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うなぎの栄養と土用の丑の日について

作成日:2020年8月6日

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うなぎの栄養と土用の丑の日について

7月に入るとスーパーなどで「土用の丑」の文字が目に入るようになり、うなぎのかば焼きの売り場スペースが広がります。土用の丑にうなぎを食べるのはなぜでしょうか。うなぎは本当に夏バテに効くのでしょうか。

うなぎを食べる土用の丑とは

土用は夏だけではなく、春夏秋冬のそれぞれに年4回あります。また丑の日とは十二支の丑にあたる日のことです。

土用と陰陽五行説

中国の思想である陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)は、「宇宙の万物はすべて陰と陽のエネルギーで構成されている」という陰陽説と、「万物は水・木・火・土・金の五元素に分けられ、それらがお互いに影響しあって宇宙が成り立っている」と考える五行説が結びついて生まれた思想です。この五行説では、春は「木気」、夏は「火気」、秋は「金気」、冬は「水気」とされ、「土気」は季節の変わり目である立春・立夏・立秋・立冬の前の18日間とされており、この期間を「土用」と呼ぶようになりました。

土用は中国の道教の教えにある「土旺用事(どおうようじ)」という言葉を略したものです。土旺用事とは新しい命を育て、古い命が還っていく「土」の気が最も旺盛に働く期間で、土用の期間は土いじりをしてはいけないといわれていました。これは陰陽道の神の一人で、土を司る神である土公神(どくしん・どくじん)が土用の期間は土を支配していると考えられており、土公神が土を支配している土用の期間は土いじりをしてはいけないといわれるためです。

現在でも建築関係ではこの考えに従い、土用の期間に土を掘り起こすことを避けることがあるようです。また土用にまつわる禁忌が生まれたのは、土用が季節の変わり目であり、農作業などで無理をすると体調を崩しやすいという先人の戒めが込められているからともいわれます。

丑の日とは

昔の暦では、日にちを子、丑、寅、卯…と、十二支で数えており、丑にあたるのが丑の日です。他にも十二支は、年、月、時間、方角などを表す符号として用いられていました。土用の期間中に丑にあたる日が「土用の丑の日」ということです。

土用の丑の日

土用の丑の日は春夏秋冬のどの季節にも存在しますが、夏のイメージが強いのは、暑さで体力が奪われ、細菌が繁殖しやすい環境で疫病が流行したり、台風や大雨の水害や水の事故など、命が脅かされることが多かったためと考えられます。

夏土用

7月下旬から8月初旬にあたります。夏土用には丑の日に「う」の付く食べ物や、黒い食べ物を食べるのが良いといわれています。うなぎの他にも、うどん、梅干し、瓜(きゅうり、スイカ、かぼちゃ、冬瓜など)があります。食べ物の他にも、夏バテ対策や疲労回復のために、土用の丑には桃の葉や柿の葉、ドクダミなどの薬草を入れたお風呂(丑湯)に入ったり、お灸をすえたり(土用灸)する風習が残っている地域もあるようです。また、虫やカビを防ぐ目的で衣類や書籍を陰干ししたり、水田の水を抜いたり、梅干しを作る過程で日に干すことも夏の土用のころに行われるため、「土用干し」と呼びます。

夏以外の土用

・春土用

4月下旬から5月の初旬にあたります。春土用には戌の日に「い」の付く食べ物や、白い食べ物を食べるのが良いといわれています。イワシやしらす、イカ、インゲン、芋、イチゴなどがあげられます。この時期は気温変化が大きく体調を崩しやすかったり、生活環境が変わることも多く、精神的にも不調をきたしやすい季節です。

・秋土用

10月下旬から11月初旬にあたります。秋土用には辰の日に「た」の付く食べ物や、青い食べ物を食べるのが良いといわれています。青魚や大根などがあげられますが、青魚のサンマに大根おろしを添えるのは、時期的にも合っているといえます。特に秋の大根は甘みがあり消化を助ける働きがあることから、夏の疲れが出やすく胃腸の働きが低下しがちなこの時期に適した食材といえます。

・冬土用

1月中旬から2月初旬にあたります。冬土用には未の日に「ひ」の付く食べ物や、赤い食べ物を食べるのが良いといわれています。ヒラメやヒラマサ、トマトなどがあげられます。

土用の丑の日とうなぎ

土用の丑の日にうなぎを食べる習慣は、江戸時代を代表する蘭学者である平賀源内が考え出したといわれています。平賀源内は非常に多彩な人で、学問や発明の他にも浄瑠璃の台本を書いたり、油絵を描いたりといった芸術家でもあり、江戸では知らない人はいないといわれるほどの有名人だったそうです。

本来のうなぎの旬は秋から冬であり、味の濃いうなぎのかば焼きは、夏にはあまり人気がありませんでした。夏にもうなぎのかば焼きを売れるようにするためにはどうしたらよいか、うなぎ屋から相談を受けた平賀源内は、「土用の丑の日には「う」の付くものを食べると夏負けしない」という言い伝えを利用して、「本日は土用の丑、うなぎを食うべし」と大きく看板を出すことを提案しました。さらに、うなぎは精のつく食べ物として知られていたことも利用して、「精のつくうなぎは夏を乗り切るのに最適」ということもつけ加えて宣伝をしたところ、新しいものが好きな江戸っ子の目を引いて大繁盛となったそうです。それを見た他のうなぎ屋も真似をするようになり、いつしか「土用の丑の日にはうなぎを食べる」という風習が定着したということです。

うなぎの栄養

平賀源内の考えた宣伝文句の通り、昔からうなぎは精のつく食べ物として知られています。
うなぎのかば焼き1尾分(150g)あたりのエネルギーは440Kcal、タンパク質は34.5g、脂質は31.5gと、タンパク質を多く含みますが脂質も多いため、高エネルギーな食品です。食欲が低下しがちな夏には、少量でも効率よくエネルギーが摂取できます。

ビタミンA

ビタミンAは皮膚や粘膜、眼の健康を維持するために必要なビタミンです。
うなぎのかば焼き1食分(150g)に含まれるビタミンAは2,250㎍で、成人が1日に必要なビタミンAの2倍以上の量が含まれています。通常、日常の食事ではほとんど心配はありませんが、ビタミンAは体内に蓄積するため過剰症のリスクがあります。毎日うなぎを食べ続けることは避けた方がよいかもしれません。

ビタミンB1・ビタミンB2

ビタミンB1は糖質の代謝に関与し、エネルギーを作り出すために欠かせません。糖質の摂取量が多い人は、相対的にビタミンB1の必要量は増加すると考えられ、ビタミンB1の不足により糖質の代謝が滞ると、エネルギーが不足し疲れやすくなることがあります。ビタミンB2は皮膚や粘膜の健康維持に必要で、不足することで口内炎や口角炎ができやすくなることがあります。うなぎのかば焼き1食分(150g)に含まれるビタミンB1は1.13g、ビタミンB2は1.11gです。ビタミンB群は水溶性で過剰な分は尿中に排泄されてしまうため、継続的に摂取する必要があります。

ビタミンD

うなぎのかば焼き1尾分(150g)に含まれるビタミンDは28.5㎍です。ビタミンDは小腸や腎臓でカルシウムとリンの吸収を促進し、丈夫な骨を作る働きがあります。日光を浴びることで体内でも合成されますが、食事からも摂取することが必要です。

亜鉛

うなぎのかば焼き1食分(150g)に含まれる亜鉛は4.05mgです。亜鉛は体内で作り出すことができないため、食事から摂取する必要があります。亜鉛は免疫力の向上や傷の早期回復にも役立つとされています。また新陳代謝が活発な時期には必要量が増加するため、成長期の子供には特に必要な栄養素といえます。さらに感情のコントロールや記憶など脳の機能を正常に保つために必要な、神経伝達物質を作るためにも亜鉛が必要です。

DHA・EPA

うなぎのかば焼き1尾分(150g)に含まれるDHAは1.950㎎、EPAは1,125㎎です。DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は体内で合成できない必須脂肪酸で、魚の油に多く含まれています。血液や血管の健康を維持するために役立ち、血中の中性脂肪の上昇を抑制したり、血圧の上昇を抑制する働きがあるといわれています。

うなぎをおいしく食べるには

うなぎ屋さんのおいしいうな重を食べに行ければ一番良いのですが、奮発する余裕のないときでも、お手頃なスーパーで売られているうなぎをおいしく食べる方法があります。

うなぎのかば焼きは水で洗う

スーパーなどでパック詰めで売られているうなぎをおいしく食べるためには、いくつかの方法がありますが、どの方法にも共通していわれていることがあります。輸入、国産に限らず、パックから出したら水道水で洗いましょう。パックうなぎの表面にはタレが塗ってありますが、これは見た目をきれいに、おいしそうに見せることが目的だそうです。身をくずさないように気を付けながら、表面を丁寧に洗い流してから加熱調理を始めましょう。

電子レンジで温める

うなぎを洗い流し、表面の水分を拭きとってから適当な大きさに切り、電子レンジ対応のお皿にのせます。うなぎ1尾あたり大さじ1の酒をかけ、600wの電子レンジで1分を目安に温めましょう。電子レンジで温める場合は、温めすぎるとうなぎが硬くなってしまうので、温めすぎには注意してください。

くらしの情報サイトNHK「らいふ」で紹介されている、スーパーで売っているパックのうなぎを、電子レンジでおいしく温める方法です。写真付きでわかりやすく説明されていますので、ご参考ください。
https://www.nhk.or.jp/lifestyle/article/detail/00905.html

フライパンで温める

うなぎを洗い流し、表面の水分を拭きとってから、適当な大きさに切り、フライパンに並べます。うなぎ1尾あたり大さじ1の酒をかけてから、ふたをして弱めの中火で1~2分蒸し焼きにします。こげないように火加減は調節してください。

魚焼きグリルで温める

うなぎを洗い流し、表面の水分を拭きとってから、魚焼きグリルの網にのせ、うなぎ1尾分あたり大さじ1の酒をかけて、魚焼きグリルの中火で5分ほど焼きます。グリルの熱源が片面の場合は、裏返してさらに5分焼きます。焼き加減はお好みで調節してください。

うなぎのひつまぶし風

少ないうなぎの量でも、満足感のあるメニューになります。

【材料】(2~3人分)
・パック詰めのうなぎ       1本
・卵               1個
・うなぎのたれ          適量
・青しそ             2~3枚
・きざみのり           適量
・粉山椒、練りわさびなどの薬味  適量

【作り方】
1. パックのうなぎは前記の方法で温め、1㎝幅に切っておきます。
2. 卵は薄焼き卵を作り、冷めたら細く切って錦糸卵を作っておきます。
3. 青しそは洗って水気をきり、千切りにします。
4. 器に温かいご飯を盛り、錦糸卵、うなぎを散らします。
5. うなぎのたれを適量かけます。
6. 青しそときざみのりを盛ってできあがりです。お好みで薬味を添えて食べましょう。

肝吸い

うなぎは肝も栄養豊富です。スーパーで売っている串焼きの肝を使って、簡単に肝吸いを作ってみましょう。顆粒のインスタントだしでもできますが、昆布とかつお節でだしをとることで、さらにおいしい肝吸いができます。

【材料】(2~3人分)
・うなぎの肝串焼き    2~3本
・だし昆布        5㎝角くらい
・水           600ml
・かつお節        一握り
・酒           大さじ1
・みりん         少量
・塩           適量
・醤油          適量
・三つ葉、青ねぎなど   適量

【作り方】
1. 水にだし昆布を浸けて、半日から一晩冷蔵庫に入れておきます。
2. 昆布を取り除いた水を鍋に入れて火にかけます。
3. 沸騰したら酒とみりんを入れ、かつお節を入れます。火を止めてしばらくそのまま置いておきます。
4. 上品に作る場合はかつお節をざるでこします。家庭用の場合はかつお節をこさずに、そのまま作ると、かつお節の栄養も丸ごと摂れます。
5. うなぎの肝は串から外して、水で洗っておきます。
6. だしの中にうなぎの肝を入れて温めます。あまりグラグラと煮立てないようにしましょう。
7. 塩と醤油で味をととのえてできあがりです。お椀に盛り付けてから、三つ葉やネギなどをあしらいましょう。

<うなぎの肝の栄養>

主な栄養素100gあたりの量1串50gあたりの量
エネルギー(Kcal)11859
タンパク質(g)136.5
脂質(g)5.42.7
炭水化物(g)3.61.8
ビタミンA(㎍)44002200
ビタミンE(㎎)4
ビタミンB1(㎎)0.30.15
ビタミンB2(㎎)0.760.38
カルシウム(㎎)2010
鉄(㎎)4.62.3

まとめ

うなぎには多くの栄養が含まれ、食欲のないときにも、少量で効率よく栄養が摂取できる食品といえます。スーパーで手軽に購入できるうなぎのかば焼きも、ちょっとしたコツでおいしく食べることができます。江戸時代から続く土用の丑の風習について知り、うなぎを食べて暑い季節を元気に乗り切りましょう。

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この記事の作成者:S.M(管理栄養士)
この記事の提供元:シルバーライフ

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