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高齢者の防災 対策編

作成日:2019年5月10日

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高齢者の防災 対策編

近年は大きな災害が日本全国で発生しています。東日本大震災で命を落とされた方々のうち、およそ6割が65歳以上の高齢者だったといわれています。さらに災害関連死と認定された人は、その9割以上が高齢者です。

いつ起こるかわからない災害から、高齢者を守るためにできる防災対策を考えてみましょう。

家の中の防災対策

阪神淡路大震災では、大きな家具や倒壊した建物の下敷きとなる被害が多発しました。いざというときに、まずは家の中で怪我をしないように備えておきましょう。

高齢者は物を大切にする習慣が身についているため、家の中に物が多いことがあります。しかし大規模な地震が発生したときには、家の中にあるすべての物が凶器となる可能性があります。日頃からできるだけ家の中に物を増やさないことと、避難するための通路を確保しておくことを考えておきましょう。

家屋の耐震確認と家具の固定

大規模な地震に備えて、家の中の家具は固定をしておきましょう。L字の金具で壁に固定したり、ネジが刺せない家電製品などはベルトで固定するような転倒防止器具が、ホームセンターなどで販売されています。

最近の家具・家電には、購入時から専用の転倒防止器具が付属されていることもあります。説明書通りに必ず使用しましょう。

食器棚などに開き戸がある場合は、地震の時に扉が開いて中身が飛び出してこないように対策をします。棚に滑り止めのシートを敷く、扉にストッパーをつけるなどの工夫をしておきましょう。

自宅の耐震診断と補強が必要な場合もあります。自治体によっては、耐震診断や補強に補助金がある場合もあります。市区町村の窓口に問い合わせの上、積極的に制度を利用しましょう。

いつも居る部屋と寝室の対策

家の中の安全対策を一度に始めようとすると、手間も経済面も負担となることがあります。一日の中で、居る時間の長い場所から対策を始めましょう。

窓ガラスには飛散防止のフィルムを貼るようにしましょう。カーテンは不燃性の素材で厚手のものにし、丈も長めにしておくことでガラスが割れた時の飛散防止に役立ちます。

家具は配置する向きにも注意しましょう。大きな家具や家電は固定をしても倒れる可能性はありますし、中身が飛び出してくることもあります。人がいる場所や寝ている場所に向かって倒れてこないか、物が飛んでこないかを考えた向きに配置したうえで、家具の固定をしましょう。

特に寝室では、エアコンの下で寝ることは避けましょう。災害時にエアコンが落ちてくる可能性があります。同じように天井についている照明器具にも注意が必要です。できるだけシーリングライト(天井固定)の方が安心といえますが、吊り下げ式の照明器具は地震の際の揺れを抑えるため、落下防止ワイヤーなどを活用して補強しておきましょう。

停電対策

地震や台風などの風水害、大雪や土砂災害など、多くの自然災害で停電は発生する可能性があります。家の中だけではなく街灯や信号機などがすべて消えてしまうと、想像するよりも真っ暗になります。まずは明かり(照明)を確保しましょう。

特に夜間に災害が発生した場合、慌てて暗い家の中を動くことで怪我をする可能性があります。

各部屋の出入り口にあたる場所には足下灯をつけましょう。電池式の物と充電式の物があり、点灯や消灯もタイマー式、センサー式、手動式などがあります。使う場所によって適したものを選びましょう。

懐中電灯やランタンのように持ち運べる明かりは、家族の人数分あれば安心です。枕元やいつでも手に取れる場所に備えておきましょう。

在宅で介護や療養をされている場合は、電動の介護用ベッドやエアマット、在宅酸素や人工呼吸器、たん吸引器などの医療機器には注意が必要です。予備の充電器や災害時の対応を確認しておきましょう。

担当のケアマネージャー、主治医、訪問看護師などと相談し、停電時の対応を考えておかなくてはなりません。必要に応じて福祉用具のレンタル業者や医療機器のメーカーにも問い合わせてみましょう。

家族との連絡

災害は必ず誰かが一緒にいるときに起きるとは限りません。家族全員で、普段から災害時のことを話しておきましょう。高齢者はその不安から、災害時のことについて話をしたがらない人もいるかもしれません。特別なこととしてではなく、日常的に根気よく伝えていくようにしましょう。

家族と一緒に居られるとき

どのような災害においても、まずは自分の身の安全を確保しましょう。誰かが怪我をすれば、他の人を助けることができなくなります。

住んでいる地域のハザードマップを確認して、地域で起こる可能性の高い災害の種類を把握しておきましょう。ハザードマップは各自治体のホームページで見ることができます。窓口でもパンフレットなどを用意している場合もありますので、問い合わせてみましょう。

災害の種類に応じた避難場所と避難経路を家族で決めておきます。時間のある時に高齢者の方も一緒に避難所までの経路を歩いてみると、いざというときに安心していくことができます。台風などのようにある程度被害の予測ができるときは、早めの避難行動をとるようにしなくてはなりません。

国土交通省のハザードマップについてのサイトです。各市町村のハザードマップを調べることができます。ご参考ください。
https://disaportal.gsi.go.jp/

日中独居や、高齢者だけで生活しているとき

いざというときの決め事をノートなどにまとめて記録しておくようにしましょう。家族や親せきなどと連絡が取れる電話番号や災害伝言ダイヤルの使用方法、避難場所などの必要なことを記入し、いつでも見ることができる場所に置いておきましょう。特に日中家にいるのが高齢者だけになるような場合は、そのことを近所の人にも伝えておきましょう。近隣や地域の人たちと、日ごろから良好な関係を作っておくことも大切です。

ケアマネージャー他、介護保険担当者

高齢者の方が介護認定を受けている場合は、担当のケアマネージャーを中心に、利用しているサービスの担当者たちと災害時の対応について確認をしておきましょう。

デイサービス利用中に災害が起きた場合やヘルパーが自宅で作業中の場合なども、具体的に対応方法が決まっていれば、お互いに安心できます。

地域との連携

防災訓練

地域や集合住宅ごとに行われる防災訓練には、ぜひ参加しましょう。災害発生直後は、警察・消防がすぐに来ない可能性があります。そのような時は家族や近所の人たちが頼りになるので、普段からお互いに良好な関係を作っておきましょう。

実際に一緒に訓練ができなくても、その場に行って見てみることはとても大切です。どこの家に、どのような人がいるかをお互いに知り、挨拶を交わしておきましょう。

マンションなどの集合住宅の場合、心配なのがエレベーターの停止です。エレベーターは停電がなくても、地震の揺れを感知すると停止することがあります。歩行が困難な高齢者や、高層階に住んでいる場合など、いざというときにどうやって避難をするか考えておかなくてはなりません。

エレベーターが動かなくなったときに困るのは決して高齢者だけではないので、対応策について住人や自治会などで話し合っておくことが必要です。

避難行動要支援者名簿とは

高齢者や障がい者など、災害時に自力で非難することが困難な人を、地域全体で支援するために作成する名簿のことです。災害対策基本法によって市町村が作成します。この名簿を避難支援等関係者(自治会や民生委員、消防機関など)が共有することで、安否確認や避難支援に役立てます。

登録できる対象者の条件は自治体ごとに若干異なることがあるため、登録を希望する場合は、本人か家族が直接自治体に問い合わせてみましょう。

福祉避難所とは

災害時に一般の避難所での生活が難しい高齢者や障がい者など、支援が必要な人たちに配慮した避難施設です。市町村が指定する公共施設や老人ホームなどを使用することが多く、災害時に必要に応じて開設されます。

避難のタイミング

災害時にいつ避難をするかの判断は難しい場合もあります。しかし台風などの風水害や土砂災害など、ある程度の予測が可能な災害については早めの避難行動が大切です。特に高齢者の場合は、明るい時間帯に余裕をもって避難行動を始めなくてはなりません。

避難に関する情報手段

現在、災害に関する予報や情報はさまざまな方法で入手が可能となっています。テレビやラジオ、防災無線だけではなく、スマートフォンに届く緊急エリアメールや、防災アプリを取得しておいたり、SNS(ソーシャルネットワークサービス)でいち早く現場の情報が得られることもあります。

高齢者の日常生活に合わせて、確実に使いこなせる方法を考えておくことが必要です。

災害時はただでさえ気が動転していますから、馴染みのある機材や方法を活用できるようにしましょう。気をつけたいのは、高齢者は個々の視力や聴力によっても使いやすい手段や方法が異なります。どのような方法でも、実際に試しておくことが大切です。

避難に関する用語

避難を促す用語にはいくつかの段階があります。それらの意味を正しく理解しておくことは、適切な避難行動のタイミングにつながります。テレビでアナウンサーが「避難命令」という言葉を使うことがありますが、現在の日本には避難について拘束力のある、命令にあたる用語はありません。

おそらくメディアでは、緊迫した状態を伝え、避難を促す目的で「避難命令」という言葉を使用することがあると思われます。

避難勧告

対象地域に住んでいる、または滞在している人の生命と身体の保護を目的として、安全な場所への避難を促すために、市区町村長から出されます。拘束力、強制力はありませんが、勧告が尊重されることを期待して出されます。

避難勧告は必ずしも避難場所へ移動することだけを求めるものではありません。災害の状況によっては、近くの安全な場所や家屋内の安全確保が適切なこともあります。自分と、一緒にいる人の身の安全を第一に考えた行動をとりましょう。

避難指示(緊急)

避難勧告よりも、さらに災害の状況が悪化し、危険が迫っている場合に出されます。避難を開始していない人は、すぐに避難を始めなくてはならない段階です。しかし状況により移動することがかえって身の危険につながると判断した場合は、少しでも命が助かる可能性の高い避難行動をとらなくてはなりません。

災害時に出される用語の種類

種類内容被害想定の強さ
警戒区域の指定警戒区域を設定し、災害応急対策に従事する以外の物に対して当該区域への立ち入りを制限し、もしくは禁止し、または当該区域からの退去を命ずる被害想定の強さ
避難指示(緊急)被害の危険が目前に切迫している場合などに発せられ、「勧告」よりも拘束力が強く、居住者等を避難のため立ち退かせるための行為
避難勧告その地域の居住者などを拘束するものではないが、居住者などがその「勧告」を尊重することを期待して、避難のため立ち退きを勧めまたは促す行為
避難準備・高齢者等避難準備要援護者等、特に避難行動に時間を要するものは、計画された避難場所への避難行動を開始(避難支援者は支援行動を開始)する
上記以外の物は、家族等との連絡、非常用持ち出し品の用意等避難準備を開始する
自主避難の呼びかけ市町村防災計画などによって、各市町村独自で行うもの

避難準備・高齢者等避難開始

法律上の規定はなく、市区町村の地域防災計画等で定められています。地域の防災に即した段階で出されるといえます。対象地域に住んでいる、または滞在している人の中で、特に避難に際して時間がかかるような要援護者(高齢者や障がい者、子供等)は、避難場所への避難行動を始めましょう。

また、避難を支援する人は速やかに支援行動を開始し、要援護者以外の人は家族との連絡や非常持ち出し品の準備など、いつでも避難が開始できる状態を整えておく段階です。

認知症高齢者の避難

認知症の人は環境の変化が苦手で、不安感から症状が平時よりも強く出ることがあります。落ち着くまでは家族や知人などがそばについているようにしましょう。

避難所での生活も、数日であればなんとかなるかもしれませんが、大震災などで長期の避難所生活が必要な場合には、本人だけでなく家族や周囲の人も疲弊してしまいます。考えられる最大限の準備をしておきましょう。

避難所での環境作り

不特定多数の人が居る状況は、認知症ではなくても緊張や不安が高まります。できれば家族や知っている人たちと一緒に周囲の様子が見えにくい隅の方で、仕切りなどを立てて場所を確保しましょう。トイレの近くやおむつ交換の場所など、排せつスペースの確保も大切です。

周囲の人の理解

何よりも周囲の人たちに認知症の理解があることで、避難環境は格段に良くなります。知らない人でも、周囲の人たちがイライラしたり急がせたりせず一緒に見守っていてくれるだけで、本人も家族もとても過ごしやすくなります。認知症であることを隠そうとせずに、周囲にも協力を求めましょう。非常事態こそ、お互いを思いやる気持ちを大切にしたいものです。

福祉避難所への移動

周囲の協力が得られたとしても、非常事態に認知症の人にどのような変化が起こるかは、予測困難です。明らかにいつもとは異なる様子がみられたり、暴力的な言動、不潔行為、体調不良など、集団の中での生活が困難となった場合は、早めに福祉避難所への移動を考えましょう。

平時から、福祉避難所となる場所を自治体に確認しておきましょう。認知症の人の情報(名前・年齢・病歴・介護度・介護保険の利用状態など)を、担当ケアマネージャーなどにも協力を得て書き出しておき、避難の際の非常持ち出し荷物の中に入れておくとよいでしょう。

福祉避難所には家族も一緒に避難することができます。困った症状が強い場合は、本人や家族、周囲の人が限界になる前に、早期に福祉避難所への移動を申し出ましょう。

まとめ

災害は、いつどこで起こるかわかりません。大切なことは、その時のことを具体的に想像し、準備しておくことではないでしょうか。高齢者が避難生活を送ることは、心身ともに大きな負担になることは明らかです。平時からお互いに助け合える環境を作っておきましょう。

この記事の提供元:シルバーライフ

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