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厚生労働省が行っている調査では、うつ病などの気分障害によって医療機関にかかっている患者数には増加の傾向がみられています。ストレスの多い現代では、うつ病は特別な人がかかる病気ではありません。うつ病の予防と早期発見のために、うつ病について知っておきましょう。
目次
うつ病とは?原因と種類
誰にでも、気分が落ち込んだり食欲がなかったり、夜眠れない、といったことはあるものですが、多くの場合は自分の好きなことをしたり、原因となっている事柄が解消されれば自然と元気を取り戻すことができます。しかしうつ病の場合は、憂うつな気分やさまざまな意欲の低下が続いたり、身体的な症状を伴うこともあります。
うつ病は脳の病気
うつ病は「気持ち」や「心」の問題ではなく、ある要因によって「脳」の働きに変化がおこる病気です。
脳の神経細胞はお互いに情報伝達をすることで心の機能(感情・意思)や体の機能(運動・行動)を伝える働きがあります。神経細胞同士はシナプスでつながっていて、シナプスとシナプスのつなぎ目にはすき間があります。そのすき間では情報の量に応じた神経伝達物質が受け渡しされ、情報が伝わっていきます。うつ病では、この神経伝達物質に異常がおきていると考えられています。神経伝達物質は数十種類が特定されていますが、以下の神経伝達物質は精神疾患に深く関係していることがわかっています。
セロトニン:精神を安定させる働きのある神経伝達物質です。緊張感や焦燥感に関係していて、セロトニンが低下すると攻撃的になったり、不安や憂うつ、パニック発作などを引きおこしたりするといわれます。
ドパミン:喜びや快楽を感じさせる神経伝達物質です。依存症とかかわりがあると考えられています。
ノルアドレナリン:恐怖や驚き、興奮などを感じさせる神経伝達物質です。精神的・身体的にストレスを感じた時、交感神経を活性化する働きがあります。ノルアドレナリンが低下すると、意欲の低下や興味の消失などがおこります。
うつ病の原因
過剰なストレスや疲労が継続することで、神経伝達物質の量や働きに不調がおきると、感情をうまくコントロールできなくなり、うつ病を発症するといわれています。それに加えてもともとの性格や物事の考え方の傾向、環境から受けるストレスの状態などが深くかかわっているといわれています。
性格的要因 | ・生真面目で仕事熱心 ・責任感が強い ・完璧主義 ・社交的で明朗快活、かつ寂しがりな面を合わせ持っている | |
環境的要因 (きっかけ) | ・仕事の疲労 ・職場移動などの環境変化 ・精神的打撃 ・経済問題 ・近親者の病気や死など | |
女性特有のこと | ・月経、妊娠、出産など女性ホルモンのバランスの乱れ ・家庭内での葛藤 |
うつ病の発症にかかわるのは、必ずしも悲しいことやつらいこととは限りません。喜ばしい出来事であっても、それが自分の生活に影響したり、急激な環境の変化につながったりして対処が困難となった場合には、うつ病発症の要因となることがあります。
うつ病の種類
うつ病の種類には分類方法がいくつかありますが、症状による分類では抑うつ状態だけがあらわれる「うつ病(大うつ病性障害)」と、抑うつ状態と躁(そう)状態の両方がある「双極性障害」の2種類に大きく分けることができます。
・うつ病(大うつ病性障害)
さまざまな誘因によって発症します。抑うつ状態のみが出現し、物事に対する興味や関心が低下するなどの症状の他に、食欲がない、疲労感が強い、眠れないなど、体にも症状があらわれます。
・双極性障害抑うつエピソード
以前は躁うつ病と呼ばれていた病型です。とても活気にあふれていて、何でもできるような気分になる躁の状態と、抑うつ状態の両方が出現します。躁状態と抑うつ状態の出現のタイプによって「双極Ⅰ型」「双極Ⅱ型」「ラッピッドサイクラー(急速交代型)」に分けられます。
抑うつ状態の症状はうつ病と同様なので、うつ病と混同されることもありますが、うつ病と双極性障害抑うつ状態では、原因や経過が異なり、薬や治療方法も異なるため注意が必要です。
うつ病の症状とは
うつ病の症状は、心だけではなく、体の症状としてあらわれることもあります。
心の症状
うつ病の前駆症状として「憂うつ感」があります。具体的には、次のようなことがあげられます。
・楽しみや喜びを感じない
いつもなら楽しいことが楽しめず、憂うつな気分を感じます。
・気分が晴れない
良い出来事があったり、ストレスを感じていた要因が解決しても、すっきりと気分が晴れません。
・好きなことが楽しめない
趣味に没頭したりスポーツで汗をかくなど、好きなことを楽しめず、疲労感を強く感じるようになります。
体の症状
うつ病の症状は気持ちの面だけではなく、体にもあらわれることがあります。頭痛や吐き気、肩こりや便秘・下痢など、受診をしても原因が特定できず、不定愁訴として扱われるような場合に、うつ病が疑われることがあります。
・眠れない
寝つきが悪くなった、夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚める、熟睡できないなど、睡眠に不調がおきます。
・疲労感・倦怠感
発熱など他の症状がなくても、非常に強い疲労感や倦怠感があって、仕事や家事に支障をきたすようになります。
・食欲減退、体重の減少
食欲がなく、知らず知らずのうちに食事量が減少していて、体重が減少します。
シオノギ製薬と日本イーライリリーがうつ病について啓発を行うウェブサイトです。簡単な、うつ病のセルフチェックができますのでご参考ください。
https://utsu.ne.jp/self_check/
うつ病の治療とは
うつ病は適切な治療を受けることで回復できる病気です。他の病気と同じようにお薬での治療に加えて、周囲の人たちの理解と協力、医師や看護師、薬剤師などの医療従事者との信頼関係も大切です。
治療は「休養」「薬物療法」「精神療法」を中心に行われます。
休養
体も脳も、回復していく過程で休む時間が必要なことがあります。うつ病では脳のエネルギーが欠乏した状態といえるので、疲労した脳をしっかり休ませることが必要です。
病状によっては、いったん仕事を休んでしっかり療養することが必要な場合もあります。自宅では家族のことが気になったり、申し訳ない気持ちで落ち着かないような場合には、症状は軽くても一時的に入院することもあります。
薬物療法
うつ病では脳内の神経細胞の情報伝達に異常が生じています。脳の機能を調整することで症状を改善するのが薬物療法の目的です。主に処方されるのは抗うつ薬と呼ばれる薬ですが、即効性のある薬ではないため、効果があらわれるまでに時間がかかることがあります。効果があらわれるまでに数週間かかることもあるため、効果があらわれないことを不安に感じたりせず、医師の指示に従って服薬を続けましょう。
抗うつ剤によって、もともとの性格が変わってしまうようなことはありません。うつ病による不快症状を改善するのが抗うつ薬であり、うつ病を発症する前の自分に戻るための薬物療法と考えましょう。
抗うつ剤の副作用のひとつに、眠気やだるさ、吐き気やめまい、便秘などがありますが、これらの症状は徐々に消失していくことが多いため、心配いりません。ただし、症状が強くて苦痛がある場合は、医師に相談しましょう。
うつ病の主な症状である不眠や不安感、恐怖感などを軽減するために、睡眠導入剤や抗不安薬などが処方されることがあります。これらの薬は即効性があり、服用後はすぐに効果があらわれます。
精神療法・カウンセリング
精神療法やカウンセリングは、再発予防という観点で行われます。
・認知行動療法
認知行動療法では、気持ちが大きく動揺したり、つらくなったりしたときに、自分の頭の中に浮かんだ考えに目を向けて、それが現実とどのくらい食い違っているかを検証することで、思考のバランスをとっていくという考え方で行われます。悲観的になり過ぎず、楽観的にもなり過ぎず、現実的な考え方で今の問題に対処していけるようにしていきます。
・森田療法
森田療法は、森田正馬精神科医師によって創始された精神療法です。自己の不安や恐怖の感情を無理に排除しようとすることをやめ、「そのままにしておく」ことを養う方法です。自分を受け入れて、自分らしい生き方を実現することが、最終目標になります。
・内観療法
内観療法は、自分の過去の行動や生活態度を、対人関係を通して振り返り、真実の自己を発見することによってさまざまな気づきや洞察を得る技法です。「このままではいけない、何とかしなければ」という思いを引き出し、自発的で積極的な行動を引きおこすことが可能となります。
うつ病の食事
うつ病と食事には深い関係があることがわかっています。必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、DHAやEPAなどの脂肪酸など、バランスの良い食事を心がけるようにしましょう。うつ病の人は特に、葉酸・亜鉛・鉄の血中濃度が低い傾向があることがわかっています
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うつ病の人との接し方
うつ病の治療には、本人だけではなく周囲の人の理解や協力が欠かせません。うつ病の人には、どのように接するのが良いのでしょうか。
今まで通りに接する
過剰に心配したり、必要以上の援助をすることはやめましょう。
うつ病の回復には個人差が大きく、良くなったり悪くなったりを繰り返します。日によって様子や態度が変わることがありますが、冷静に今までと変わらない態度で対応しましょう。
うつ病と自殺
内閣府が自殺の原因と健康問題の関係について調査した結果では、原因となった健康問題のうち、4割を超えて最も多いのがうつ病でした。「自殺について考える」というのは、うつ病の症状のひとつとも考えられます。死について打ち明けられると、家族や周りの人はびっくりして、どのように対応するべきか迷うことと思います。そこで過剰に反応したり、否定的な態度を見せると、それ以上悩みや苦痛を打ち明けられなくなってしまいます。まずは冷静に話を聞くようにしましょう。
うつ病の人が、自殺を実行する前には、いろいろな形でサインを発していることがあります。家族や周囲の人がそのサインに気づくことで、自殺を防ぐこともできます。
まだ危険性が低い段階では「消えてしまいたい」「交通事故にあえばいい」などと話すことがあります。これは「希死念慮」といって、自殺について考えていても実行に移す段階ではありません。この時点で周囲の人が気づいてじっくり話を聞くことで、自殺を回避できる可能性があります。
自殺を具体的に考えている場合の傾向として、不安感やイライラした様子から、急に明るく元気にふるまったり、身辺の生理を始めたりするなどの行動がみられることがあります。様子に異常を感じたら、ためらわずに医療機関を受診しましょう。本人が受診を拒否するような場合には、医療機関と連携をして救急車の要請も検討します。またお酒を飲んで酔うと、自殺の実行を助長することになりかねません。うつ病の人からアルコールを遠ざけることは、自殺防止に必要な対応です。
不安に巻き込まれない
家族などの身近な人がそばにいることは、うつ病の人にとって心強いことです。しかしうつ病の症状や病状、周囲からの余計な情報に振り回されてしまい、一緒にいる人の方が疲弊してしまうケースもあります。気になることや心配事は、看護者も我慢せずに医師に相談しましょう。
うつ病の経過について
うつ病の回復はどのような経過をたどるのでしょうか。また、再発防止にはどのようなことが必要でしょうか。
病初期
うつ病の診断を受けたら、まずは心と体を十分に休ませることが大切です。
体を休ませるためには十分な睡眠が不可欠です。うつ病の症状のひとつとして睡眠障害がありますが、医師と相談して睡眠導入剤などを使用しながら、しっかりと眠りましょう。
心を休ませるためには、何もしない・何も考えないことが良いのですが、人が眠っていない時に何も考えないでいることは、実際にはなかなか難しいことです。そのため、心を休ませるためにも睡眠は非常に重要です。何もしないことに後ろめたさを感じる場合は、「何もしないこと」が治療であることを、本人も周囲の人も理解することが大切です。何かしなければならないと思って動くことと、何かをしたいと思って動くことは違います。「何かをしたい」という気持ちになるまで、ゆっくりと待つことが大切です。
回復期
回復期には、むしろ調子の良いときと悪いときの差が大きく、うつ病の人も周囲の人も戸惑うことがあるかもしれません。調子のよいときに頑張り過ぎると、その反動で症状が悪化することもあります。回復の程度に合わせて無理のない予定を立てて、予定に沿った生活をしましょう。症状に応じて疲労の程度を予測しながら、予定を段階的に少しづつ増やしていくことが大切です。
再発予防期
再発予防に最も重要なのは、症状が軽快したあとも、医師の指示通りに服薬を継続することです。自己判断で服薬を中止した場合に、再発率が高いことがわかっています。うつ病は再発を繰り返すと、抗うつ薬の効き目が低下し改善しにくくなリます。良い状態を維持するために、服薬は医師の指示通りに継続しましょう。
またうつ病の薬は急に服用を中止すると、頭痛やめまい、不安感などの症状があらわれることがあります。終了するときには医師の指示に従って、徐々に減らしていく必要があります。
うつ病のまとめ
うつ病は誰でもかかる可能性がありますが、適切な治療によって回復する病気です。早期発見と早期治療のため、うつ病について知っておくことが大切です