からの冷たい空気は、とても乾燥しています。そのため、肌がカサカサしたり、かゆみが出たりすることがあります。また、気管や肺も乾燥し、風邪を引きやすくなります。あまり関係ないように思われるかもしれませんが、この乾燥は消化器系にも影響を及ぼし、便秘がちになる方もいらっしゃいます。

本格的な乾燥の季節を迎える前に、乾燥対策をすることが大切になります。
入浴の際には保湿効果のある入浴剤を利用し、すみやかに保湿クリームを塗布し、必要に応じて加湿器の使用も効果的です。

食べ物では、梨やれんこん、白きくらげに咳を鎮め、肌や呼吸器を潤す作用があるといわれています。

れんこんと梨のジュース
晩夏から夏にかけて旬を迎える蓮根、そして梨。これらは秋の初めの風邪や呼吸器の乾燥の解消にとても効果があります。

中医薬膳学では昔から効果があると知られ、愛飲されてきたこのジュース、作り方もとても簡単なので、ぜひとも試してみてくださいね。

なお、れんこんにはアレルギーを解消する力もあり、秋の花粉症で悩んでおられるかたにもお勧めです。アレルギー抑制のためには、節の近くを多く使うと効果的です。真ん中はお料理に、節ちかくはこのジュースに、と、使い分けてみてくださいね。

【材料】 2人分
れんこん5cm程度
1/2個程度
適宜
はちみつ適宜

【作り方】
1、れんこんは洗って、皮の痛んでいる部分を切りとり、スライスする。
2、梨は皮をむき、芯を取って適当なサイズに切る。
3、(1)と(2)をミキサーに入れ、状態を見ながら水を足し、ミキサーにかける。
(共におろし金ですりおろしてもよいです)
4、好みではちみつを添える。

※咀嚼・嚥下に不安がある場合※
すりおろした粒が気になる場合はキッチンペーパーなどで漉しとり、市販のとろみ材でとろみをつける。

秋を元気に迎えるために

秋に備えて取りたい食材

秋を迎える体をサポートしてくれる食材は色々とあります。

滋養をつける食材卵・鶏肉・豚肉・イワシ・アジなど
潤いを与える食材れんこん・なし・白きくらげ・いちじく・すっぽんなど
気を補う食材米・雑穀・豆類・いも類・タコ・イカ・ウナギなど

上記以外にも、筋肉を衰えさせないため、良質のたんぱく質、カルシウムもあわせて取ると、秋に向けての体力づくりも、食から支えられる部分はある程度クリアできていることでしょう。

これらを上手に組み合わせ、残暑が厳しい日には体を冷やすように夏野菜を使ったメニューを一皿、肌寒さを感じる日は温かい味噌汁を添える、というように、その日の天気や体の声を聞きながら、日々の食卓が整うとよいですね。

偏った食生活にならないために

このように、トレーニング、冷えたからだを温めること、など、秋を迎えるために大切な項目は沢山ありましたね。しかし、残暑がぶり返した日、夏の疲れから食欲がない日は、ついつい冷たくてあっさりとしたもので済ませがちにはなりませんか?
あっさりとしたものは食べやすくてよいですが、栄養面では満足がいかない場合が多いものです。

食卓を整えるためには、「一汁三菜」「まごわ(は)やさしい」「栄養バランスガイド」など、多くの基準やそろえ方の言い回しがあります。しかし、なかなか難しいものです。

そんな中、簡単に栄養バランスを整える方法のひとつが、配食のふれ愛のお弁当を利用することです。

配食のふれ愛のお弁当は、栄養学のプロである管理栄養士が、素材からしっかりとしたこだわりをもって開発したお弁当です。高齢者の持病や咀嚼・嚥下の状況に応じて、たんぱく調整食、カロリー調整食、また、いくつかのサイズから選べるきざみ食やとろみ食、ムース食とさまざまな選択肢から選べるのが魅力です。もちろん普通食も充実しているので、高齢者だけでなく、同居するご家族にもうれしいお弁当です。

今なら無料試食キャンペーン中ですので、この機会にご利用くださいね。

夏の終わりのレシピまとめ

昨今の日本の夏はとても暑く、高齢者でなくても脱水症や熱中症を引き起こしてしまいます。そんな夏を乗り越え、秋を健やかに迎えるためには、それなりの養生とトレーニングが必要ですね。

今回ご紹介した食材や料理は、ただおいしいだけではなく、トレーニングした体を内側からささえ、肺や大腸を潤し、元気に季節の移り変わりを楽しむ手助けをしてくれることでしょう。

健やかに秋を過ごし、冬を健康に過ごすことを目指して準備を始めてくださいね。

この記事の作成者:真鍋 実穂(調理師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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