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肥満は糖尿病のリスクを高めるといわれます。では、肥満を解消するにはどのような方法が効果的なのでしょうか?これまでにも多くのダイエット法が話題となってきましたが、それらは糖尿病リスクの低減には効果があるのでしょうか。
なぜ肥満がいけないのか
肥満予防は生活習慣病予防の第一歩です。肥満が健康に悪影響があるのはなぜでしょうか。
肥満とは
肥満には「内臓脂肪型肥満」と「皮下脂肪型肥満」の2つのタイプがあります。このうち、より生活習慣病のリスクが高いのが内臓脂肪型肥満です。内臓型肥満の目安は腹囲長の測定で判断します。おへその高さの腹囲をメジャーで測り、男性は85㎝以上、女性は90㎝以上の場合、内臓型肥満の可能性が高いといわれます。測定は素肌の上から、水平にメジャーをあてることが重要なので、自分で測るのではなく他の人に測ってもらいましょう。
腹囲の測定で内臓型肥満に当てはまらなかった場合で、BMI(体格指数)が25以上の場合は、おへその周囲をつまんでみましょう。しっかりとたるみがあり、つかめる場合は皮下脂肪型肥満の可能性が高くなります。皮下脂肪型肥満の状態が長く続くことで膝や股関節、背骨などの関節に負担が大きくなり、痛みや関節の変形につながることがあります。
また、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高くなったり、女性の場合は閉経後の乳がん発症と関係があることがわかっています。
肥満の判定基準
・BMI(Body Mass Index)を用いて判定。BMI=体重(㎏)×〔身長(㎝)×身長(㎝)〕で算出。
BMI<18.5 | 低体重(やせ) |
18.5≦BMI<25 | 普通体重(正常) |
BMI≧25 | 肥満 |
・ウエスト周囲長の測定。へその位置を水平に測定する。
ウエスト周囲長 (へそ周囲長) | 男性:85㎝≦ 女性:90㎝≦ |
ウエスト周囲長はこれまでの調査・研究から、男性は腹囲85㎝以上、女性は腹囲80㎝以上で高血圧、高血糖などを有する人の割合が増えることがわかっています。加えて腹囲が大きくなるにつれて、心筋梗塞などの疾患にかかるリスクも高くなることがわかっています。
肥満と糖尿病
肥満になると耐糖能障害(血糖値をコントロールする能力)などの症状があらわれることがありますが、初期のうちに肥満が解消すれば耐糖能は正常に戻ります。しかし肥満が放置されて進行すると、糖尿病に移行することがあります。
肥満になるとインスリンが血糖値を下げる能力が低下するため、インスリンが多く必要になります。すい臓ではインスリンを増産しますが、インスリンが一定量を超えるとインスリンの受容体が相対的に減少するため、インスリンの感受性が低下して高血糖の状態となります。
さらにインスリンと受容体が結合後に異常が発生すると、すい臓はさらにインスリンを増産して血糖を処理しようと働きますが追いつかなくなり、糖尿病の発症となります。
体重を減らすことの効果
内臓型肥満の場合、今の体重から3%減量することで血圧や血糖、コレステロールなどの値が改善するといわれます。糖尿病についてはインスリンの感受性が回復して、インスリンの分泌量が適正になります。
レプチンが食欲を抑える
レプチンは脂肪細胞から分泌されるホルモンです。インスリンの刺激を受けて作られ、満腹中枢に作用して食欲を抑えます。また、交感神経を活性化して脂肪を燃焼しエネルギー消費を促進し、肥満を抑制する働きもあります。肥満が進行することで、このレプチンの分泌が減少したり働きが弱くなることあり、さらに減量が困難になることがあります。
ダイエット:本来の意味
ダイエットという言葉の本来の意味は「健康を維持するための食事療法」であり、単純に体重を減らすことを意味しているのではありません。あくまでも食事療法を指し、食事の関わらない減量法や健康法などは、本来はダイエットとは呼びません。
ダイエットの失敗、リバウンド
バスケットボールなどの球技においてボールが跳ね返ることをリバウンドといいますが、ボールがバウンドする様子のように、一度減った体重が再度増加する現象をリバウンドと呼びます。
食事の量を減らしたダイエットで急激な摂取エネルギーの不足が続くと、体は飢餓状態と判断してエネルギーを温存しようとします。
また体重が減少するときには、脂肪だけではなく筋肉量も減少します。筋肉は多くのエネルギーを消費する器官ですから、筋肉の減少した体はエネルギーを消費しにくい体、つまり太りやすい体になっているといえます。その結果、食事の量をもとに戻すと体重が増加して体脂肪が増える、という悪循環がダイエットのリバウンドです。リバウンドを繰り返すことで、どんどん痩せにくい体になると考えられます。
リバウンドしないために
リバウンドを防ぐためには、短期間で一気に体重を落とそうとしないことが大切です。まずは今の自分の食生活を見直して、無理なくできるところから改善を始めましょう。
目標とする体重や1か月に何㎏を目標とするかは、現在の体重や肥満度、疾病の有無などによって異なりますが、1か月に体重の1%程度の緩やかなペースであれば、リバウンドのリスクは低いと考えられています。肥満度の高い場合や疾病の治療中の場合などは減量目標が異なりますので、医師の指示に従ってください。
ダイエットの方法と糖尿病の関係
さまざまなダイエット方法が話題になりますが、その減量効果や健康効果はどのようなものでしょうか。
地中海式ダイエット
地中海沿岸の地域に住む人々は、がんや心臓疾患、脳卒中、アルツハイマー病などの発症率が低いという調査結果があります。地中海式ダイエットは、全粒穀物と野菜、果物、ナッツ類は豊富に、魚介類を適度に摂取し、肉類や乳製品は控えめの食事です。また、オリーブオイルを日常的に使用することも特徴です。
・全粒穀物、野菜と果物を豊富に摂る
全粒穀物を摂ることが大きな特徴のひとつで、豊富な食物繊維とビタミンB群が摂取できます。食物繊維は食後血糖値の上昇を抑制すると考えられており、糖尿病のリスクを低下させる効果が期待できます。野菜と果物からも食物繊維やビタミンC、カリウムなどのビタミン、ミネラル類が豊富に摂取できます。
・オリーブオイル
オリーブオイルに含まれるオレイン酸には血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を低下させる効果があるといわれます。またビタミンEやポリフェノール類の抗酸化作用や抗炎症作用によって、ある種のがんのリスクが低下するという研究報告もあります。
・肉類よりも魚介類をよく食べる
魚の中でも特に青魚と呼ばれる、サンマ、サバ、アジ、イワシなどには、オメガ3系の脂肪酸が豊富に含まれており、血液をサラサラにする効果があるといわれます。肉類を食べるときは赤みの肉や鶏のむね肉など、脂肪の少ない部位を選びます。
地中海式ダイエットには、積極的に摂る食品はあっても食べてはいけない食品はありません。食材の選び方は比較的日本食と似通っているので、取り入れやすいダイエット方法といえます。
糖質制限ダイエット
糖質制限ダイエットと呼ばれる方法にもいくつかの種類があり、甘い食物(砂糖)を控えるだけの緩やかな方法から、主食となる穀類を減らす方法、主食に加えて、糖質の多い野菜類や果物なども制限し、限りなく糖質の摂取量をゼロに近づけるような方法まで幅があります。極端な糖質制限を行った場合、体内ではケトン体という物質を産生します。
・ケトーシス
体内にエネルギー源としての糖質が不足したり、何らかの原因によって血液中のブドウ糖を代謝できなくなった場合に、エネルギー源として脂肪を利用します。そのときに脂肪の分解産物としてケトン体が産出され、血液中にケトン体が増えた状態をケトーシスといいます。ケトーシスになると吐き気やおう吐などの消化器症状があらわれることがあります。またケトン体がさらに増えて血液が酸性に傾くとケトアシドーシスに進行し、意識障害や昏睡など生命に危険が及ぶことがあります。
現在の日本人の糖質摂取量は、1日に270g~300gというデータがあります。間食の甘いものや果物、主食の量などを調整して、1日の糖質摂取量を半分~1/3量(70g~150g程度)にする制限では、ダイエット効果が得られて、体調に悪影響を及ぼすことが少ないといわれます。
血糖値に異常がある場合や糖尿病の治療中の場合は、糖質制限ダイエットの実践についてはかかりつけの医師に相談し、指導の下で行うようにしましょう。
脂質制限ダイエット
糖質、脂質、たんぱく質の中で1gあたりのエネルギー量が最も多いのが脂質なので、脂質を制限することで、効率よく摂取エネルギーを抑えることができるといえます。しかし脂質は細胞膜やホルモンの生成に必要な材料であり、免疫機能の維持や脂溶性の栄養素の吸収を助けるなど、健康を維持するうえで重要な働きがあります。大切なのは質の良い油脂を選び、適量を摂取することです。
・飽和脂肪酸
一般的に肉や乳製品に多く含まれる脂質で、短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸に分類されます。摂り過ぎるとLDLコレステロールや中性脂肪の増加、肥満や糖尿病のリスクが高まることがありますが、重要なエネルギー源であり、不足すると血管がもろくなることがあります。飽和脂肪酸の中でも中鎖脂肪酸は消化吸収が早く、速やかにエネルギーとして消費され、体内に蓄積しにくいといわれています。MTC(マクトン)オイルやココナツオイルなどが中鎖脂肪酸を多く含みます。
・不飽和脂肪酸
エネルギー源であり、体の細胞膜を構成する成分として重要です。一価不飽和脂肪酸(オメガ9系)、多価不飽和脂肪酸(オメガ6系、オメガ3系)に分類され、不飽和脂肪酸に比べて酸化しやすい特徴があります。
このうちオメガ6系不飽和脂肪酸とオメガ3系不飽和脂肪酸は体内で合成できないため、食物から摂取する必要があります。オメガ9系不飽和脂肪酸の代表はオリーブオイル、オメガ6系不飽和脂肪酸の代表はゴマ油です。オメガ3系不飽和脂肪酸には亜麻仁油、えごま油、などの植物油の他にDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの魚油が含まれます。
体に必要な脂質ですが、摂り過ぎはエネルギーの過多に直結します。良質な油を選んで適量を摂ることで健康の維持に役立つといえます。
食べ順ダイエット
食事の内容ではなく、食べる順番を意識するダイエット方法です。食べる順番を栄養素で分けると「食物繊維→たんぱく質・脂質→糖質」の順に食べすすめていきます。「ベジタブルファースト」と呼ばれることもあり、野菜や海藻類、きのこ類など食物繊維を多く含む食品を先に食べ、主食となる穀類は糖質を多く含むので後回しにすることで、血糖値の急上昇を防止することができます。具体的な食品を順番にあらわすと次のようになります。
1番目 野菜、海藻類、きのこ類、汁物
一番初めに野菜、海藻、きのこなどをよく噛んで食べましょう。汁物は具だくさんのみそ汁などが理想的ですが、なければコップ1杯の水やお茶を飲んでも大丈夫です。
2番目 魚、肉、卵、大豆製品、乳製品など
メインのおかずになりやすい食材といえます。味付けなどによっては主食を一緒に食べたくなりますが、半分程食べすすめてから、主食も一緒に食べるようにしましょう。
3番目 ごはん、パン、めんなど
主食は最後に食べます。デザートがある場合は主食の後になります。
厳密に一皿ずつ食べ終えなければならないわけではなく、多少の前後は気にする必要はありません。主食(糖質を多く含む食品)の前に他の食品を食べておくことと、よく噛んでゆっくり食べることを守りましょう。そのため丼物やサンドイッチ、バーガー類、ラーメンなどは食べ順ダイエットには向かない献立といえます。おかずの味付けが濃いと主食が欲しくなりますが、薄味にすることで主食を後回しにすることのストレスが減り、減塩もできて一石二鳥といえます。
自分に効果的な方法をみつける
体重をコントロールするときに大切なのは、食べたいものを我慢したり空腹に耐えることではなく、食事から必要十分な栄養を摂り、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回らないように食べ方を考えることです。ダイエットを成功させる方法は、一人一人の体調や体質、生活環境や嗜好など、様々な条件によって異なるといえます。
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ダイエットの基本
ダイエットを成功させるためには、どんな方法にも共通した基本のポイントがあります。
毎日体重を測る、記録する
体重は毎日測り、その数値をカレンダーなどに記録しておきましょう。実際に数値を記録しておくことで体重の増減した原因をみつけることができます。
体重は1日のうちでも変動があるため、毎日同じ時間、同じ条件で測定するようにしましょう。多少の増減は気にせず、継続して測定することが大切です。
糖尿病の食事は健康長寿食
糖尿病の食事療法は健康長寿の食事といわれます。糖尿病の食事では、食べてはいけない食品はありません。ダイエットに大切なのは、一人一人に適切なエネルギー量の中でバランスよく栄養を摂ることです。幅広くいろいろな食品を摂ることを心がけて、嗜好に偏らないようにすることが大切です。
糖尿病の食事についてわかりやすく説明されています。ご参考ください。
http://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/040/020/02-1.html
運動も取り入れて筋力維持
筋力を維持、向上することで、リバウンドを防ぐことができます。ダイエットの方法にかかわらず適度な運動も取り入れることで、効率の良いダイエットができます。
糖尿病とダイエットまとめ
糖尿病の予防、改善に肥満の解消は欠かせません。しかしダイエット情報の中には、健康に悪影響を及ぼすような方法もあります。糖尿病の食事はバランスの良いダイエット食ともいえます。自分に合ったダイエット方法をみつけて健康維持に役立てましょう。