こんにちは!配食のふれ愛のコラム担当です!
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高齢者の方の低栄養を耳にすることが増えました。低栄養は高齢者の方にとって、自立した暮らしを続けられるかどうかを決める大切な要因でもあります。
低栄養になるとカラダを動かしづらくなります。そうすると外出することも減りますし、家の中でも立って歩く回数が減っていきます。
そして次の段階では「寝ている」ことが増えはじめ、動くことが減ったことでエネルギーが消費されにくくなり食欲も減少します。
そして食べなくなり、低栄養になるというサイクルが生まれ、「寝たきり」という状態に進む方もいらっしゃいます。
このように低栄養は高齢者にとって、暮らしを不自由にする原因になりかねません。
そこで今回は高齢者の方が低栄養に向かう「食べない」原因について紹介していきます。
目次
原因がある!高齢者が食べない理由
誰でも食事は楽しみなもの。
特にお家にいらっしゃる時間の長い高齢者の方なら、食事は一日の中でも上位にくる「たのしみ」であるはずです。
しかし、高齢者の方の中には「食べたくない」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
どうして楽しみであるはずの食事が「食べたくない」になるのでしょうか?その原因を見ていきたいと思います。
健康な人の味覚とは
食事が「たのしみ」だということは、別の言い方を考えると「おいしく食べたい」ということでもあります。
食事とは栄養を補給する活動だけではなく、おいしく食べて楽しむ手段であるべきなのです。
そこで食事で「おいしさ」「たのしさ」を感じるもっとも敏感な部分として目がいくのが「味覚」です。
味覚とは、単に「味」だけではありません。食べて味を感じる前から味覚は始まっています。
・目で見て感じる
・鼻でにおいを感じる
・耳から音で感じる
いかがでしょうか。まだ口に入れていませんが、3つ感じています。
続いて、口へ運んだときにも味覚が影響されます。
・温かさや冷たさ
・柔らかさや固さ
・厚み
そして口へ入れたとき舌が感じる
・甘味
・辛味
・塩味
・苦味
・酸味
・うま味
などがあります。
そして、忘れてはいけないのが食事をする環境です。
どのような雰囲気で食事をするのかも「おいしさ」「たのしさ」に大きく影響してきます。
これだけの感覚を使って、私たちは食事の味覚を感じているのです。
高齢者の味覚は変わっていることも
健康な方ですと、このような多彩な感覚を使って味覚を楽しむことができます。
しかし、誰でも加齢により感覚が変化するものです。個人差は当然ありますが、多かれ少なかれ誰にでも味覚の変化は訪れています。
特に味覚の変化が起こりやすいのが、高齢者に多いお薬の影響です。
厚生労働省が作成した報告書に以下のような内容があります。
味覚障害・味覚異常記載がある薬剤
薬効分類 | 一般名 |
催眠鎮静剤・抗不安剤 | トリアゾラム、ロフラゼプ酸エチル、クアゼパムなど |
抗てんかん剤 | トピラマート、カルバマゼピンなど |
解熱鎮痛剤 | アクタリット、ジクロフェナクナトリウム、エトドラク、インドメタシン、モフェゾラク、メロキシカム、イブプロフェンなど |
抗パーキンソン剤 | レボドパ、ペルゴリドメシル酸塩、エンタカポンなど |
精神神経用剤 | ミルナシプラン塩酸塩、アミトリプチリン塩酸塩、アモキサピン、トリミプラミンマレイン酸塩など |
耳鼻科用剤 | トラマゾリン塩酸塩 |
不整脈用剤 | アミオダロン塩酸塩、プロパフェノン塩酸塩など |
利尿剤 | フロセミド、アセタゾラミド |
血圧降下剤 | エプレレノン、カプトリプル、イルベサルタン、ロサルタンカリウム・ヒドロクロロチアジド、シルニジピン、セリプロロール塩酸塩など |
鎮咳剤 | クロフェダノール塩酸塩 |
去たん剤 | フドステイン |
ホルモン剤 | チアマゾール、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル、トリアムシノロンアセトニドなど |
出典:厚生労働省~重篤副作用疾患別対応マニュアル(薬物性味覚障害)~より抜粋
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000013qef-att/2r98520000013rbr.pdf
上記の他にも、様々なお薬の副作用で味覚異常が起こることがわかっています。また味覚異常ではなく「苦味」として感じるお薬もあるようですので、「食べたくない」とおっしゃる高齢者の方が、どのようなお薬を服用されているのか知ることで、味覚が変わっておられるのではないか気づくことができるでしょう。
味つけにひと工夫しよう
高齢者の方が食べたくないとおっしゃる場合、味つけにひと工夫することで、おいしく食べてもらえることもあります。
・甘味
甘辛いのが好みという方なら、砂糖を使わずに低カロリー甘味料を使うことで、甘味を強めることができます。
・塩味
塩味が好みの方の場合、大変困ります。砂糖のように代替えできる調味料がありません。だからといってお醤油を多く使うと、食塩よりも塩分が高くなることがあります。
そして、高齢者の方が塩味もほしいと感じられるのは、味覚がはっきりしていないためですから、要望通りの味になるように塩を使うと塩分の取りすぎになります。
そこでひと工夫できるのが、カレー粉です。
実際の塩味ではなく、香りを生かすことでおいしい味覚を感じてもらうことができます。
実際に舌が感じる味覚だけではなく、目や鼻からの味覚をうまく使うことで、健康的な塩分や甘味の摂取を行うことができるでしょう。
身体的理由が原因の場合も
味覚の変化以外にも「食べたくない」理由があります。
それは「食べたいけれど」実際に食べるのがつらいという状態です。
複雑な運動「嚥下(えんげ)」とは
健康な人なら、食べ物を口の中へ入れて飲み込むことは簡単です。特に意識せずとも自然に行っていると思います(これを「嚥下」といいます)。
しかし高齢者の方の中には、
・噛む力
・飲み込む力
・口の中で食べ物をまとめる力
こういった普段は気にしていない力が低下することで、うまく飲み込めないという場合があります。
ここが肝心なところでして、食べ物がうまく飲み込めないということは、気管に入ってしまい「むせる」ことが増えます。
あなたも過去に「むせた」ことがあると思いますが、大変苦しいものですよね。もし、あの状態が毎食時に1度はやってくるとしたら、食事が楽しくおいしいものに感じられるでしょうか。正直なところ健康な人でも、いくらおいしい料理が出てきても「食べたい!」という気分にはならないはずです。
高齢者の方が「食べたくないんだよ」とおっしゃる原因には、「実は食べたいけれど、苦しい思いはしたくないから食べたくない」
そんな理由があって食べないということもあるのです。
食べ方を工夫すれば安心して食べられる
嚥下がうまくいかない(嚥下障害)が起こっている場合には、食べ方を工夫することで、安心して食事を楽しんでもらえます。
(1)食べる姿勢
高齢者の方によって「食べやすい」姿勢があります。医師や看護師、介護の専門家に相談してみてください。きっと安心して食事をしてもらえる姿勢が見つかります。
(2)盛りつけ
口へ運びやすい盛りつけを工夫しましょう。無理にまとめて口へ運ぶと飲み込みにくくなります。
(3)料理の大きさ
ひとくちで食べやすい大きさにしておくと安心です。
また、口の中へ入れたとき、余裕のある大きさがベストです。
(4)飲み込みやすさ
べたつきを抑えたものが安心です。
ポイントとしては、次の3つが基本となります。
・やわらかくする
・なめらかにする
・まとめる
反対に食べづらいものの特徴はというと、次のようになります。
■かみ切りづらいもの
・わかめ、のり
・リンゴ、揚げ物の衣
・パン、高野豆腐
・パイナップル、肉
・かまぼこ
■くっつきやすいもの
・餅、パン
・のり、ウエハース
・ゆで卵の黄身、かぼちゃ
■まとめづらいもの
・ごま、そぼろ、ブロッコリー
・きなこ、でんぷん、高野豆腐
■その他
・水分の多い果物
・茶碗蒸し
・絹ごし豆腐
食べない原因対策、栄養サポートで健康維持しよう
高齢者の方の食べない原因をお話しました。
続いて、高齢者の方の健康を維持するためにできる栄養サポートについて紹介していきたいと思います。
栄養サポートには5つのポイントがあります。
(1)腹八分目
昔から言われていることですが、お腹いっぱい食べるのではなく八分目にしておきましょう。食べない方が食事の楽しさを感じ始めると、ついつい食べ過ぎてしまわれることもあります。注意しておきたいですね。
(2)野菜を食べる
まだまだ多くは食べたくないという方には、ビタミン不足を補うために野菜を食べてもらうことを考えましょう。野菜にはビタミンCやビタミンEが豊富なので免疫力の向上が期待できます。
(3)魚を食べる
魚にはタンパク質が含まれています。タンパク質は私たちのカラダに必要な筋肉を作る源なので摂取することが必要です。
また、魚にはEPAやDHAも含まれていますので、高齢者の方に不足しがちな良い脂肪酸を摂取することができるでしょう。
(4)甘いものは控えめに
食事は食べたくないけれど、甘いものなら食べたい。そんな方もいらっしゃいます。
何も食べないよりは良いのですが、食べ過ぎると糖質が増えてしまい糖尿病を誘因する可能性もあります。
(5)水分補給
忘れがちなのが水分補給です。
外出しないし運動もしないので、水分は必要ないだろうと思ってしまうのも無理はありません。
しかし、人は何もしなくても水分を使い排泄しています。こまめに水分補給をしておきましょう。
食べない原因と、口腔ケアには注意が必要
最後に食べたくない原因としてまれにあるのが口腔ケアです。
健康の入り口をケアする理由
いくら食べたい気持ちがあっても、口の中が食べられる状態になっていないと食事をたのしむことはできません。
・虫歯が原因で食べたいけれど食べられない
・歯周病が原因で歯茎が痛いから食べられない
・歯がぐらついて食べられない
・入れ歯が合っていないので食べにくい
こういった理由が意外にあるものです。
そのため、定期的な口腔ケアを意識してもらいたいと思います。
お口のチェックポイント
簡単なお口のチェックはお家でもできます。定期的にチェックし変化があれば歯科医に相談するか、訪問看護の方にお話してみましょう。
(1)歯がぐらついていないか
(2)歯肉に腫れはないか
(3)口は渇いていないか
(4)舌は乾燥していないか
(5)歯茎から出血していないか
(6)舌苔はないか
(7)奥歯に食べ物が詰まっていないか
こういった部分は家族でもチェックすることができますので、見ておきたいところです。
口腔ケアの基本とは
口腔ケアの基本は、誰もが知っている歯磨きです。
まずはお口の中を清潔な状態にすることが第一ですね。
入れ歯などは、やさしく傷つけないようにブラシやガーゼを使って洗いましょう。
お口の中が乾燥しがちな方は、医師に相談し乾燥をゆるめる口腔ケア用品を紹介してもらうと、食事のときにも楽しさが出てくると思います。
口腔ケアの目標を確かめよう
口腔ケアは健康への第一歩ですが、高齢者の方の口腔ケアの目標は「食べること」だと言えます。
食べる楽しみはカラダ全身への健康につながります。
高齢者の方が「食べたくない」とおっしゃる場合には、お口の状態も気にしておきたいですね。
食べない原因と対策まとめ
高齢者の方の低栄養を防ぐためには「食べない」原因を知り、少しでも食べる楽しみを取り戻してもらうことが肝心です。
そのためには、今回お話しましたような方法やポイントを参考にしていただけると、食べたくないが変化するかもしれません。
また、わたしたち「配食のふれ愛」では、原材料にこだわり栄養バランスのとれた食事を、食べやすい大きさややわらかさに調理したお弁当をご用意しております。今なら無料試食キャンペーン中ですので、食べたくないとおっしゃる方へ気分を変えていただくつもりでお試しいただけると幸いです。