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カルシウムは丈夫な骨や歯を作るだけではなく、身体の中で重要な役割を担っているミネラルです。日本人はどの年代もカルシウムの摂取量が不足していると言われています。ここでは、カルシウムが不足している原因や、カルシウムの効果、さらにカルシウムを効率的に摂取する方法などについて詳しく解説します。
カルシウムとは?必要な理由
カルシウムは人間の身体の中に一番多く存在するミネラルで、99%が骨や歯に存在しています。残りの1%はカルシウムイオンとして血液や筋肉、細胞の中に分布しており、ほんのわずかな量であるにも関わらず、身体の様々な機能を調整しています。平成29年国民健康・栄養調査によると、カルシウムの摂取量は成人で一日に約510㎎と日本人の食事摂取基準(2015年)で推奨されている量を下回っています。
日本人の多くは慢性的なカルシウム不足であり、欧米人と比べると乳製品の摂取量が少ないことが背景にあると言われています。日本人の3人に2人はカルシウム不足であり、世界的に見ても先進国の中では最低レベルの摂取量となっています。
成人のカルシウムの食事摂取基準(mg/日)
男 性 | 女 性 | |||||
年齢等 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 耐容 上限量 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 耐容 上限量 |
18~29歳 | 650 | 800 | 2,500 | 550 | 650 | 2,500 |
30~49歳 | 550 | 650 | 2,500 | 550 | 650 | 2,500 |
50~69歳 | 600 | 700 | 2,500 | 550 | 650 | 2,500 |
70歳以上 | 600 | 700 | 2,500 | 500 | 650 | 2,500 |
参考:厚生労働省 平成29年国民健康・栄養調査結果の概要
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000351576.pdf
カルシウム不足の原因は?
・牛乳や乳製品の摂取量が少ない
アメリカ人は1日にコップ2.5杯の牛乳を飲み、1日に摂取するカルシウムの約75%は牛乳や乳製品から摂取しているのに対し、日本人は0.5杯程度しか飲んでおらず牛乳や乳製品から摂取するカルシウムは約28%程度、ということが分かっています。
残りは魚や野菜、海藻などから摂取していますが、牛乳に比べるとカルシウムの吸収率が低いため、1日に摂取するカルシウム量が不足していることが考えられます。
・乳糖不耐症である人が多い
日本人の約8割が乳糖不耐症という牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素がうまく働かない体質の人が多いと言われています。乳糖不耐症の人が牛乳を飲むと腹痛、下痢などの消化器症状や頭痛などの症状がみられます。乳糖不耐症はアジア人に多く、体質によって症状の程度は様々です。乳糖を分解する酵素は加齢とともに減少するため、高齢になるほど乳糖不耐症の有訴率は高くなります。
・水道水が軟水である
日本の水道水のほとんどは軟水といってカルシウムやマグネシウムなどの金属イオンが少ない水です。一方、ヨーロッパの国々の水道水は硬水であり、水道水からカルシウムを摂取することができるのです。普段軟水を飲む日本人がいきなり硬度の高い硬水を飲むことで、マグネシウムの作用によって下痢をしたり、肌が荒れるなどの症状が出ることがあります。
・国土の多くが火山灰地
火山国である日本の土壌はカルシウムの含有量が少ない火山灰地です。当然カルシウムの少ない土壌で育った農作物は、カルシウムの含有量が少なくなります。食事や飲料水で摂取できるカルシウムが少ない分、ほかの国々よりも意識してカルシウムを摂取する必要があります。
カルシウムの効果とは?
カルシウムは骨や歯を形成するために必要なミネラルです。骨にはカルシウムを貯蔵する役割もあり、血液中のカルシウムが不足すると、骨の中にあるカルシウムを溶かして生命維持に必要なカルシウムを確保します。また、カルシウムは傷口の血液を固めるために必要な血液凝固因子という酵素の働きを活性化させたり、細胞の分裂や分化、神経系の情報伝達、筋肉の収縮などに関与しています。
さらに、カルシウムには、大腸がんを予防する働きがあります。国立がん研究センターの研究によると、カルシウムは大腸がんの発がん物質と結合する作用があるため、男性においてカルシウムを多く摂取している人(700㎎以上)はそうでない人(300㎎以下)に比べて大腸がん発生のリスクが40%も低いことが分かっています。
カルシウム不足と病気
・骨粗しょう症
骨は毎日生まれ変わっており、新しい骨を作る骨形成と、古い骨を壊す骨吸収が繰り返し行われています。そのため、カルシウムが不足すると新しい骨を作ることができず、骨吸収のみが進んでいきます。その結果、骨の中がスカスカになり骨が脆くなってしまう「骨粗しょう症」となってしまいます。特に女性は閉経を迎えるとエストロゲンという女性ホルモンの分泌が減少することによりカルシウムの吸収率が低下し、急激に骨密度が減少しやすくなります。
我が国の骨粗しょう症患者は、50歳代ではおよそ10人に1人くらいの割合ですが、60歳代ではおよそ3人に1人、70歳代では2人に1人と推定されています。骨粗しょう症になると、軽くつまづいたり、咳やくしゃみをしただけでも骨折しやすくなってしまいます。また、身体の重みで背骨がつぶれてしまい、背中が曲がってしまうこともあります。骨折・転倒は寝たきり状態となり介護が必要となる原因の上位にもなっています。
・高血圧や動脈硬化
カルシウムが不足すると骨から溶け出したカルシウムが血管を収縮させて血圧を上げてしまいます。さらにカルシウム不足が慢性化すると、余ったカルシウムが血管の壁に付着し、石灰化させてしまいます。石灰化された血管は動脈硬化を引き起こし、さらに血圧を上昇させてしまう上、心臓病や脳卒中のリスクを高めます。
ほかにもカルシウム不足は、筋肉が異常収縮してこむら返りを起こしやすくなったり、糖尿病やがん、関節症、免疫機能が低下して感染症にかかりやすくなるなど様々な病気の原因となることがあります。
カルシウムが多すぎるとどうなるの?
カルシウムの摂取上限量は2,300mgであり、所要量の4倍以上にあたります。普通の食事で摂取し過ぎることは考えにくいでしょう。サプリメントや薬でカルシウムの摂取が過剰となった場合に、血液中のカルシウムの濃度が高くなる高カルシウム血症という状態となり、身体が疲れやすくなったり、だるくなったり、食欲不振などの症状がみられます。
カルシウムを効率的に摂取する
食品から摂取するカルシウムの吸収率は一番高い牛乳で50%、小魚で30%、野菜では17%とそれ程高くはありません。カルシウムには一緒に摂ることで吸収率が良くなる栄養素や、吸収が阻害される栄養素があります。
・マグネシウムと一緒に摂取する
→カルシウムとマグネシウムは血液中に2:1の比率で存在しており、お互いの働きに関わっています。この比率がカルシウムの吸収が最も良いため、食事中のカルシウムとマグネシウムの比率も2:1となるようにしましょう。
・牛乳、もしくはスキムミルクを料理にも活用する
→牛乳にはカルシウムの吸収を良くするタンパク質が含まれており、カルシウムを効率的に摂取することができます。牛乳をそのまま飲むだけではなく、和食に牛乳を加える「乳和食」が注目されており、味噌汁やサバの味噌煮などに牛乳を加えることでカルシウムを補いながら塩分量を抑えることができます。牛乳が苦手な人はスキムミルクで代用しましょう。
・ビタミンDと一緒に摂取する
→ビタミンDはカルシウムの吸収を促進します。ビタミンDはキノコ類や脂肪の多い魚に多く含まれているため、カルシウムを含む食品と合わせて積極的に摂りましょう。日光浴でもビタミンDは生成されます。
・リンを含む食品を摂りすぎない
→リンの過剰摂取はカルシウムの吸収を妨げます。リンはインスタント食品、スナック菓子、炭酸飲料、練り物などの加工食品に多く含まれます。
カルシウムが多い食品
食品(量) | カルシウム 含有量(mg) | |
魚介類 | 干しエビ(10g) | 710 |
ワカサギ(70g) | 315 | |
丸干しイワシ(30g) | 132 | |
シジミ(中10個・50g) | 65 | |
大豆製品 | 生揚げ(1枚・120g) | 288 |
木綿豆腐(半丁・150g) | 180 | |
納豆(1パック・50g) | 45 | |
乳製品 | 牛乳(1杯・200ml) | 220 |
スキムミルク(大匙2.5杯・20g) | 220 | |
プロセスチーズ(1切れ・25g) | 158 | |
ヨーグルト(1カップ・100g) | 120 | |
野菜・海藻類 | 小松菜(1/4束・95g) | 162 |
乾燥ひじき(10g) | 140 | |
チンゲンサイ(1株・100g) | 100 | |
切干大根(10g) | 54 |
カルシウムの摂取方法まとめ
カルシウムは骨や歯を形成するだけでなく、高血圧の予防や筋肉の運動、神経の伝達など身体の中の様々な機能に関係しています。体質や水質、土壌から日本人のカルシウム不足は宿命である、とも言われており年代問わず意識して摂取する必要があります。
特に高齢者の場合カルシウムが不足して骨粗しょう症が起こると、転倒した際に骨折しやすくなってしまい、骨折がきっかけで介護が必要になることが多くなっています。食事や運動など生活習慣を見直し、丈夫な身体を作っていきましょう。
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